大槻雅章税理士事務所

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№53 所得税:寄付金控除

2013-04-21 | ブログ
2013.03.10 所得税:寄付金控除

個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して支出した「特定寄附金」は、所得控除の対象となります。これを寄附金控除といいます。また、寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。

(1)所得控除を適用する場合

①対象となる「特定寄付金」とは
所得税法78条、令217条に列挙されています。主なものとして、独立行政法人、地方独立行政法人、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社、公益社団法人及び公益財団法人、科学技術の研究などを行う特定法人、私立学校法人等、社会福祉法人、更生保護法人など対する寄付金が当てはまります。

②寄附金控除の計算方法
次の??のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額となります。
?その年に支出した特定寄附金の額の合計額
?その年の総所得金額等の40%相当額

(2)税額控除が選択できる場合

①政党等に対する寄付金(措法41条の18、措令26条の28)
政党又は政治資金団体に対する寄附金で一定のものについては、上記(1)の所得控除の適用を受けるか、次の算式の税額控除の適用を受けるか、いずれか有利な方を選択することができます。

(政党等に対する寄付金-2千円)×30%=税額控除額(その年分の所得税額の25%が限度)

②公益社団法人等に対する寄付金(措法41条の18の2、措令26条の28の2)
政党等に対する寄附金以外の特定寄付金(上記(1)①で列挙したもの)で一定の要件を満たすものについては、上記(1)の所得控除の適用を受けるか、次の算式の税額控除の適用を受けるか、いずれか有利な方を選択することができます。

(令217条の公益法人等に対する寄付金-2千円)×40%=税額控除額(その年分の所得税額の25%が限度)

(3)注意すべきポイント

①納税者の税率によっては、税額控除より所得控除の方が有利になります。

②税額控除限度額(所得税の25%)は、公益社団法人等の寄附金の合計額で判定します。

③税額控除限度額の計算は、政党等に対する寄付金(2)①とそれ以外の寄付金(2)②を別枠で判定します。

④寄付金の領収書には、所得税法78条、令217条、措法41条の18、措令26条の28、措法41条の18の2、措令26条の28の2、のいずれに該当する寄付金であるかが記載されています。それぞれの法令に応じて所得控除と税額控除の選択を判断します。

⑤確定申告の際には、所得控除や税額控除の対象となる寄付金であることを証明することができる領収書等の添付が要件となっています。

(完)