探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-

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『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』編集雑記

2018-08-13 01:28:04 | 日記
会員のカネコです。
今秋発売予定の『探墓巡礼 谷中編~箱館戦争関係人物を歩く~』ですが、先日の加藤さんの記事の通り、6月30日(土)に脱稿しました。
現在も編集・校正作業が続いており、完成まではしばらく時間がかかりますが、今秋の発売を楽しみにお待ち頂ければと思います。

本書では墓碑写真はもちろん、出来得る限りの肖像写真を掲載します。古写真研究家森重和雄さんの全面的な協力の許で作業が進んでいます。
これらの写真は掲載するにあたり、著作権の問題が無いかの確認作業もしています。
私自身初めてみる肖像写真もあり、より一層その人物への親近感が沸いてきました。

私個人の話しでは、当初予定では10名を担当する予定でしたが、原稿締切1週間前に1名、当日に1名と最終的に12名となりました。追加の2名は箱館戦争には直接関係の無い人物ですが、本書登場人物に随所で絡みのある人物でしたので、入れたら面白いのではないかと思いました。

本書は「~箱館戦争関係人物を歩く~」という副題を付けていますが、厳密には箱館戦争自体に関わっていない人物も数名掲載しています。箱館戦争関係者の関係者という形にはなりますが、当会の独断と偏見で選定していますので、その点はご寛恕頂きたいと思います。

締切直前に2名追加したこともあり、締切日の6月30日(土)当日に最終確認のため、小1時間ほど谷中霊園へ行きました。あくまで、今まで見たものの確認という形で訪れたのですが、本書登場人物に関係する人物のお墓を新たに発見することができました。

本書では榎本武揚の妻多津の縁者である佐藤泰然と林研海を掲載します。佐藤泰然は言わずとしれた順天堂の創始者ですが、この順天堂佐藤家の血脈というのが幅広く、平成22年(2010)当会で開催した第4回谷中霊園巡墓会(前篇)で佐藤一族の系図を作成し、ご好評を頂きました。
佐藤家の血縁者はその後も、第5回谷中霊園巡墓会(後篇)・第9回吉祥寺巡墓会でも取り上げ、その都度、一族のお墓を調べて確認をしてきました。しかし、泰然の長男である山村惣三郎については、当人の事蹟自体の情報が少なく、墓所の所在に関する情報も出てきませんでした。山村惣三郎は幕臣山村八蔵の養子となり、箱館奉行支配組頭を務め、維新後は順天堂の会計を務めています。泰然は惣三郎や順といった実子がいたにも関わらず、弟子の一人であった尚中を養子として順天堂を継承させており、その後も佐藤家は本家の当主は養子で継承されていきます。

6月30日(土)に追加2名の墓所を訪れた後、以前から何度も訪れている乙8号10側の動植物学者田中芳男の墓所へ行きました。田中芳男も佐藤一族に連なる人物であるため、道すがら最終確認をしようと思い訪れました。田中芳男の墓碑を眺めていると、ふと後ろの墓域にある自然石の墓が気になり、よく見てみるとそこには[弟松本順謹書]と刻まれており、松本順(良順)の兄といえば、「もしや…」と思い表側にまわってみると、そこには[山村惣三郎之墓]と刻まれてありました。灯台下暗しとはこのことで、佐藤泰然・泰然の跡を継いだ養子尚中・松本順の養父良甫・泰然の孫林研海ら一族たちが眠る谷中霊園に山村惣三郎も眠っていました。





お墓を調べていると時々このような不思議な体験をすることがあります。長いこと探していたお墓が突然見つかったりすることがあります。
今回は締切当日の出来事で、単なる偶然とは思えず、何か導かれたような想いがしました。

今年は例年に無い猛暑が続いていますが、この猛暑が落ち着く頃には編集作業も終え、校了という形になるかと思います。その際には本書の詳細を当ブログにてお知らせしたいと思います。
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