ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

今年の世界戦(ミニマム~Sバンタム級)

2007年12月26日 | その他
カッコ内の略称・・・A=WBA、C=WBC、F=IBF、O=WBO
          決=決定戦、暫=暫定、統=統一戦、防=防衛


<ミニマム級>
4.7  〇新井田豊 判定12R ●高山勝成(暫)(A・統・防5)
4.28 〇イバン・カルデロン 判定12R ●ロナルド・バレラ(O・防11)
6.4  〇イーグル京和 判定12R ●八重樫東(C・防4)
7.7  ●ムハマド・ラクマン 判定12R 〇フローレンテ・コンデス(F・防4失敗)
9.1  〇新井田豊 判定12R ●エリベルト・ゲホン(防6)
9.20 〇ドニー・ニエテス 判定12R ●ポーンサワン・クラティンデーンジム(O・決)
11.29 ●イーグル・デーン・ジュンラパン 判定12R ○オーレイドン・シットサマーチャイ(C・防5失敗)

<Lフライ級>
1.25 〇ウリセス・ソリス TKO8R終了 ●ウィル・グリズビー(F・防3)
4.14 〇エドガル・ソーサ 判定12R ●ブライアン・ビロリア(C・決)
5.4  〇ウーゴ・カサレス TKO2R ●ウィルフレド・バルデス(O・防5)
5.19 〇ウリセス・ソリス TKO9R ●ホセ・アントニオ・アギーレ(F・防4)
7.28 〇エドガル・ソーサ 反則10R ●ルイス・ラサルテ(C・防1)
8.25 ●ウーゴ・カサレス 判定12R 〇イバン・カルデロン(O・防6失敗)
9.16 〇エドガル・ソーサ TKO9R ●ロレンソ・トレホ(C・防2)
9.22 〇ファン・カルロス・レベコ KO8R ●ネーッ・サシプラパー(A・決)
8.4  〇ウリセス・ソリス TKO8R ●ロデル・マヨール(F・防5)
10.13 〇ファン・カルロス・レベコ KO5R ●ウンベルト・プール(A・防1)
11.24 〇エドガル・ソーサ TKO4R ●ロベルト・レイバ(C・防3)
12.1  〇イバン・カルデロン 判定12R ●ファン・エスケル(O・防1)
12.8  ●ファン・カルロス・レベコ 判定12R 〇ブライム・アスローム(A・防2失敗)
12.15 〇ウリセス・ソリス TKO9R ●バート・バタワン(F・防6)

<フライ級>
3.3  〇ビック・ダルチニアン TKO12R ●ビクトル・ブルゴス(F・防6)
3.10 〇オマール・ナルバエス 判定12R ●ブライム・アスローム(O・防10)
3.19 ●ロレンソ・パーラ(剥奪) TKO3R ○坂田健史(A・防6失敗)
4.6  ○ポンサクレック・ウォンジョンカム TKO7R ●清水智信(C・防17)
7.1  ○坂田健史 判定12R ●ロベルト・バスケス(暫)(A・統・防1)
7.7  ●ビック・ダルチニアン TKO5R 〇ノニト・ドナイレ(F・防7失敗)
7.18 ●ポンサクレック・ウォンジョンカム 判定12R ○内藤大助(C・防18失敗)
9.14 〇オマール・ナルバエス TKO4R ●マーロン・マルケス(O・防11)
10.11 ○内藤大助 判定12R ●亀田大毅(C・防1)
11.4  △坂田健史 引分12R △デンカオセーン・カオヴィチット(A・防2)
12.1  〇ノニト・ドナイレ TKO8R ●ルイス・マルドナド(F・防1)

<Sフライ級>
1.3  ○クリスチャン・ミハレス TKO10R ●川嶋勝重(C・防2)
2.24 〇フェルナンド・モンティエル 判定12R ●Z・ゴーレス(O・防3)
4.14 ○クリスチャン・ミハレス 判定12R ●ホルヘ・アルセ(C・防3)
5.3  ●名城信男 判定12R ○アレクサンデル・ムニョス(A・防2失敗)
7.13 ○クリスチャン・ミハレス TKO10R ●菊井徹平(C・防4)
7.14 〇フェルナンド・モンティエル TKO10R ●セシリオ・サントス(O・防4)
9.24 ○アレクサンデル・ムニョス 判定12R ●相澤国之(A・防1)
10.4  〇フェルナンド・モンティエル TKO12R ●ルイス・メレンデス(O・防5)
10.13 〇ディミトリー・キリロフ 判定12R ●ホセ・ナバーロ(F・決)
10.20 ○クリスチャン・ミハレス TKO10R ●フランク・ゴルジュ(C・防5)

