チャンピオンが最強の挑戦者を迎え撃つ「チャンピオン・カーニバル」の
幕開けとなるこの一戦、僕は接戦を予想していた。
元日本フェザー級王者の大之伸は減量苦から一つ階級を上げてきた選手。
本望信人が持っていた日本タイトルへの挑戦は負傷判定で敗れて2階級制覇は
ならなかったが、キレのある動きには目を見張ったものだ。負けはしたものの、
この階級での自分のコンディションに手応えを感じたことだろう。
一方、今回が3度目の防衛戦となる小堀。前回の防衛戦からわずか
2ヶ月という短い試合間隔、そして負傷した左肩の影響が心配される。
この負傷により、本来は9月に予定されていた前回の試合を11月に
延期したという経緯がある。その試合ではやはり左にキレを欠き、
苦戦を強いられた。果たして左肩は良くなっているのだろうか。
もし小堀が万全でないのなら、王座交代は充分にあり得る、と思った。
リングに上がった両者。ウォーミングアップをする小堀、調子は
なかなか良さそうだ。一方の大之伸だが、なぜかフェザー級の時より
体が細くなっている。しかし本人によると減量は順調だったそうで、
計量後の食事量を減らしたためにリバウンドが少ない状態でリングに
上がれたのかもしれない。本望戦で見せた、動きのキレで勝負する
つもりなのだろうか。
ゴングが鳴った。やはり体調はいいようで、いきなり大之伸が勢い良く
小堀に襲い掛かる。予想通り、激しい打撃戦になりそうだ。ただ、
この序盤の猛攻は小堀陣営も予想していたらしく、小堀は決して慌てて
いるようには見えない。むしろ大之伸のパンチがよく見えている印象だ。
手数の割には大之伸のパンチはあまり当たらず、少ない手数ながら
小堀は効率良くカウンターをヒットさせる。クリーンヒットの数では、
逆にチャンピオンが上なのではないかとさえ思える。
第2ラウンドは更にヒートアップし、お互いにパンチを効かせる場面を
作る。しかしその中でも、やはり小堀のヒット率の方が高い。そして
このラウンドの終了間際、大きなパンチの連打から最後は右がまともに
入り、大之伸から痛烈なダウンを奪う。その旺盛な手数とともに、タフさも
売りの一つである大之伸だが、さすがにこれはかなりのダメージだ。
3ラウンド、当然ながら小堀が仕留めにかかる。左右フックの雨あられ。
それでも持ち前の手数を出して粘る大之伸だったが、小堀が思い切り振った
右でまたしてもダウン。アゴの先端をかすめる、芸術的な一撃だった。
その直後に大之伸のコーナーからタオルが飛び、ここで試合終了。小堀が
TKOで3度目の防衛を果たした。
小堀は試合の出来にムラのある選手だという評があるが、この日は
「いい時の小堀」だったようで、攻防ともに勘が冴えまくっていた。
そもそも、ここ最近の小堀は、故障の影響が明らかだった前回の試合を
除けば、いい勝ち方が続いている。これまでに勝った試合のKO率が
5割ほどの選手が、タイトルマッチでは4戦全勝3KOという好成績だ。
「ムラのある小堀」というイメージは、もはや取り払うべきかもしれない。
あれだけの手数を出す大之伸を相手に、さすがに無傷というわけには
いかなかったが、ロープやコーナーに詰まってもほとんどパンチを
もらわない。そしてあんな大振りのフックが次々と当たるのだから、
きっとタイミングが絶妙なのだろう。これは天性のものではないだろうか。
チャンスの時にも大振り一辺倒で、攻め口の雑さは否定できないが、
自分が打たれる可能性も含め(ガードが低いため)、実にスリリングな
試合をする選手だ。強敵相手にこの快勝。人気もまた上がるだろう。
それにしてもフィニッシュの右・・・あんなパンチ、そうそうお目に
かかれるものではない。倒された大之伸には悪いが、本当にいいものを
見せてもらった、という気分だ。
幕開けとなるこの一戦、僕は接戦を予想していた。
元日本フェザー級王者の大之伸は減量苦から一つ階級を上げてきた選手。
本望信人が持っていた日本タイトルへの挑戦は負傷判定で敗れて2階級制覇は
ならなかったが、キレのある動きには目を見張ったものだ。負けはしたものの、
この階級での自分のコンディションに手応えを感じたことだろう。
一方、今回が3度目の防衛戦となる小堀。前回の防衛戦からわずか
2ヶ月という短い試合間隔、そして負傷した左肩の影響が心配される。
この負傷により、本来は9月に予定されていた前回の試合を11月に
延期したという経緯がある。その試合ではやはり左にキレを欠き、
苦戦を強いられた。果たして左肩は良くなっているのだろうか。
もし小堀が万全でないのなら、王座交代は充分にあり得る、と思った。
リングに上がった両者。ウォーミングアップをする小堀、調子は
なかなか良さそうだ。一方の大之伸だが、なぜかフェザー級の時より
体が細くなっている。しかし本人によると減量は順調だったそうで、
