その前に、レチナ・カーター・クセノン35mm F4という巨大なレンズが来ています。レンズの内側に指紋や埃があって清掃のご依頼です。右の中玉は板バネで保持されており、カメラ側からの制御で前後に動きます。
距離リングは特に連動はしていませんね。古いグリスを清掃交換してスムーズに回るようにしておきます。
レンズの分解のために分離した距離プレートを取り付けます。
カメラ側との連動は特殊なバヨネットです。
清掃組立が終ったところ。
で、PEN-S 2.8ですけどね。すでに分解洗浄をしています。しかし、シャッターリング抑えのストッパーピンのカシメが緩んでいます。観察すると、過去にもカシメ修理をした形跡がありますね。
再カシメをしておきます。
中央のピンがストッパーピン。このピンは強度が弱く、シャッターダイヤルを作動範囲を超えて無理に回そうとすると、すぐに曲がってしまいます。とにかく華奢なシャッターです。
すべて分解、洗浄が終っています。特に書くこともないとは思いますが、では始めます。
シャッターユニットは完成しています。洗浄した本体に組立をしていきます。1961-11製と古いですから、スプール軸の腐食が進んでおり、駒数板の回転がスムーズで無いため、軸を研磨しておきました。
シャッターユニットを搭載しました。ピンセット先のコロは紛失し易いですから注意をします。組み込みを忘れるとチャージが出来なくなります。
作業の半分はひたすら部品の清掃なんですね。しかし、この部分に手を抜いてしまうと仕上がりが違って来るのです。
この部分も隙間に汚れが溜まっています。ギヤの歯を丁寧に清掃していきます。
シャッターダイヤルの彫刻文字の色が抜け気味でしたので、色入れをやり直してあります。
吊環部にへこみがありますので修正を試みます。
角部の陥没は直せません。
生産が古い個体は開閉鍵のグリスに砂が入ってガリガリの感触なものが多いです。すべて分解洗浄のうえ、新しいグリスで組立ててあります。スムーズになりました。しかし、性能に関係の無いところばかりですね。
本体と裏フタの内側。きれいになっていますね。圧板も鏡面に磨き出してあります。
はい、これで完成とします。
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