<バンタム級>
3.17 〇ウラジミール・シドレンコ 引分12R ●リカルド・コルドバ(A・防4)
3.30 〇ジョニー・ゴンサレス TKO9R ●イレーネ・パチェコ(O・防2)
5.3  〇長谷川穂積 判定12R ●シンピウェ・ベチェカ(C・防4)
6.29 〇ウラジミール・シドレンコ KO7R ●ジェローム・アヌール(A・防5)
7.7  〇ルイス・ペレス TKO7R ●ヘナロ・ガルシア(F・決)
8.11 ●ジョニー・ゴンサレス KO7R 〇ジェリー・ペニャロサ(O・防3失敗)
9.29 ●ルイス・ペレス TKO7R 〇ジョセフ・アベコ(F・防1失敗)

<Sバンタム級>
3.3  ●イスラエル・バスケス TKO7R終了 〇ラファエル・マルケス(C・防3失敗)
3.16 〇セレスティノ・カバジェロ TKO9R ●リカルド・カスティージョ(A・防3)
3.17 〇ダニエル・ポンセ・デ・レオン 判定12R ●ジェリー・ペニャロサ(O・防4)
7.14 〇スティーブ・モリター TKO9R ●タカラニ・ヌドルブ(F・防1)
8.4  〇セレスティノ・カバジェロ 判定12R ●ホルヘ・ラシエルバ(A・防4)
8.4  ●ラファエル・マルケス TKO6R 〇イスラエル・バスケス(C・防1失敗)
8.11 〇ダニエル・ポンセ・デ・レオン TKO1R ●レイ・バウティスタ(O・防5)
10.27 〇スティーブ・モリター 判定12R ●ファーサン・3Kバッテリー(F・防2)
12.1  〇セレスティノ・カバジェロ TKO8R ●マウリシオ・パストラーナ(A・防5)
12.8  〇ダニエル・ポンセ・デ・レオン 判定12R ●エデュアルド・エスコベド(O・防6)


最も軽いミニマム級では、新井田、イーグル、高山(暫定)と、
日本のジムは3人の王者を抱えていたが、今年は高山とイーグルが脱落。
一方、最近の勢いを象徴するかのように、コンデスとニエテスという
2人の王者が誕生したのがフィリピン。

ミニマムと並び地味な存在のライト・フライ級だが、カサレス、ソーサ、
ソリス、レベコ、アスロウム、カルデロンなど、実力者の名前が目立つ。
ミニマムを卒業し2階級制覇を達成したカルデロンと、階級を下げて
悲願の王座獲得を果たしたアスロウムの対比も印象に残った。

個人的に、今年最も印象的なKOシーンが生まれたのがフライ級。
数々の相手を葬ってきた豪打のダルチニアンを倒した、ドナイレの
カウンターは実に見事だった。また、超安定王者ポンサクレックを
攻略した内藤の殊勲も記憶に新しい。もちろん、雑草の粘り強さを持つ
坂田、11度防衛のナルバエスも忘れてはいけない。

日本人が次々と敗れたのがスーパー・フライ級。王座を失った名城を
含め、今年は4戦全敗。川嶋を倒して勢いづいたミハレスの活躍が
目立った一年でもあった。来年は、同じくメキシコの実力者である
モンティエルとの統一戦に期待がかかる。

バンタム級で大きな飛躍が期待された長谷川が、ジム移籍問題で一時
ブレーキ。その間にシドレンコが防衛回数を増やした。一方、強打で人気の
ゴンサレスが、老雄ペニャロサにまさかのKO負け。同じく、凄まじい
強打を披露して2階級制覇を達成したペレスも、あっさり陥落した。

スーパー・バンタム級の歴史に残る激闘となった、マルケスとバスケスの
2連戦。防衛回数を伸ばしたカバジェロ、デ・レオンらの試合よりも強く
ファンの心に刻まれたはずだ。そのデ・レオンに挑んだ2人のフィリピン人。
ホープと目されたバウティスタは惨敗、ロートルと思われたペニャロサが
大善戦。ボクシングとは分からないものだ。