会員のカネコです。
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年は新型コロナウイルスの世界的大流行があり、我が国においても緊急事態宣言が発せられ、東京では2ヶ月弱の間、外出自粛を余儀なくされました。その後も人と人との接触をなるべく少なくする行動を意識せざるを得ない状況が続いております。
当会では当初、春先までには幹事メンバーの会合を行う予定でしたが、感染拡大や各人が多忙になってしまったことなどから、会合を見合わせ、会としての活動は行いませんでした。
幹事メンバー個人個人では各自の研究テーマを追い続けています。
コロナ禍にあって、外出の自粛や図書館・文書館など公共機関の使用制限などマイナス面が多かった一方で、インターネット上での調査活動の発展など今後プラスになって行く方向性もみられたと思います。
昨年8月に国立国会図書館が運営するジャパンサーチがリリースされるなど、これからデジタルアーカイブの分野が発展して行くとみられ、今後の展開に期待が持てます。
私個人の研究としてはライフワークである二本松を中心とした福島県中通りの研究に焦点を絞り、墓のみではなく、藩士の名簿類や系譜などの収集をしています。ここ数年の間にだいぶ情報が集まっているので、それをどのように整理してまとめるかということが課題になっています。
今年はしばらくこの二本松方面の研究に全集中したいと思っております。
我々が共通のテーマとしている「お墓」に関しては、残念ながら年々厳しい環境に進んでいる状況です。
都立霊園をはじめとして、無縁墓の撤去が増加している上に、近年では後継者がいない家や墓所が遠方にある家で「墓じまい」をする傾向が増加しており、無縁になっていない墓も急に姿を消すという現象が起きています。
「無縁墓の撤去」と「墓じまい」は本来別個の問題ではありますが、特にこの2、3年はこの点が相まって、消えていく墓が急増していることを肌で感じています。
以前の記事でも書きましたが、著名人・歴史的人物の墓所とはいえ、ご子孫の祭祀の場である以上、ご子孫の事情によって墓所が変化することは仕方のないことだと思います。
墓所の管理維持に縛られ、今を生きる人の生活に支障が出てしまうのであれば、改葬は仕方のないことだと思います。
過去を振り返っても、人々の営みは常に変化し、生活様式・価値観が変わっていくことは決して悪いことではなく、我々もそのような変化に柔軟に対応して、より良い社会になるべきだと思います。
その中で、歴史や伝統とどう向き合い、それに対して何ができるかということを考えるべきなのではないかと思います。
このお墓問題については今の所、撮影等の記録を残し、情報共有して行くことが我々に出来ることではないかと考えております。
お墓の問題以外に憂うべき問題として「個人情報」の問題があります。
個人情報保護法が施行されて以降、「個人情報」の取り扱いに関する意識が高まり、法律で定義されている以上に保護されている傾向があります。
個人情報保護法では個人情報の定義を「生存する個人の情報」としており、故人の情報は含まれません。但し、故人の情報が生存する個人に繋がるもの、例えば相続に関することなどは例外とされています。
この定義でいけば、幕末・明治期を生きた人物の情報というものは本来、法律で保護される範囲外ですが、機関の判断によっては氏名・生年月日・住所・職業等が含まれる文書の閲覧を拒まれることがあります。寺院の過去帳に関しても各宗の本山より非公開の通知が出ています。
現在、先祖調査の必須アイテムともいえる戸籍謄本や旧土地台帳に関してもこのまま運用されるのか、何らかの制限が課せられるのか、今後の動向を注視する必要があります。
個人的な考えとして、これらの制限は歴史学の発展を妨げるものであり、「生存する個人の情報」と一部の例外を除いては原則公開されるべきだと思いますが、制限が課せられるのには理由がありますので、利用者の立場としても依頼は常に謙虚に、そして運用・活用に関しては適切に行うといことを心がけたいと思っております。
当会の命名者であり、我々が師事している釣洋一先生はコロナ拡大までは月1回旧春廼舎である猫廼舎をお借りして勉強会を開いていましたが、昨年は中断せざるを得なく、また、秋には体調を崩され、ご入院されていましたが、11月に退院され、その月の勉強会は開催され、お元気なご様子であったそうです。
本年は勉強会が再開されることを願っております。
ここ数年巡墓会の方はお休みしていた当会メンバーの河内貞芳さんより、昨年末にご連絡を頂き、ご多忙ながらも『侍たちの警視庁』続編に向けて、掃苔活動を続けているというお話を頂きました。仲間がそれぞれの道で活躍している様子は大変嬉しく励みになります。
平成30年(2018)に刊行した『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』もおかげさまで、昨年も複数の方にご購入いただきました。
本年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一やその主君徳川慶喜など関連人物も取り上げています。
ご興味のある方はお読みいただけますと嬉しく思います。
本年もコロナ禍が続いている状態であり、会としての活動は当面未定となっています。
しばらくは個々の活動に専念したいと思います。
昨年開催できなかった幹事メンバーによる会合は春~夏の間に行いたいと考えておりますので、またその折にはご報告したいと思っております。
本年が皆様にとって良い1年になることを祈念いたします。
また、1日も早いコロナ禍からの脱却、かつての自由な行動ができる日々が戻ることを願っております。
引き続き、当会メンバーへのご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
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★流星忌・ガイドブック『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の告知チラシを公開しています。
