先日PEN-S 2.8をO/Hされた方が所有していたジャンクの個体を、撮影旅行の予備機として復活させることになりました。ホコリ手油まみれでチャージも出来ないジャンク機でした。すでに全て分解洗浄をしてあります。
油まみれを洗浄してみれば、それほど程度は悪くないですね。しかし、この個体には、ピンセット先のM1.8ビスと↓のところにもビスがあります。このビスは何の役もしていないのです。めくらビスということですね。確かに、ダイカストの形状は何かの意味があったようですが、他の個体は、このビス孔加工もされていません。このように、ネジ加工をされてビスを入れてあるケースは見たことがありません。
先日の個体と一緒で、駒数ガラスは一度剥離をしたものを、今度は瞬間接着剤で接着されていたようです。古い接着剤をそのままにして再接着をするため、駒数ガラスがトップカバーより下がってしまいます。これは、新品と交換します。その他、吊環部のへこみです。どうしても、こちら側をへこませている個体が多いのですが、巻き戻しダイヤルの落とし込みがあるため、修正は困難です。
ファインダーの汚れが激しく、曇って見えますね。保護ガラスと対物レンズ2枚を分離して、拭き上げ清掃をします。画像は、清掃したレンズを接着するところ。
1961-9月製のシャッターは、シャッター羽根に軽微な錆が発生していましたが、消耗は少ないシャッターです。「巻上げ出来ず」を調整しながら本体に搭載しています。磨き出した距離リングは意外にきれいですね。
ホコリまみれの個体は、裏蓋の開閉キーに細かな砂が混入して「ガリガリ」になっている場合が多いです。画像が構成部品。古いグリスを洗浄してから、新しいグリスを塗布して組立てて行きます。
駒数ガラスは新品に交換しましたが、レンズはカビも無く良好で、清掃で良い状態になりました。とても、最初のみすぼらしいジャンクとは思えない、きれいな個体に仕上りました。本来、ジャンクなどは存在しないのです。これで現役復帰です。