今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN三兄弟の巻き(その2)

2022年03月02日 13時40分00秒 | ブログ

PEN-Wについては普通のPEN-Sと同じなので割愛。ダイヤルカバーがクラックが入っているように見えましたが・・

 

じつはすでに欠けていて接着をされているのでした。再接着をしておきましたが、PEN-Sジャンクより調達交換された方が良いかと思います。

 

で、最後は長男ですかね? 三光PEN #1100XX ですが、初期型の特徴を持っている個体で、基本的には消耗はしておらず外観のへこみやメッキの劣化は少ない個体です。ただし、どこから出て来たのかなぁ? 現役で保存されて来た個体ではないですね。内部は塗装面にも大量のカビが発生しています。良い機会なのでここでお話をしておきますが、一般的にオーバーホールは機能の改善をすれば良いのであって、外観や内部の洗浄、清掃は私の拘りと好意で行っているものですから工数計算には入っていません。基本的には清掃はオーナーさんが行って頂くものと考えています。

裏蓋側もすごいことになっています。

 

 

ファインダーブロックの樹脂は深層まで材質の劣化があって、軽く研磨をしても白化した部分は取り除けません。この個体は留めネジの1本が折れていますが、そもそも正規のネジではありません。M1.7のところM2.0を強引にねじ込もうとして折っているのです

初期のPENはスプロケット軸、スプール軸などを留める下側のナットのスリ割りが非常に狭く、また、経年により強く固着をしていますので緩まないことが多いです。無理をするとナットを傷にしてしまいます。この個体の場合は逆に上側から緩めることにしました。

シャッターは予想通り殆ど消耗していません。洗浄組立と注油で問題ありません。

 

 

裏蓋を洗浄していましたら、三脚ネジが緩んできました。ここは左ネジになっています。

 

覚悟はしていましたが、問題はレンズです。PEN系は後玉の曇りが持病です。赤木圭一郎の「霧笛が俺を呼んでいる」状態で、このままでは濃霧の写真しか撮れません。

 

撮影できないカメラでは仕方ありませんので研磨をしました。実像を確認しましたが、ちゃんと写ります。後年のPENから移植しても良いかと思いますが・・

 

内部もきれいに清掃してあります。圧板もきれいです。

 

 

ファインダーはピカピカに研磨をすると時代が無くなってしまい違和感が出ますので、敢えて軽く磨いてあります。その他、駒数ガラスも研磨をしてあります。

 

初期に付属した乳白のレンズキャップも貴重です。使われていない個体ですのでピントリングやシャッターリングの劣化も無く、素晴らしい外観の三光PENとなりました。

 

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