今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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Rollei 35系のメンテナンスの巻

2019年09月15日 19時03分33秒 | ブログ

まだまだ、ローライ35系が続いています。別個体のシャッターとレンズの清掃をしています。

 

 

絞り羽根まで分解をしたところ。絞り羽根は小さく6枚で、すでに癖が付いていてたため、羽根の位置によって作動がスムーズにならない現象がありました。再度組み合わせを変えて良好となりました。

 

レンズの清掃を終えて本体に組み込みます。

 

 

巻上げレバーなどを取り付けます。

 

 

あ~、気がつけば何台分解したのでしょう。35Sはすべて完了しました。

 

 

かなり状態の悪いローライ35です。露出計の針は小さく振れます。可変抵抗を調整すると感度は上がりましたが、可変抵抗に接触不良があるらしく、針の振れが安定しません。古い可変抵抗には起きやすいトラブルですが、現在、代替できる部品があるのか調べてみなければ分かりません。電子部品は時代によって変わりますから、電気屋さんでないと・・

Cdsは感度低下はあっても実用範囲のようです。現在、入手出来る汎用のCdsは種類が限られています。

 

 

ファインダーがかなり汚れていますので分解清掃をします。

 

 

すべて分解をしたところ。

 

 

清掃を終えて本体に組み込みます。あとはレンズです。

 

 

沈胴部よりレンズ・シャッターを分離します。35Sと違って3本のネジを取ると簡単に取り出せます。

 

 

レンズは後玉は残念ながら、すでに下手っぴいが清掃していて傷が多いです。曇りがあってゴシゴシやったのかも知れません。

 

 

基本的に35Sと同様の構造です。

 

 

ついでに気になるのは沈胴部のフェルトが弱ってレンズを下向きにすると重力で降下して来てしまいます。では、沈胴を抜いてみます。摺動部にフェルトが見えますね。

 

 

フェルトを取り出してみると、その下に同じ形状の紙がフェルトの長さの1/3程度ちぎって入っていました。(画像撮り忘れ)当初はフェルト自体を交換と考えていましたが、「下の紙で調整すればいいじゃん」と考えを変えました。

フェルトの寸法は幅3.8mmX長さ93mmで厚みは0.73mmでしたが、すでに摩耗をしているので新品時はもう少し厚いと思われます。入っていた下地の紙も同寸法で厚みは0.1mmでしたが、全周で入れることを考慮して紙厚0.07mmで作りました。

沈胴部は挿入し易くするためにテーパになってるのかと思いましたら残念ながらなっていませんでした。これは挿入に苦労すると思います。

 

 

フェルトをセットして簡単に挿入しようとしてもまず入りません。その程度で入る場合はゆる過ぎるはずです。これはエンジンのピストンをシリンダーに挿入する時に使うスライダーのような工具を作った方が楽に挿入が出来るでしょうね。あるいは、鏡胴にポリエチレン袋を巻いて前側から引っ張ったら良いかもね。いろいろアイディアはあります。ということで、めでたく挿入成功。

 

では、完成したレンズ・シャッターをセットします。

 

 

レンズの自重で降下して来ることがなくなりました。

 

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