探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-

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3月22日 上高田・沼袋調査

2010-07-13 21:16:49 | 会員の調査報告
会員のカネコです。
3月22日に中野区上高田・沼袋の寺院調査をしました。

上高田は都内有数の寺院密集地域です。
私は過去数度訪れていますが、今回は未見の人物を中心に調査しました。

松源寺は宇都宮・足利両藩の戸田家の菩提寺で知られますが、旗本の墓も数多くあります。稲富直賢、馬場大助、小野高尚の墓を見ました。

隣の宗清寺では外国奉行水野忠徳、天徳院では松の廊下で浅野内匠頭を取り押さえた梶川与惣兵衛(写真)、常陸麻生藩主新庄家の分家を見ました。


梶川与惣兵衛の墓は無縁墓の集石地にあり、六角柱の墓石正面に[梶川家先祖代々墓]右側面に与惣兵衛の名が刻まれています。

功運寺は吉良上野介の墓があることで知られますが、今回は浮世絵師の歌川豊国の墓を見ました。他に下野黒羽藩主大関家の墓碑を1基づつ撮影しました。

隣接する自証院墓地に山名家の墓があるとの情報があるので、確認しに行きましたが、見つかりませんでした。20年前くらの本からの情報なので、改葬された可能性があります。

この後、電車で沼袋へ向かい、貞源寺の心形刀流伊庭家の墓(写真)を見に行きました。


伊庭家の墓は墓地の入口前に10基が1列に並んでいます。
平成十八年に改修され現在の位置に移された旨が脇に建てられた碑に刻まれていました。
初代伊庭秀明から伊庭八郎の弟で星亨を暗殺した想太郎までの墓があり、八郎の墓(写真)は右から2番目に建っています。


墓碑正面左側に[秀業次男秀俊養子俗稱伊庭八郎 秀頴院清譽是一居士 明治二年己巳五月十二日]と刻まれ、正面に左側には[秀業後妻 智鏡院圓譽照榮大姉]と八郎の実母マキの法名が刻まれています。
一番右側の墓碑が想太郎の墓で[伊庭想太郎 伊庭貞子 墓]と刻まれています。
私は88年に放送された年末時代劇スペシャル『五稜郭』のファンでもありますので、今回、また一人『五稜郭』登場人物の墓を訪ねることができたことに感慨深いものを感じました。