たまびと日記

『何でも載せちゃうガラクタブログ』

玉川上水の植物 ミミガタテンナンショウ

2009-03-28 | 植物
真冬に戻ってしまったような寒い日になりました。
それでも玉川上水には春の花が咲き始めています。
春の花を楽しみつつ、ツグミ や シメ などの冬鳥の姿もまだ見ることが出来るこの季節は、私にとっては贅沢な季節なのです。

玉川上水の遊歩道で。
私の少し前を60代と思われる男性が歩いています。
手には一眼レフカメラ。
時々立ち止まっては、撮影をしているようです。

橋の向こうで何かを撮影していた男性が、私のほうを振り向き、手招きをしてから川の中を指差しているように見えました。
「川の中に不思議な生き物でもいるのか?」 と思った私は急いで男性のほうに駆け寄りました。

男性が黙って指差したのは川の中ではなくて、岸辺の一輪の花でした。
「まあ ミミガタテンナンショウ  ありがとうございます。 すご~く嬉しいです。
(花と呼ぶには、ちょっと無理がありますね。 
薄暗い林の中で出会ったらギョッとしますよ 

きっとこの男性も、私がカメラを手にしていることに気付いていたのでしょう。
私が撮影する間 「このあたりでは、ここだけですよ、この花があるのは。 もっと上流には何本か生えているんですがね~」 としゃべっています。

ミミガタテンナンショウは、漢字では 耳形天南星 と書きます。
仏炎苞の口辺部に耳たぶのような膨らみが見えると思いますが、
これが耳形の謂われです。


さて私が立ち去ろうとすると、その男性は 「あっ、もう一つお見せするものがありますよ。 こっちです」 と橋を渡りました。
ついて行くと 「これ オトコヨウゾメ なんですが、このあたりではここにしかないんですよ」 と、小さな蕾をつけた木を指差しました。

花や鳥を通して、見知らぬ人とふれあうことがあります。
ひと言ふた言の会話ですが、心がホッと暖かくなります。