にゃんこな日々

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【映画】『折れた矢』

2013年07月20日 | MOVIE
『折れた矢』Unbowed(2011年/韓国)
監督:チョン・ジヨン。
出演:アン・ソンギ。パク・ウォンサン。ナ・ヨンヒ。キム・ジホ。

大学の数学教授だったキム・ギョンホは、入試に出題された問題に誤りがあることを指摘し公表することを主張するが、その主張は受け入れられず逆に大学側から解雇されてしまう。不当解雇として大学を訴えるも控訴は棄却され、キムは担当判事に正当な裁判を要求するために判事の自宅へ行き、威嚇のために持参したクロスボウが発射され判事を傷つけたとして逮捕される。判事襲撃はテロと判断され、厳罰に処されるキムだが、彼はクロスボウを撃ってはいない判事を傷つけてもいないと主張。
2007年に実際に韓国で起こった「クロスボウ・テロ事件」を元にした作品だそうです。

キム教授の妻が夫からの依頼で弁護士のパク・ジュンに会いにいく場面から、この弁護士が裁判を引き受けるまでは、はっきり言ってすごくうっとうしかった。いや、映画がつまんないとかではなく、この弁護士のキャラが・・・というか、このアル中弁護士がどうにもキライなタイプなんで、なんなんだよおまえは!ってムカついてた(笑)。ところが、この弁護士の過去が明らかになって落ち着いた(笑)。私はいたって単純なのである。そして裁判が始まると、検察や裁判長にムカつくも、とにかく面白い。普通の法廷ものなら、検察と弁護士の言葉の応酬の面白さがあるんだけど、この作品では裁判官側は却下しますとかの単純なセリフだけで、弁護士とキム教授が自分たちの主張をまくしたてる。その対比がまた面白い。韓国でヒットした理由もわかる。そして物語としては理不尽な流れとなるんだけど、ラストシーンでのアン・ソンギ扮するキム教授の笑顔に救われる。ああ、この作品、この役をアン・ソンギがやってるからこそのヒットなんだろうなと思う。
この作品、脚本も面白いし、アン・ソンギやパク・ウォンサンの演技も素晴らしい。でも、大元のこの事件に関して言えば、クロスボウ持ってったらそりゃやばいだろうキム教授。と私は思う(笑)。ただ、実際の事件を元に司法や国家の黒い部分を描くというこの力はさすがだ。昔の日本映画にはこういう作品もあったけど、今の日本の映画ではまず描かれることがないんじゃないかな?と思う。すごい作品です。

-2013.7.17 シネマート心斎橋-


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