大槻雅章税理士事務所

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№52 贈与税:直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金の非課税

2013-03-23 | ブログ
2013.02.26 贈与税:直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金の非課税

平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた子や孫が、その住宅取得等資金で一定の要件を満たした家屋等を取得又は増改築等し、自己の居住の用に供するときには、その住宅取得等資金のうち一定金額について贈与税が非課税となります。

受贈者1人についての非課税限度額は以下の通りです。
(1) 省エネ等住宅の場合
①平成24年は1500万円、②平成25年は1200万円、③平成26年は1000万円
(2) (1)以外の一般住宅の場合
①平成24年は1000万円、②平成25年は 700万円、③平成26年は 500万円

ポイント1.
配偶者の親は直系尊属ではないので、配偶者の親からの贈与は非課税の対象となりません。

ポイント2.
2人以上の直系尊属から贈与を受けた場合には、その金額を合計して非課税限度額を計算します。つまり、贈与者ごとに非課税限度額があるのではなく、受贈者1人について非課税限度額が定められています。

ポイント3.
暦年課税の基礎控除額110万円も控除できます。例えば、平成25年の省エネ等住宅資金の場合は、1200万円に110万円を加算した1310万円(一般住宅資金の場合は、700万円に110万円を加算した810万円)までの住宅取得等資金の贈与には贈与税が課税されません。

ポイント4.
贈与は業者に代金を支払う前に受けていなければなりません。子や孫が住宅取得等の代金決済をした後に直系尊属から贈与を受けた金額は非課税の対象となりません。例えば、父母は子の銀行口座に贈与する住宅取得等資金を振り込み、子は振り込まれた銀行口座から業者等に代金を支払うというようにすれば確実です。

ポイント5.
この特例は金銭の贈与に限られていますので、居住用家屋の贈与を直接受けた場合には非課税の対象となりません。

ポイント6.
住宅ローンを返済するための金銭の贈与は非課税の対象となりません。

ポイント7.
相続時精算課税制度の非課税枠2500万円の併用もできます。住宅取得等資金の贈与の場合は、親の年齢が65歳未満でも相続時精算課税選択の特例が適用されます。例えば、平成25年に一般住宅の取得資金を1000万円贈与する場合、この特例を利用して父から子に700万円+110万円=810万円を贈与し、母から子に相続時精算課税選択の特例を利用して190万円を贈与すれば贈与税は課税されません。ただし、190万円は母の相続税の課税価格に加算されることになります。

ポイント8.
この特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍謄本、住民票、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

(完)