大槻雅章税理士事務所

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№86 マイナンバー制度:本人確認書類

2016-03-19 | ブログ
2016.01.31 マイナンバー制度:本人確認書類

平成28年1月1日からマイナンバーの利用が開始されました。そこで今回は、企業のマイナンバー事務担当者が実施する本人確認作業について解説したいと思います。

番号法では、事業者が社会保険関係の手続き(年金事務所)、源泉徴収票の提出(税務署)、給与支払報告書の提出(市町村役場)、支払調書の提出(税務署)を行うときには、マイナンバーを記載するよう義務付けています(番号法第9条)。

そこで、事業者がマイナンバーを取得するときには、「なりすまし」を防ぐために、

1.個人番号が本当にその者の個人番号であることの確認=「番号確認」
2.個人番号を提供した者が本人であるかの確認=「身元(実在)確認」

という二つの本人確認作業が必要となります(同第16条)。

個人番号提供者が「個人番号カード」を提示すれば番号確認と身元確認を同時に行なうことができますが、「通知カード」提示の場合には、別途、身元確認をするために証明書等の取得が必要となります。

ただし事業者と雇用関係にある従業員で、入社時の写真付履歴書等で身元確認ができる場合には、身元確認は原則必要ありません(同第13条)。また年末調整の事務において、事業者は従業員の扶養親族の本人確認を行う必要はありません。

しかしマイナンバーを正しく取り扱うために、事業者は従業員本人やその扶養親族の「個人番号カード」のコピーの提出を求めることは違法ではありません(同第14条①)。

特にアルバイトやパート等は退職後に連絡が取れなくなるので、雇用契約を締結する際に、本人確認として「番号確認書類」および「身元確認書類」を取得しておく必要があると考えます。

また、代理人から本人のマイナンバーの提供を受ける場合には、代理権の確認、代理人の身元確認、本人の番号確認、という三つの確認作業をする必要があります(施行令12条②)。

以下の表で事業者が行う本人確認の方法をまとめました。

「個人番号カード」のコピーを取得すれば番号確認と身元確認は同時に完了します。

「通知カード」又は「住民票(個人番号の記載があるもの)」のコピーを取得した場合には、身元確認として顔写真付き証明書のコピーをいずれか一つ取得します。ただし顔写真が付いていない証明書の場合は二つ以上のコピーを取得する必要があります(施行令12条①)。


<身元確認書類>

①通知カード又は個人番号記載の住民票

②顔写真付のものに限り、

次のいずれか一つを①にプラスして提出

運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード、

写真付学生証、写真付身分証明書、写真付資格証明書、各種福祉手帳、在留カード、特別永住者証明書

③顔写真のない場合は、次の中から二つ以上を提出

上記②の書類のうち写真が付いていない証明書、各種健康保険証、各種年金手帳、印鑑証明書、


※行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則(最終改正:平成27年12月24日内閣府・総務省令第5号)では、個人番号利用事務実施者が個人番号提供者を確認できる書類を定めています。

国税庁はこの書類に関して、国税関係の手続をする場合の具体例として「自身の個人番号に相違ない旨の申立書」も適当と認めています(個人番号利用事務実施者が適当と認める書類等の具体例一覧の5-2、9-5、18-2、21-5参照:国税庁HP)。

この「自身の個人番号に相違ない旨の申立書」は直筆で記入し自署押印する必要があります。


(完)