計量後の食事量を減らしたためにリバウンドが少ない状態でリングに
上がれたのかもしれない。本望戦で見せた、動きのキレで勝負する
つもりなのだろうか。
ゴングが鳴った。やはり体調はいいようで、いきなり大之伸が勢い良く
小堀に襲い掛かる。予想通り、激しい打撃戦になりそうだ。ただ、
この序盤の猛攻は小堀陣営も予想していたらしく、小堀は決して慌てて
いるようには見えない。むしろ大之伸のパンチがよく見えている印象だ。
手数の割には大之伸のパンチはあまり当たらず、少ない手数ながら
小堀は効率良くカウンターをヒットさせる。クリーンヒットの数では、
逆にチャンピオンが上なのではないかとさえ思える。
第2ラウンドは更にヒートアップし、お互いにパンチを効かせる場面を
作る。しかしその中でも、やはり小堀のヒット率の方が高い。そして
このラウンドの終了間際、大きなパンチの連打から最後は右がまともに
入り、大之伸から痛烈なダウンを奪う。その旺盛な手数とともに、タフさも
売りの一つである大之伸だが、さすがにこれはかなりのダメージだ。
3ラウンド、当然ながら小堀が仕留めにかかる。左右フックの雨あられ。
それでも持ち前の手数を出して粘る大之伸だったが、小堀が思い切り振った
右でまたしてもダウン。アゴの先端をかすめる、芸術的な一撃だった。
その直後に大之伸のコーナーからタオルが飛び、ここで試合終了。小堀が
TKOで3度目の防衛を果たした。
小堀は試合の出来にムラのある選手だという評があるが、この日は
「いい時の小堀」だったようで、攻防ともに勘が冴えまくっていた。
そもそも、ここ最近の小堀は、故障の影響が明らかだった前回の試合を
除けば、いい勝ち方が続いている。これまでに勝った試合のKO率が
5割ほどの選手が、タイトルマッチでは4戦全勝3KOという好成績だ。
「ムラのある小堀」というイメージは、もはや取り払うべきかもしれない。
あれだけの手数を出す大之伸を相手に、さすがに無傷というわけには
いかなかったが、ロープやコーナーに詰まってもほとんどパンチを
もらわない。そしてあんな大振りのフックが次々と当たるのだから、
きっとタイミングが絶妙なのだろう。これは天性のものではないだろうか。
チャンスの時にも大振り一辺倒で、攻め口の雑さは否定できないが、
自分が打たれる可能性も含め(ガードが低いため)、実にスリリングな
試合をする選手だ。強敵相手にこの快勝。人気もまた上がるだろう。
それにしてもフィニッシュの右・・・あんなパンチ、そうそうお目に
かかれるものではない。倒された大之伸には悪いが、本当にいいものを
見せてもらった、という気分だ。
「あれだけの手数を出す大之伸を相手に、さすがに無傷というわけにはいかなかったが、ロープやコーナーに詰まってもほとんどパンチをもらわない。そしてあんな大振りのフックが次々と当たるのだから、きっとタイミングが絶妙なのだろう。これは天性のものではないだろうか」
との指摘、正に至言です。
彼には、天性の当て勘、避け勘、があります。
「ボクシングの天才」だとぼくは思っています。
これからも、小堀選手に注目いただき、応援いただければ幸いです。
あと、入場とかはどうでしたか?
「決まって」いましたか??
密かにその文才に敬意を抱いている
ボクレポさんからコメント頂き、嬉しく思います。
ボクレポさんの記事も読ませて頂きました。
そうですね、小堀選手、あのヌボ~っとした
キャラクターからは想像もつかないですが、
凄い才能ありますよね。あのバレロと「まともな
スパー」が出来るとは・・・驚きです。
「人気がない」というのもちょっと意外です。
あのキャラと試合ぶりのギャップの面白さは、
もっと人気が出てもいいと思うんですけど・・。
入場ですか、小堀選手自体はいつものマイペース
って感じでしたが(笑)、のぼりが「決まって」ましたよ。
同じジムというのが残念です。
今のこぼりんなら本望にも勝てるのではという気がしました。
だいのしん、なんか小さい印象がしたのですが、リバウンドを少なくしたのですね。
昨日の結果だけを見ると、作戦失敗だなぁ、、、
リバウンド云々は、あくまで僕の推測ですけどね。
体が小さく見えたのは確かです。小堀選手が
本望選手と戦ったら・・・興味深いですね。
小堀選手がどこまでマイペースで攻撃できるか、
本望選手がどれだけペースを崩せるか、が
カギですね。ディフェンス対決も面白そうです。
TAIJIさん、こんばんは。
そうなんですよね・・・この試合の後に、榎、本望
両選手もリングに上がり、4人で写真を撮っていましたが、
大之伸選手はどんな気持ちだったんでしょうね。
榎選手のブログによると、この試合の後、榎選手は
知り合いに「お前小堀に負けるんじゃないの?」と
言われたそうです(笑)。
一方的な書き方。