ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

WBA世界ライト級TM ファン・ディアスvsジュリアン・ロルシー

2004年11月04日 | 海外試合(世界タイトル)
オルズベク・ナザロフがタイトルを失った98年以降、WBAの
ライト級王座は目まぐるしくその持ち主を変えた。

ジャン・パプティスト・メンディ→ジュリアン・ロルシー→ステファノ・ゾフ
→ヒルベルト・セラノ→畑山隆則→再びロルシー→ラウル・バルビ→
レナード・ドーリン→ラクバ・シン(ドーリンの返上による決定戦)。
そしてファン・ディアスが2004年にシンを破って王座に就いて現在に
至るわけだが、この6年間で実に10回も王者が変わっているのだ。

メンディからシンまで、3度以上防衛した王者は一人もおらず、しかも
初防衛戦で王座を奪われた選手は5人にも上る。


無敗で王座に就いたディアスは、これが初防衛戦。ライト級の第一人者
ロルシーを旺盛な攻撃力で圧倒し、判定勝ちを収めた。ロルシーの健闘も
光ったが、ディアスの勢いに押し切られたような印象だ。

2006年8月現在で、ディアスは3度の防衛に成功。ナザロフ以来の
「長期」政権となった。ディアスはやや単調なスタイルだが、この圧力を
凌ぎ切るのはなかなか難しいだろう。


日本では、稲田千賢、嶋田雄大、長嶋建吾らがライト級で世界を目指している。
稲田は今年5月にWBCの暫定王座決定戦で、ホセ・アルマンド・サンタクルスに
惨敗したばかり。嶋田も長嶋も、技術面では決してディアスやサンタクルスに
劣っているとは思わないが、両者ともガンガン押してくる相手に弱い印象があり、
世界はちょっと遠いような気もする。