2024.11.01
賃上げ促進税制とは、雇い主が一定の要件を満たした賃上げをした場合に、一定額を法人税や所得税から控除できる制度で、平成25年度に創設されたものです。
令和6年度税制改正では、令和6年4月1日~令和9年3月31日までの間に開始する法人の各事業年度が対象となって改正されました。ちなみに、個人事業者の場合は令和7年から令和9年までが対象となっています。
今回は、中小企業に限定して改正された賃上げ促進税制について解説します。大企業向け、中堅企業向けの改正点は省略します。
中小企業向け賃上げ促進税制とは、中小企業法人又は青色申告書を提出する常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業者が、雇用者給与等支給額を前年度より増加させた場合に法人税(個人事業主の場合は所得税)から税額控除できる制度です。
改正のポイントは、従来からある①②③に加えて④⑤が新設されたことです。
① 雇用者給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加した場合・・・増加額の15%を法人税又は所得税から税額控除(ただし、法人税又は所得税の20%が上限)
② 雇用者給与等支給額が前年度と比べて2.5%以上増加した場合・・・増加額の30%を法人税又は所得税から税額控除(ただし、法人税又は所得税の20%が上限)
③ 教育訓練費の額が前年度と比べて5%以上増加した場合・・・税額控除率を10%上乗せ(ただし、教育訓練費の額が雇用者給与等の支給額の0.05%以上であること)
④ 適用事業年度中に「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「えるぼし認定(2段階目以上)」を取得したこと、又は適用年度終了時に「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」「プラチナえるぼし認定」を取得した場合(厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」に子育てとの両立・女性活躍支援の認定基準が定められています)・・・税額控除率を5%上乗せ
⑤ 赤字の中小企業等が賃上げを実施した年度に控除しきれなかった金額は、5年間の繰越控除ができるようになりました。適用を受けるためには、未控除額が発生した事業年度以後の各確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越控除を受ける金額を記載しなければなりません。
また、繰越控除制度の適用を受ける場合は、繰越控除を受ける金額と合わせて法人税又は所得税の20%が上限となります。
(完)
賃上げ促進税制とは、雇い主が一定の要件を満たした賃上げをした場合に、一定額を法人税や所得税から控除できる制度で、平成25年度に創設されたものです。
令和6年度税制改正では、令和6年4月1日~令和9年3月31日までの間に開始する法人の各事業年度が対象となって改正されました。ちなみに、個人事業者の場合は令和7年から令和9年までが対象となっています。
今回は、中小企業に限定して改正された賃上げ促進税制について解説します。大企業向け、中堅企業向けの改正点は省略します。
中小企業向け賃上げ促進税制とは、中小企業法人又は青色申告書を提出する常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業者が、雇用者給与等支給額を前年度より増加させた場合に法人税(個人事業主の場合は所得税)から税額控除できる制度です。
改正のポイントは、従来からある①②③に加えて④⑤が新設されたことです。
① 雇用者給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加した場合・・・増加額の15%を法人税又は所得税から税額控除(ただし、法人税又は所得税の20%が上限)
② 雇用者給与等支給額が前年度と比べて2.5%以上増加した場合・・・増加額の30%を法人税又は所得税から税額控除(ただし、法人税又は所得税の20%が上限)
③ 教育訓練費の額が前年度と比べて5%以上増加した場合・・・税額控除率を10%上乗せ(ただし、教育訓練費の額が雇用者給与等の支給額の0.05%以上であること)
④ 適用事業年度中に「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「えるぼし認定(2段階目以上)」を取得したこと、又は適用年度終了時に「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」「プラチナえるぼし認定」を取得した場合(厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」に子育てとの両立・女性活躍支援の認定基準が定められています)・・・税額控除率を5%上乗せ
⑤ 赤字の中小企業等が賃上げを実施した年度に控除しきれなかった金額は、5年間の繰越控除ができるようになりました。適用を受けるためには、未控除額が発生した事業年度以後の各確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越控除を受ける金額を記載しなければなりません。
また、繰越控除制度の適用を受ける場合は、繰越控除を受ける金額と合わせて法人税又は所得税の20%が上限となります。
(完)