2015.08.23 LLP(有限責任事業組合)に支払うデザイン料にかかる源泉所得税
今回は、LLP(有限責任事業組合)にデザイン料を支払うときに、源泉徴収が必要か否かという質問がありましたので解説いたします。
なお、LLPの解説は「№67日本版LLCと日本版LLPのパス・スルー課税」をご参照ください。
事業者が、居住者である個人に対して原稿料やデザイン料の報酬を支払う場合には源泉徴収が必要となります。
また、支払先がLLPの場合は、LLPの構成員のうち法人に対する源泉徴収は不要ですが、LLPの構成員のうち個人に対しては、個人の収益分配割合に応じた源泉所得税を徴収しなければなりません。
この取扱いの根拠は、所得税基本通達204-1に示されています。すなわち、
「支払を受ける者が法人以外の団体等である場合の源泉徴収の適用については、その支払を受ける者が人格のない社団等であることを立証した場合を除き、源泉徴収が適用される。」
したがって、LLPの組合員に法人と個人が混在している場合において、源泉徴収する額は支払報酬全額ではなく、その支払報酬のうち個人に帰属する部分のみが対象となります。
例えば、LLPにデザイン料の報酬を10万円(消費税抜き)支払う場合において、当該LLPの組合員が法人と個人の2者であり、所得の分配を2者が均等に受け取るときは、法人に帰属する部分には源泉徴収が適用されず、個人に帰属する部分のみが源泉徴収の対象となります。
よって、法人と個人の帰属が請求書等で明らかにされている場合に限り、支払者が源泉徴収する額は
(10万円÷2)×10.21%=5,105円となります。
以上をまとめると、
1.LLPからの請求額のうち、法人の組合員に帰属する部分の源泉徴収は不要です。
個人の組合員に帰属する部分にのみ源泉徴収が必要となります。
2.法人と個人の組合員の収益分配割合・金額は、支払いを受けるLLP自らが請求書等で明らかにしなければなりません。明らかでない場合、支払者は請求額の全額に源泉徴収を適用して支払います。
上記の設例で、法人と個人の収益分配割合を区別した請求書を示すと、
1.法人組合員○○㈱に帰属する請求額 5万円
2.個人組合員××△△に帰属する請求額 5万円
3.合計請求額 10万円(消費税抜き)
となります。
(完)
今回は、LLP(有限責任事業組合)にデザイン料を支払うときに、源泉徴収が必要か否かという質問がありましたので解説いたします。
なお、LLPの解説は「№67日本版LLCと日本版LLPのパス・スルー課税」をご参照ください。
事業者が、居住者である個人に対して原稿料やデザイン料の報酬を支払う場合には源泉徴収が必要となります。
また、支払先がLLPの場合は、LLPの構成員のうち法人に対する源泉徴収は不要ですが、LLPの構成員のうち個人に対しては、個人の収益分配割合に応じた源泉所得税を徴収しなければなりません。
この取扱いの根拠は、所得税基本通達204-1に示されています。すなわち、
「支払を受ける者が法人以外の団体等である場合の源泉徴収の適用については、その支払を受ける者が人格のない社団等であることを立証した場合を除き、源泉徴収が適用される。」
したがって、LLPの組合員に法人と個人が混在している場合において、源泉徴収する額は支払報酬全額ではなく、その支払報酬のうち個人に帰属する部分のみが対象となります。
例えば、LLPにデザイン料の報酬を10万円(消費税抜き)支払う場合において、当該LLPの組合員が法人と個人の2者であり、所得の分配を2者が均等に受け取るときは、法人に帰属する部分には源泉徴収が適用されず、個人に帰属する部分のみが源泉徴収の対象となります。
よって、法人と個人の帰属が請求書等で明らかにされている場合に限り、支払者が源泉徴収する額は
(10万円÷2)×10.21%=5,105円となります。
以上をまとめると、
1.LLPからの請求額のうち、法人の組合員に帰属する部分の源泉徴収は不要です。
個人の組合員に帰属する部分にのみ源泉徴収が必要となります。
2.法人と個人の組合員の収益分配割合・金額は、支払いを受けるLLP自らが請求書等で明らかにしなければなりません。明らかでない場合、支払者は請求額の全額に源泉徴収を適用して支払います。
上記の設例で、法人と個人の収益分配割合を区別した請求書を示すと、
1.法人組合員○○㈱に帰属する請求額 5万円
2.個人組合員××△△に帰属する請求額 5万円
3.合計請求額 10万円(消費税抜き)
となります。
(完)