東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

最後の楽しみ

2020年10月13日 09時00分00秒 | 引退ブログ
4年470スキッパーの松前です

既報の通り、僕たち470チームは負けました。台風通過後万全の風で2レース行われ、関東インカレ決勝は9位となり、全日本インカレへの出場を逃しました。
いまだ引退への実感はなく、全日本までにはここ整備しとかなきゃなとか下重にあの動作教えなきゃなとか夢で考えていました。ただ、秋インカレで負けたことは確かで、悔しさや後悔に苛まれます。

8位法政との差は6点
470チームは4年前9点で全日本を逃し、2年前も4点で負け、3年前は6点で勝ち取りました。毎年のように僅差で天国と地獄を彷徨っていますが、そのわずか数点はとてつもなく重いことは先輩たちが流してきた涙が表しています。

たった2レースで6点と思うかもしれないけど、1艇が1レースで目の前の1艇を抜いていれば、いやすぐ後ろの1艇に抜かれてなければその差はなかったのです。決して不可能ではなかった。1点の重みは小松さんや先輩、部活内でも何度も言われてきたことだけど、できなかった。
今思い返すとインカレってそういう場所。小松さんに耳が痛くなるほど何度も何度も言われてさすがに4年になると話し始めで何が言いたいか分かっちゃうような当たり前のことができず、部活内で何度も共有して後輩に口うるさくなるほど言ってきたようなミスをして、普段一度も起こったことないようトラブルが発生する。レースで走らないと色々考えちゃうけど、本当に本当に当たり前のことを確実にこなして、一切のトラブルをなくせば、それだけで大きく成績は変わるんだろうなと思います。それだけ東大の力は上位校と変わらない。けど、毎年毎年そのちょっとした緩みをヨットの神様は見逃してくれないのでしょう。
僕が後輩に伝えられるのはこれぐらいです。ナショナルチームのような暴力的なボートスピードや後に語り継がれるようなスーパープレーではなくて、当たり前のことをそつなくこなして、最大限の力を出して後悔なく戦い切れるそんな選手になって欲しいです。


今思うと、3年前東大が33年ぶりに両クラス全日本進出した時には、先輩たちの苦労も知らず全日本に行くことなんて当たり前のことだと思ってしました。あのときは自分が1分でも多くヨットに乗ることしか考えてない赤ちゃんだったわけです。
けど、その1年後自分以外全員レギュラーで1人だけサポートメンバーだったときは少し寂しかったけど、目の前で本気で戦う人たちを見てきて、この人たちなら絶対全日本に行けると思っていただけに全日本に行けなかったときはレースメンバーよりずっと泣いていた気がします。
そして、その1年後レギュラーメンバーになって4年生の苦労も知らずに3年ペアで好き勝手やっていました。たぶん自分のことしか考えてなかったんだろうけど、そこで色々経験して失敗を糧に試行錯誤したことが今に繋がっているんだと思います。
今年は本当にコロナや天候に振り回されたけど、自分がどうすればチームや後輩が動いてくれるかを考えるようになって、うまくいかないことも沢山あったけどすごくいい後輩に恵まれました。

この4年間のヨット部生活はほんとうに楽しかったし、最後の最後までヨットって面白いスポーツだなと思えたのはとても幸せです。辞めたいなと思ったことはなかったし、生まれ変わってもまたヨット部に入るんだろうなと思います。

僕は秋インカレで引退します。ただ、秋インカレはまだ終わってません。今週末、スナイプチームがやってくれます。入賞、トップフィニッシュ、個人戦2艇通過、ここ数年470チームが成し遂げたことない数々の偉業を積み重ねてきた彼らなら、きっと目標を達成してくれるでしょう。
僕はもうヨットで走って貢献することはできません。ただ、頼りないリザルトではあるけど総合成績という形でちょっとだけ貢献できるのが楽しみですね。


この4年間支えてくださったLBの方々、直接ご指導していただいた先輩方、応援してくれた家族、そして一緒に戦ってくれた同期や後輩、すべての人に感謝いたします。本当にありがとうございました。


東京大学運動会ヨット部 松前亮平





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