ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

世界ヘビー級TM マイク・タイソンvsトニー・タッブズ

1988年03月21日 | 海外試合(世界タイトル)
僕が初めてリアルタイムで見たボクシングの試合は、
マイク・タイソンが東京ドームでやった世界戦だったと思う。

今では考えられないが、東京ドームで、しかも外国の選手の
試合がゴールデンタイムに生中継されていたのだ。しかしこれは
ボクシング人気というより、タイソン個人の人気がいかに
凄まじかったかということの証明だろう。実際、当時中学生の
僕も、ボクシングではなくタイソンを見ることが目的であり、
翌日は学校中で話題になっていたものだ。それほどまでに
タイソンの知名度は高かったのだ。調べてみると、観客は
何と51000人も入ったという。

試合内容は全く覚えていない。覚えているのは、あまりに早く
終わってしまったため、余った時間に何度もKOシーンを
繰り返し放送していたことだけだ。もちろん対戦相手が
誰だったかも記憶にない。これも今になって調べてみると、
それはトニー・タッブズだった。元WBA世界ヘビー級王者だ。
つまりそれなりの実力者であり、それをたったの2ラウンドで
片付けるのだから、当時のタイソンが非常に飛び抜けた存在で
あったことが分かる。

20年に及ぶ現役生活の内、タイソンがチャンピオンであった
期間は、合わせて約3年半。普通に考えればまあまあの長さだが、
超一流のボクサーとしてはむしろ短い方だ。タイソンのピークは
実はそれほど長くはなかった。にもかかわらず、そのピークの
時の印象があまりにも強かったので、未だに人々の記憶の中に
鮮烈に残っているのだろう。このタッブズ戦は、あらゆる面で
まさに絶頂期にあったタイソンの栄光の足跡の一つなのである。

ところで、この頃のタイソンはWBAとWBC、そして日本では
未公認の団体IBFのチャンピオンでもあったわけだが、その辺り
日本での扱いはどうだったのだろうか。例えばリング上では
「統一世界ヘビー級チャンピオン」とコールされたのか、あるいは
「WBA・WBC・IBF世界ヘビー級チャンピオン」と紹介されたのか。
まあボクシングマニア以外にはどうでもいいことではあるが。
実際、中学生だった僕も全く覚えていないわけだから・・・。