大槻雅章税理士事務所

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№37 法人税:長期保有土地等に係る特定の資産の買換えの特例

2011-12-26 | ブログ
2011.11.25 法人税:長期保有土地等に係る特定の資産の買換えの特例

平成23年度税制改正法案は年度内に成立せず、平成23年3月31日に期限が到来する租税特別措置法については、6月30日まで3ヶ月間期限が延長されました。その後、当初税法案を修正し、税制抜本改革の一環をなす改正項目は震災復興のための補正予算の検討と併せて継続審議することになり、それ以外の改正事項のみが6月22日に成立し、6月30日に公布されました。したがって、現在でも未成立となっている項目が複数あるので、今後ともその動向を注視すると共に、既に期限切れとなった内容をチェックしておく必要があります。

その中で「特定の資産の買換えをした場合等の課税の特例」については改廃され、平成23年12月31日で期限切れになる特例がありますので、今回はこれを解説します。

租税措置法第65の7条1項の各号に規定する「特定の資産の買換えをした場合等の課税の特例」のうち、旧17号「長期保有土地等に係る特定の資産の買換えの特例」とは、
①国内にある土地等、建物又は構築物で、
②当該法人により取得をされた日から引き続き所有されていたこれらの資産のうち所有期間が10年を超えるものを譲渡し、
③その譲渡の日を含む事業年度において、国内にある土地等、建物、構築物若しくは機械及び装置又は国内にある貨物鉄道事業用の機関車及びコンテナ用の貨車を取得し、
④その取得の日から1年以内に事業の用に供した場合には、
圧縮記帳を適用することができるというものです。

例えば、所有期間が10年超で帳簿価額1億円の土地を2億円で譲渡し、その譲渡代金で平成23年12月31日までに3億円の機械を購入した場合を考えます。この場合、通常は土地譲渡益の1億円に課税されます。しかし、特例を適用すれば、譲渡対価と買換資産の取得価額のいずれか少ない金額2億円×{(譲渡対価2億円-帳簿価額1億円)÷譲渡対価2億円}×80%=8千万円を圧縮限度額として、機械の取得価額3億円から減額(圧縮記帳)することができます。その結果、土地譲渡益のうち1億円-8千万円=2千万円に課税され、機械の取得価額は3億円-8千万円=2億2千万円となります。

この「長期保有土地等に係る特定の資産の買換えの特例(旧17号)」は、平成23年12月31日で期限切れになります。なお、旧17号以外の買換え特例は、内容を見直したうえで適用期限が平成26年3月31日まで3年延長されます。

(完)