東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

あの日の帰り、横須賀線の大船駅で友成が「どうする?」と聞いてきたとき、「入るやろ」と答え、「だよね」と会話したことを今でも覚えています。写真は、友成がプリンを手に入れている姿を見ている自分です。

2023年12月27日 10時05分03秒 | ラストイヤーにかける想い

平素よりお世話になっております。

東京大学運動会ヨット部3年の成相悠喬です。

 

11月の小戸での全日本インカレをもちまして、前主将の西尾さんから主将の職を引き継いで、今年度の主将を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

昨年度は、LBの方々に大きなご支援をいただきましたこと、誠に感謝申し上げます。LBSCHの建設、六大学戦、七大学戦など歴代のヨット部の中でも様々なイベントが目白押しだった年であった昨年度を駆け抜けていけたのもLBの方々のご協力があったからこそです。

 

成績面では、470チームが秋インカレ9位で全日本インカレに出場できず、スナイプチームは全日本インカレ14位でした。この結果をどのように感じているかは人によって様々だと思いますが、去年感じたことを今年に活かしていくしかないということは言うまでもないでしょう。

 

さて、代が交代してからはや2ヶ月が経ちました。1月は正規練習がないことから、実質的には3ヶ月ほどが経過し、もう今年度も4分の1が経ったことになります。

 

今年度は、チーム力・凡事徹底・コミュニケーションという3要素を最大化して、ヨット部だからこそ味わえるような楽しさを体現していきたいという結論に至りました。

 

チーム力とは、部員全員が目標のためにあるいは部のために全力を尽くして頑張ることを指します。去年は個人主義の意識が強く、チームで上手くなろうであったり、助け合っていこうという雰囲気が薄かったように感じます。今部員はありがたいことに30名以上おり、その規模は全国的に見ても大きい方です。この全員がチームとしてまとまったときに彼らが個人で戦ったときよりもよい結果に繋がると思っています。

 

凡事徹底とは、端的に言うと当たり前のことをやっていこうということです。合宿所をきれいに保つ、時間を守る、バースを綺麗に使うなど凡事と言えることはたくさんあります。ですが、これをどれだけ達成できているでしょうか。いわゆる強豪校と呼ばれるところは、こうしたことができています。逆にいうと、こうしたことができているから強豪校として長年君臨できているのではないでしょうか。

 

コミュニケーションとは、部の透明性を高めて、風通しの良い環境を作ることです。言わんとするところは、クルーザー班でも同じことなのではないかと友成のブログを読んで感じました。部が大きくなるにつれて、コミュニケーションエラーが発生することが多くなりました。下級生の意見を取り入れることやコーチとの意見交換など多くの面で組織が大きくなるにつれて重要になる部分です。

 

結局のところ、毎年同じじゃないか。そのように指摘されることもあるでしょう。

 

私が1年生だった頃のスローガンは凡事徹底で、2年生だった頃は好み、好まれる、そして昨年はFun for the win, Fan for the teamでした。

 

今年度も方向性は基本的に同じです。東大ヨット部は、ヨットを通じた人間的成長を目標に据えていますが、その理念が高尚すぎて、毎年長々話し合って部の方針を決めるのですが、長々話し合った割には前年度と同じような結論に落ち着きます。

 

では、なぜ毎年うまくいかないのでしょうか。

 

それは、それを続けていくことが難しいからです。

 

大概、最初に決めた目標は最後には浸透していません(と思います)。毎年勝つために必要な条件は見つけられている。でも、目標に到達することはできていない。そんな状況が続いています。特に近年は、全日本に行けるか行けないかという水準で争っており、それを決めているのは色々あると思いますが、上記のようなチームを作り切れていないからだと思います。

 

続けるためにはどうすればいいのか。2つの方向性があると思います。

 

一つは、最上級生である私たちの代がいかにこの目標を意識し続けて実行できるかです。東大ヨット部の運営は、多くの方々に支えられていることはもちろんですが、日々の運営などは最上級生に委ねられている部分が大きいです。下級生はその最上級生を見ている、そう思います。チームの雰囲気を作り出しているのは4年生で、そうした責任が最上級生にはあります。例えば、調さんの代は時間への意識が強かった代だと感じましたが、そうした雰囲気を作っているのもその代の人たちでした。彼らのミーティングや集合、出艇時間への意識は私たちの代でさえ感じました。先に述べたようなチームを目指す上で私たちがその方向性を示し続けることが重要だと感じます。

 

もう一つは、下級生がこの目標を意識し、チェックし続けられるかです。昨年度は自分は3年でより責任のある立場であったのにも関わらず、何か違うなと感じた際に指摘や意見を述べるのを躊躇ってしまった感じがあります。どこかで自分は3年だし、来年のことを視野に入れてしまったことがありました。下級生にはもちろん陰で批評するのは自由ですが、自分としては下級生を含めての今年のチームだと思っているので、自分事だと思って意見や非難を直接ぶつけてください。幸いなことにそうした意見を無碍にする人はこの代にいないと思います。

 

最後にもう一つだけ述べさせてください。チームの理想像は伝わったかと思いますが、じゃあこの代はどういう数値的な目標を目指すのかということを疑問に思う人がいると思います。

 

数値面での目標を掲げることは簡単です。全日本に行くであったり、全日本で総合◯位であったり、そういうことを言うのは楽だと思います。

 

ですが、そうした目標にはそのチームの想いであったり、覚悟であったりが乗っかっていないとただの紙に書いてある数値で何の価値もないと思います。

 

上で述べたチームを作ることではじめて全日本で戦えるようなチームになると思います。さらにいうと、こうしたチームを作った上ではじめて目指すところだと個人的には思います。

 

もちろん、心の中でこうしたいという目標もあります。ですが、自分自身、昨年度の結果からもこれまでの経過からもそれを発する立場にないと感じています。多分自分たちの代のほとんどが同じ目標を心に秘めていると思いますが、それを言う実力もないし、それを達成できるチームではまだありません。

 

下級生がこの代ならこの目標で本気で行ける、本気でついて行こう。そういう雰囲気を醸成できたときはじめてそれは発するべき価値のある目標になります。来るべき時に言えるように今はまだ日々の練習に勤しみます。

 

では、長々と書きましたが、これで終わりです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

改めまして、最後の江ノ島まで駆け抜けていく所存ですので、どうぞよろしくお願いします。

 

皆さま、良いお年をお過ごしください。



成相悠喬

 



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