今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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距離レバーが・・PEN-Dの巻

2020年12月07日 20時30分00秒 | ブログ

さすがに中古カメラ店様の仕入れですので程度は良いPEN-D #1910XXです。しかし、展示中に距離レバーがグラグラになったのことです。あぁ、ヘリコイドとの取付けネジが緩んで1本が脱落しています。シャッターは正常に作動していますが、ここまで分解をしましたのでO/Hをします。

 

ヘリコイドグリスが流化して本体に流れだしています。

 

 

ダイカスト本体を洗浄しました。

 

 

「ニイタカヤマノボレ一二〇八」12月8日は毎年書いている開戦記念日がまた来ました。一年経つのは早いですね。新高山は台湾の最高峰です。その台湾が危ない。当時は大日本帝国が米英蘭に宣戦布告をして開戦しましたが、現在は某国から見えない超限戦という宣戦布告を受けています。ここで敗けたら世界が終る。トラ・トラ・トラさん頑張れ。と言うことで作業を続けます。ヘリコイドグリスが流化してベトベトです。すべて洗浄をしてグリスを入れ替えます。

分解歴はある個体ですが、不思議にシャッターは未分解でした。では何したの? 問題は無いと思ったシャッターユニットでしたが、絞り羽根が固着していて途中までしか動きません。分解して良かった・・

 

この個体の頃はシャッター羽根は5枚が多いです。D3などになると6枚入っている個体が増えます。

 

 

順調に組み立てていますが、当初バネはこの位置に掛かっていました。この位置がらテンションが掛かるというのに、すでにパンパンに張っています。折れて交換が必要なバネではないのにどうしたのでしょう?

 

種明かしはバネの取付位置が違っているのでした。

 

 

問題の距離レバーは位置調整をしてきつく締め込んであります。

 

 

この個体の特徴はレンズの状態がすばらしいこと。普通は後玉の曇りや前玉のコーティング劣化があるんですけどね。

 

多分、前回分解された時に駒数軸の調整ワッシャーを抜かれていて、それによって駒数針と駒数ガラスが接触して回ったために駒数ガラスが円周状に削られていました。それをコンパウンドで磨いて修正をしていると・・あれ、露出メーターの透明窓が付いていませんよ。あ~、流しで洗浄した時に取れちゃったんだ。探してこ・・・

ありました。流さなく良かったです。まぁ、部品のストックはありますけどね。目が見えていない証拠なので今日はここまでにします。

 

露出メーター窓は接着しました。トップカバーの内側にはモルトによる腐食があります。接眼部のモルトも含めて取り除いて新しいモルトを貼っておきます。

 

何も考えずに組むと右側の駒数針のように、駒数ガラスと接触をして回転することになってメッキが剥離してしまいます。特にご希望はありませんでしたので良品には交換せず再使用します。あっそうだ。三光PENのように真鍮地を研磨してゴールド針にしよう。

 

限定修理でも可能でしたが、今回は完全なO/Hとしました。その他、彫刻文字の色入れの補修などをして完成です。1964年2月製造。

 

 

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