2013.09.28 贈与税:親子間の土地の使用貸借
他人の土地を借りた場合に、借主は地主に地代を支払います。また、一時金として権利金を支払うのが一般の取引です。ところが、親の土地に子供が家を建てたときに地代や権利金を支払うことは通常ありません。この場合に、子供が親から借地権相当額の贈与を受けたことにならないのでしょうか?そこで今回は、3つのケースに分けて贈与税の課税関係と相続税の財産評価について解説します。
(1)親の土地の上に子供が家を建てたとき
親の土地に子供が家を建てた場合において、親に地代も権利金も支払うことなく土地を借りることを土地の使用貸借といいます。使用貸借により土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、子供が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課税されることはありません。
ただし、使用貸借されている土地を子供が親から相続した時の価額は、他人に賃貸している土地ではなく親自身が使っている土地として評価されます。つまり、貸宅地としての評価額でなく自用地としての評価額になります。
(2)親の借地に子供が家を建てたとき
親が地人から土地を借りている場合において、当該親の借地権を子供が親に権利金や地代を支払うことなく無償で使用した場合には、借地権の使用貸借となりますが、借地権の使用貸借による借地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、子供に贈与税が課税されることはありません。
ただし、この場合には「借地権の使用貸借に関する確認書」を使用貸借で借り受けている子供の住所地の所轄税務署長に提出する必要があります。その理由は、借地権を使用する子供と借地人である親と地主の3人が、その借地権を使用貸借で又借りしていることを連名で確認するためです。
また、この使用貸借されている借地権を子供が親から相続した時の価額は、他人に賃貸している借地権の評価額ではなく、自分で使っている借地権の評価額となります。
(3)親が借地している土地の底地部分を子供が買い取ったとき
親が借地している土地の所有権(底地)をその子供が地主から買い取った場合に、親と子供の間で地代の授受が行われないときは、親の所有していた借地権は、子供が土地を買い取ったときに借地権者である親から子供に贈与があったものとして取り扱われます。
ただし、子供が土地の所有者となった後も、引き続き借地権者は親であるとして「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を子供の住所地の所轄税務署長に提出したときは、贈与として取り扱わないことになっています。
また、この申出書の提出があった場合において、将来親に相続が開始したときには、その借地権は親の相続財産として取り扱われます。
(完)
他人の土地を借りた場合に、借主は地主に地代を支払います。また、一時金として権利金を支払うのが一般の取引です。ところが、親の土地に子供が家を建てたときに地代や権利金を支払うことは通常ありません。この場合に、子供が親から借地権相当額の贈与を受けたことにならないのでしょうか?そこで今回は、3つのケースに分けて贈与税の課税関係と相続税の財産評価について解説します。
(1)親の土地の上に子供が家を建てたとき
親の土地に子供が家を建てた場合において、親に地代も権利金も支払うことなく土地を借りることを土地の使用貸借といいます。使用貸借により土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、子供が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課税されることはありません。
ただし、使用貸借されている土地を子供が親から相続した時の価額は、他人に賃貸している土地ではなく親自身が使っている土地として評価されます。つまり、貸宅地としての評価額でなく自用地としての評価額になります。
(2)親の借地に子供が家を建てたとき
親が地人から土地を借りている場合において、当該親の借地権を子供が親に権利金や地代を支払うことなく無償で使用した場合には、借地権の使用貸借となりますが、借地権の使用貸借による借地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、子供に贈与税が課税されることはありません。
ただし、この場合には「借地権の使用貸借に関する確認書」を使用貸借で借り受けている子供の住所地の所轄税務署長に提出する必要があります。その理由は、借地権を使用する子供と借地人である親と地主の3人が、その借地権を使用貸借で又借りしていることを連名で確認するためです。
また、この使用貸借されている借地権を子供が親から相続した時の価額は、他人に賃貸している借地権の評価額ではなく、自分で使っている借地権の評価額となります。
(3)親が借地している土地の底地部分を子供が買い取ったとき
親が借地している土地の所有権(底地)をその子供が地主から買い取った場合に、親と子供の間で地代の授受が行われないときは、親の所有していた借地権は、子供が土地を買い取ったときに借地権者である親から子供に贈与があったものとして取り扱われます。
ただし、子供が土地の所有者となった後も、引き続き借地権者は親であるとして「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を子供の住所地の所轄税務署長に提出したときは、贈与として取り扱わないことになっています。
また、この申出書の提出があった場合において、将来親に相続が開始したときには、その借地権は親の相続財産として取り扱われます。
(完)