2022.04.01
今回は死亡退職金と死亡保険金の相続税の課税について質問があったので解説します。
1.死亡退職金の取り扱い
(1) 課税対象
被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金等を相続人が受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。
退職手当金等とは、受け取る名目にかかわらず実質的に被相続人の退職手当金等として支給される金品をいいます。現物で支給された場合も含まれます。
死亡後3年以内に支給が確定したものとは次のものをいいます。
①死亡退職で支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したもの
②生前に退職していて、支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したもの
(2) 非課税額
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
①法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
②法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。
なお、相続人以外の人(相続を放棄した人や相続権を失った人も含む)が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。
したがって、全ての相続人が受け取った退職手当金等の合計額が非課税限度額を超えるときの超える部分の金額及び相続人以外の者が受け取った退職手当金等の金額が相続税の課税対象になります。
各相続人の課税される退職手当金等の金額は、次の算式により計算します。
その相続人が受取った退職手当金等の金額-(非課税限度額×A÷B)=その相続人の課税される退職手当金等の金額
A:その相続人が受取った退職手当等の金額
B:すべての相続人が受け取った退職手当等の合計額
2.死亡保険金の取り扱い
(1) 課税対象
被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。
(2) 非課税額
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
①法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
②法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。
なお、相続人以外の人(相続を放棄した人や相続権を失った人も含む)が取得した死亡保険金には非課税の適用はありません。
したがって、全ての相続人が受け取った生命保険金等の合計額が非課税限度額を超えるときの超える部分の金額及び相続人以外の者が受け取った生命保険金等の金額が相続税の課税対象になります。
各相続人に課税される生命保険金等の金額は、次の算式により計算します。
その相続人が受け取った生命保険金等の金額-非課税限度額×A÷B=その相続人の課税される生命保険金等の金額
A:その相続人が受け取った生命保険金等の金額
B:すべての相続人が受け取った生命保険金等の合計額
(完)
今回は死亡退職金と死亡保険金の相続税の課税について質問があったので解説します。
1.死亡退職金の取り扱い
(1) 課税対象
被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金等を相続人が受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。
退職手当金等とは、受け取る名目にかかわらず実質的に被相続人の退職手当金等として支給される金品をいいます。現物で支給された場合も含まれます。
死亡後3年以内に支給が確定したものとは次のものをいいます。
①死亡退職で支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したもの
②生前に退職していて、支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したもの
(2) 非課税額
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
①法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
②法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。
なお、相続人以外の人(相続を放棄した人や相続権を失った人も含む)が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。
したがって、全ての相続人が受け取った退職手当金等の合計額が非課税限度額を超えるときの超える部分の金額及び相続人以外の者が受け取った退職手当金等の金額が相続税の課税対象になります。
各相続人の課税される退職手当金等の金額は、次の算式により計算します。
その相続人が受取った退職手当金等の金額-(非課税限度額×A÷B)=その相続人の課税される退職手当金等の金額
A:その相続人が受取った退職手当等の金額
B:すべての相続人が受け取った退職手当等の合計額
2.死亡保険金の取り扱い
(1) 課税対象
被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。
(2) 非課税額
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
①法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
②法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。
なお、相続人以外の人(相続を放棄した人や相続権を失った人も含む)が取得した死亡保険金には非課税の適用はありません。
したがって、全ての相続人が受け取った生命保険金等の合計額が非課税限度額を超えるときの超える部分の金額及び相続人以外の者が受け取った生命保険金等の金額が相続税の課税対象になります。
各相続人に課税される生命保険金等の金額は、次の算式により計算します。
その相続人が受け取った生命保険金等の金額-非課税限度額×A÷B=その相続人の課税される生命保険金等の金額
A:その相続人が受け取った生命保険金等の金額
B:すべての相続人が受け取った生命保険金等の合計額
(完)