ビオラ奏者のリチャード・ヨンジェ・オニール(33)は10日に東京オペラシティコンサートホールで、日本を代表するギタリストの村治佳織(33)とデュオ・リサイタルを開く。「ザ・プレミアム・クラシック‐村治佳織&リチャード・ヨンジェ・オニール」シリーズの一つだ。この公演を皮切りに日本の8都市を巡り、メンデルス・ゾーンの『無言歌』、バッハの『G線上のアリア』、シューベルトの『アルペジョーネソナタ』など6曲を演奏する予定だ。
■日本でコンサート続々
今年の11月は日本でK-POPならぬ「Kクラシック」が盛んだ。ヨンジェ・オニールをはじめ、ピアニストのソン・ヨルム(25)、キム・ソヌク(23)、チョ・ソンジン(17)が演奏会を開く予定だが、1カ月間にわたり、韓国の若い演奏家4人が相次いでツアーを行うのは異例だ。しかも、ムジカキアラ(ヨンジェ・オニール)、サモン(ソン・ヨルム)、アマティ(キム・ソヌク)、ジャパン・アーツ(チョ・ソンジン)など日本でも有名な公演企画会社が彼らに目を付けたこと自体、これまでとは違う大きな流れだ。
ソン・ヨルムは6日に東京オペラシティコンサートホールのステージに立つ。これは、今年のチャイコフスキー国際コンクール第2位を記念するリサイタルだ。
キム・ソヌクは19日に京都コンサートホールでギュンター・ノイホルトが指揮する京都交響楽団とともにブラームスの『協奏曲第3番』を協演する。来年はNHK交響楽団との協演や、ジャパンツアー・リサイタルも計画している。
チョ・ソンジンは28日に東京オペラシティコンサートホールでショパンの『バラード第1番-第4番』と、リストの『ソナタB短調』を演奏する。さらに、22日から来月4日までは7都市を回り8公演を行う予定だ。
■東日本巨大地震がもたらした「地殻変動」
日本で韓国のクラシック演奏家たちが善戦している根本的な理由は、地震で日本のクラシック界に異変が起きたからだ。今年3月に東日本巨大地震が発生して以降、日本国内で予定されていた海外演奏家によるクラシック公演が次々とキャンセルまたは無期延期された。毎年欠かさず日本を訪れていた欧米の人気演奏家たちが「放射性物質が飛び交う日本には行けない」として公演を取りやめたのだ。
バイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターとヒラリー・ハーンは今年春、東京に立ち寄ることなくソウルで公演を行い、ソプラノのアンナ・ネトレプコは全公演をキャンセルした。だが、世界トップクラスの交響楽団への影響はさらに大きかった。ウィーン少年合唱団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団が相次いで日本公演を取りやめている。先月来韓したベルリン放送交響楽団は、訪日に反対する団員が多かったため、投票を実施した上で日本公演を決定したほどだ。