カメラは一段落して、メンテナンス待ちの腕時計が溜まって来ましたので作業をしています。笹原ペンさんから定期的に腕時計が届きますが、今回はバーバリーブランドのクォーツが2つ。まず、紳士用のモデルですが、ムーブメントはスイスのETA製が入っています。メンテナンス、電池交換、ケース・ベルトの洗浄をして完成。
2つ目の個体はシチズンの製造で、ムーブメントも6031Aという当時の普及品。電池交換をしても作動しないがパルスは出ているので輪列を分解して組みなおします。結果は作動するようになっています。
ベルトも超音波洗浄をして完成です。同じシリーズとも見えるモデルですが、スイス製と国産のシチズン製というのも面白いですね。
こちらは北海道のINOBOOさんから送られて来たセイコー6139-7060というクロノグラフ。止まりが発生するとのことでタイムグラファーで測定すると片振りが大き過ぎるデータでこれでは止まりますね。原因は他にもあって、ガンギ車とアンクルの動きが重い。本来はO/Hが必要ですが、今回はガンギ車、アンクル、テンプの洗浄で改善されています。画像は、自動巻き機構を取り去った状態。クロノ機構が見えます。
自動巻き機構はマジックレバー式のため、部品点数はこれだけ。かなり磨耗は進んでおり、回転錘のベアリングもガタが大きいです。セイコー指定のグリスを塗布して組み立て行きます。
回転錘を取り付けて組立完成。ベアリングのグリスは硬めを選択しています。
止まりはなく、快調に作動しています。大型のケースですが、セイコーらしい品のある文字盤で好ましい雰囲気のモデルですね。
次は、少し前にもやりましたね。セイコー・キングクォーツ。4822-8110という、こちらは48系のカレンダーが日にちだけのタイプです。ケースの状態が悪いので、他の同型の個体からケースを移植して仕上げようという算段。画像が交換用のケースで、研磨をしていますが、風防ガラスもすり傷が多くて、急遽交換することにしました。
交換用の風防ガラスが届きました。すでにケースとベゼルは研磨をしてありますので、これから組立てて行きます。
風防ガラスを圧入して完成したケース。ユニットは、この個体を使用しますが、メンテナンスのためリューズを外そうとしても固着して動きません。クォーツは時間合わせをすることが少ないので、錆もあって固着しているようです。
あらら・・、結構腐食が進んでいますね。このケースは裏蓋がスナップ式のため、密着が弱く、ゴムパッキン1枚では、防水性能が劣るのです。ムーブメントはメンテナンス、裏蓋のカバー類は、別の程度の良い部品を使います。
完成したユニット。文字盤は少し黄ばみの劣化がありますね。ホコリなどを取り除いています。
実際の文字盤はもう少しアイボリーな色あいです。INOBOOさんのお好きな、ローマン数字の洒落た文字盤ですね。
ニコンEMも一緒に来ています。カメラと腕時計の両方に情熱を持って活動されているのがINOBOOさんの偉いところ。プラスチック外装で小型軽量なカメラですね。電子式シャッターの絞り優先AE専用機ですから、シャッターダイヤルがありませんね。裏蓋とミラーボックス内のモルトがベタベタですので、清掃交換をしておきます。