2010.05.23 住宅取得等資金の贈与税の非課税枠拡大
父母や祖父母等の直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用家屋の新築若しくは取得又は増改築等のための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合、一定の要件を満たすときは、500万円までの金額について贈与税が非課税とされていました(過去の記事「№7住宅取得等資金のうち500万円までの贈与税の非課税制度」参照)。
この制度が今年の税制改正で、平成22年中の贈与については1,500万円までの金額、平成23年中の贈与については1,000万円までの金額について贈与税が非課税となります(措法70の2)。
また、住宅取得等資金の相続時精算課税制度の特例(住宅取得等資金の贈与について非課税枠が1,000万円上乗せされる特例)は平成21年12月31日で廃止になりました。つまり、相続時精算課税制度においては、受贈者一生の合計で最高2,500万円の特別控除となります(過去の記事「№6相続時精算課税制度の選択について」参照)。
以上、「住宅取得等資金の贈与」をまとめると、
①暦年課税制度を選択する場合
父母や祖父母等の直系尊属からの贈与により、贈与を受ける年の1月1日で20歳以上の子供・孫等(合計所得金額が2,000万円以下の受贈者に限る)に対して、1,500万円(平成23年中は1,000万円)までの住宅取得等資金の贈与が非課税になり、さらに従来からの暦年課税制度の贈与の非課税枠110万円をプラスすることにより、合計1,610万円(平成23年中は1,110万円)までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
②相続時精算課税制度を選択する場合
相続時精算課税制度の要件を満たす「65歳以上の親(平成23年12月31日までの住宅取得等資金の贈与については親の年齢要件なし)」から「20歳以上の子」へ住宅取得等資金を贈与する場合は、2,500万円プラス1,500万円で合計4,000万円(平成23年中は3,500万円)までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
③非課税の特例の適用を受けるために必要な書類
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、計算明細書・戸籍謄本・住民票の写し・登記事項証明書・新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。
詳しくは国税庁のパンフレットをご参照ください。
(完)