流星忌・ガイドブック『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』の告知チラシが出来ました
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新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年は新型コロナウイルスの世界的大流行があり、我が国においても緊急事態宣言が発せられ、東京では2ヶ月弱の間、外出自粛を余儀なくされました。その後も人と人との接触をなるべく少なくする行動を意識せざるを得ない状況が続いております。
当会では当初、春先までには幹事メンバーの会合を行う予定でしたが、感染拡大や各人が多忙になってしまったことなどから、会合を見合わせ、会としての活動は行いませんでした。
幹事メンバー個人個人では各自の研究テーマを追い続けています。
コロナ禍にあって、外出の自粛や図書館・文書館など公共機関の使用制限などマイナス面が多かった一方で、インターネット上での調査活動の発展など今後プラスになって行く方向性もみられたと思います。
昨年8月に国立国会図書館が運営するジャパンサーチがリリースされるなど、これからデジタルアーカイブの分野が発展して行くとみられ、今後の展開に期待が持てます。
私個人の研究としてはライフワークである二本松を中心とした福島県中通りの研究に焦点を絞り、墓のみではなく、藩士の名簿類や系譜などの収集をしています。ここ数年の間にだいぶ情報が集まっているので、それをどのように整理してまとめるかということが課題になっています。
今年はしばらくこの二本松方面の研究に全集中したいと思っております。
我々が共通のテーマとしている「お墓」に関しては、残念ながら年々厳しい環境に進んでいる状況です。
都立霊園をはじめとして、無縁墓の撤去が増加している上に、近年では後継者がいない家や墓所が遠方にある家で「墓じまい」をする傾向が増加しており、無縁になっていない墓も急に姿を消すという現象が起きています。
「無縁墓の撤去」と「墓じまい」は本来別個の問題ではありますが、特にこの2、3年はこの点が相まって、消えていく墓が急増していることを肌で感じています。
以前の記事でも書きましたが、著名人・歴史的人物の墓所とはいえ、ご子孫の祭祀の場である以上、ご子孫の事情によって墓所が変化することは仕方のないことだと思います。
墓所の管理維持に縛られ、今を生きる人の生活に支障が出てしまうのであれば、改葬は仕方のないことだと思います。
過去を振り返っても、人々の営みは常に変化し、生活様式・価値観が変わっていくことは決して悪いことではなく、我々もそのような変化に柔軟に対応して、より良い社会になるべきだと思います。
その中で、歴史や伝統とどう向き合い、それに対して何ができるかということを考えるべきなのではないかと思います。
このお墓問題については今の所、撮影等の記録を残し、情報共有して行くことが我々に出来ることではないかと考えております。
お墓の問題以外に憂うべき問題として「個人情報」の問題があります。
個人情報保護法が施行されて以降、「個人情報」の取り扱いに関する意識が高まり、法律で定義されている以上に保護されている傾向があります。
個人情報保護法では個人情報の定義を「生存する個人の情報」としており、故人の情報は含まれません。但し、故人の情報が生存する個人に繋がるもの、例えば相続に関することなどは例外とされています。
この定義でいけば、幕末・明治期を生きた人物の情報というものは本来、法律で保護される範囲外ですが、機関の判断によっては氏名・生年月日・住所・職業等が含まれる文書の閲覧を拒まれることがあります。寺院の過去帳に関しても各宗の本山より非公開の通知が出ています。
現在、先祖調査の必須アイテムともいえる戸籍謄本や旧土地台帳に関してもこのまま運用されるのか、何らかの制限が課せられるのか、今後の動向を注視する必要があります。
個人的な考えとして、これらの制限は歴史学の発展を妨げるものであり、「生存する個人の情報」と一部の例外を除いては原則公開されるべきだと思いますが、制限が課せられるのには理由がありますので、利用者の立場としても依頼は常に謙虚に、そして運用・活用に関しては適切に行うといことを心がけたいと思っております。
当会の命名者であり、我々が師事している釣洋一先生はコロナ拡大までは月1回旧春廼舎である猫廼舎をお借りして勉強会を開いていましたが、昨年は中断せざるを得なく、また、秋には体調を崩され、ご入院されていましたが、11月に退院され、その月の勉強会は開催され、お元気なご様子であったそうです。
本年は勉強会が再開されることを願っております。
ここ数年巡墓会の方はお休みしていた当会メンバーの河内貞芳さんより、昨年末にご連絡を頂き、ご多忙ながらも『侍たちの警視庁』続編に向けて、掃苔活動を続けているというお話を頂きました。仲間がそれぞれの道で活躍している様子は大変嬉しく励みになります。
平成30年(2018)に刊行した『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』もおかげさまで、昨年も複数の方にご購入いただきました。
本年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一やその主君徳川慶喜など関連人物も取り上げています。
ご興味のある方はお読みいただけますと嬉しく思います。
本年もコロナ禍が続いている状態であり、会としての活動は当面未定となっています。
しばらくは個々の活動に専念したいと思います。
昨年開催できなかった幹事メンバーによる会合は春~夏の間に行いたいと考えておりますので、またその折にはご報告したいと思っております。
本年が皆様にとって良い1年になることを祈念いたします。
また、1日も早いコロナ禍からの脱却、かつての自由な行動ができる日々が戻ることを願っております。
引き続き、当会メンバーへのご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
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