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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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キヤノン・デミのメンテナンスの巻

2023年04月22日 12時30分00秒 | ブログ

また、PEN-FTが事情で作業中止となりお帰りになりましたので予定が狂いました。オーナーさんとの認識の違いはトラブルの元ですので曖昧のまま作業はしません。で、次はキヤノン・デミでした。シャッター羽根の張付きやすい機種ですが洗浄をして行きます。で、左のちっこい旧型電機は・・

これも30年以上前に製作したED14です。小学生の頃、兄が所有していたカワイモデルのED14が大好きで、デティールアップパーツのメーカーだった銀河モデルからNゲージの真鍮キットが発売になるとTMS(鉄道模型雑誌)の広告で知り、すぐに電話をしましたら「まだ量産品は出来ていない、先行試作品なら出せる」とのことでしたのですぐに注文した個体です。N(9mm)ゲージでも真鍮製の車体を作って見たかったのです。デッキの手すりは真鍮線の手曲げに変更していますが、非常に良い雰囲気のモデルで、HO(16番)のカワイ製ED14よりも実機に近いシルエットをしており、お気に入りです。その銀河モデルの社長さんもお亡くなりになったと知りました。業界最古のカワイモデルも廃業されたようですし、立川で老舗の鉄道模型店「キョーサン」さんも2月で廃業されたようです。IMONなどの通販ショップに押されたのでしょうかね? 立川に残るのは「エンドウ」ですが、こちらは自社の製品や部品がメインですから、欲しい部品が揃いません。カトーやトミックスから16番のプラ車体が発売されていて非常に良く出来てはいますが、Nの拡大版にしか見えません。私たち世代は鉄道模型は金属モデルなんですね。

私も所有しているカラーデミ青です。トップカバー面にへこみがありますね。修正をしておきます。

 

 

トップカバーを外して巻上げ系の清掃、メーターの点検、ファインダーの清掃などをして行きます。

 

 

実像式の凝ったファインダー。接眼部を左にオフセットしたかったんでしょうね。レンズが曇っている個体が多いですが、この個体は接眼レンズのコーティングが劣化していますが、まぁ、使えレベルになります。

 

撮影レンズの方は前玉がコーティングの劣化とガラスのすり傷があり曇っています。別のレンズと交換した方が良いので、将来の交換を前提に組んでおきます。カラーデミなので潰せませんからね。

 

影を忘れました。シャッターのメンテナンスをして本体に取り付けたところ。留めネジ4本のうち3本が欠落した状態でしたので、4本共PENのネジM1.7(少し短く頭が大きい)を流用しました。同じ目的のネジなので問題ありません。テストの結果、手動絞りレバーの自動復帰がしない不具合有り。ダイヤルが⚡B以外の位置(EE)にある時はレバーにロックが掛からず戻るはずが引っかかって戻らない。レバーが付いている絞りリングに変形があるので修正をしましたが、リターンバネも弱っていて完治はしない。

前玉はこのようになっています。フィルターを装着していなかったための中央凸部分のキズとコーティングの劣化。これは交換する必要があります。

 

カバーを洗浄してモルトを貼りましたが、私はキヤノンデミとオートハーフのモルト貼りが苦手です。研磨をした圧板を付けます。

 

デミはレンズの分解には化粧プレートを剥がす必要がありますが、無理に剥がしてヨレヨレになっている個体が多いです。いずれ前玉を交換する必要があるので軽く貼っておきますよ。

 

きれいになりましたね。私も所有するぐらい青デミは好きですが、PENに比べて構造が複雑で部品点数も多いので工数的には厳しいカメラです。

 

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