ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

海外の試合結果(9月30日)

2007年09月30日 | 海外試合(世界タイトル)
帝拳ジムのHPより。


WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチでは、王座交代が起こった。
強敵相手にしぶとく王座を守ってきたジャーメイン・テイラーが、
ダウン応酬の激戦の末、ケリー・パブリックに7ラウンドTKO負けで
5度目の防衛に失敗。

激闘派として人気の高いパブリックだが、隙も多いため、何だかんだで
苦しみながらもテイラーが防衛するのでは、と予想していたが、
パブリックの攻撃力は世界王者にも充分通用したようだ。


WBC世界ライト・ヘビー級タイトルマッチは、王者のチャド・
ドーソン
が、挑戦者エピファニオ・メンドサを圧倒し4ラウンド
TKO勝ちで2度目の防衛。


IBF世界ライト・ヘビー級タイトルマッチでは、王者クリントン・
ウッズ
が、元WBO王者のフリオ・ゴンサレスに3-0の判定勝ちで
4度目の防衛に成功。

現在、ライト・ヘビー級というのは必ずしも人気の階級とは言えないが、
身体能力抜群のドーソン、地味ながら確かな実力を持つウッズ、これまた
地味だが堅実な技巧を誇るWBO王者のゾルト・エルデイらに加え、
元ミドル級統一王者の古豪バーナード・ホプキンスなどもおり、こういった
有力選手たちが相まみえるようなことがあれば面白くなりそうだ。


IBF世界バンタム級タイトルマッチは、王者ルイス・ペレス
ジョセフ・アグベコに7ラウンド終了TKO負けで王座を失う番狂わせ。

強面の強打者ペレスは、王座決定戦で粘り強いヘナロ・ガルシア
(長谷川穂積に判定負け)をTKOに屠ったことで日本のファンの
注目を浴びた2階級制覇王者。まさかこんなにあっさり王座を失うとは
全くの予想外だ。

WBCのHPより

2007年09月29日 | その他
WBCのホームページに載っていた情報。
僕は英語が達者でないので、もし間違っていたら
ご容赦いただきたい。


・モズリーの暫定王座を剥奪
 
 ウェルター級の暫定王者、シェーン・モズリーの王座が
 剥奪されるようだ。長らく防衛戦を行わず、ミゲル・
 コット
の持つWBA王座に挑戦することなどが理由のようだ。

 しかし元を正せば、正規王者フロイド・メイウェザーのタイトル
 獲得からわずか3か月後に暫定王座の決定戦を認めたWBCの
 措置にも問題があったのではないかという気もするが・・・。


・ピーターの相手はマクライン

 かねてから有力候補とされていたが、どうやら正式に決まったようだ。
 来月6日に行われるヘビー級の暫定タイトルマッチ、王者に「認定」
 されたサミュエル・ピーターの初防衛戦の挑戦者として、ジャミール・
 マクライン
がリングに上がる。

 マクラインはこれが4度目の世界挑戦。年齢も37歳となり、
 いよいよ後がない。なかなかの好漢のようなので頑張って
 もらいたいが、ピーターが相手ではやはり分が悪いだろう。


・長谷川の防衛戦

 バンタム級王者の長谷川穂積の防衛戦の予定も書かれていた。
 まだ日本では正式発表されていないし、これはあくまで
 想定されるスケジュールの一つ、と捉えた方がいいのかもしれない。 

リナレス、バレロの防衛戦

2007年09月28日 | その他
年末に、楽しみな試合が増えた。ベネズエラ出身で日本の帝拳ジムに
所属する2人のチャンピオンが、同じ興行で防衛戦を行う

WBC世界フェザー級王者のホルヘ・リナレスは、1位のガマリエル・
ディアス
を迎えての初防衛戦。WBA世界スーパー・フェザー級王者
エドウィン・バレロは、13位フェルナンド・トレホとの3度目の
防衛戦に臨む。場所は日本ではなくメキシコだが、日本でもWOWOW
あたりが放送してくれそうな気はする。

日本で見られないのは残念だが、国内に留めておくにはあまりに
もったいない選手たちでもあるし、ここは「世界戦略」の一環だと
考えたい。ただ、リナレスの方は王座を獲得したオスカル・ラリオス戦
(アメリカ・ラスベガス)に続いての海外試合。いつか日本でも
「世界王者・リナレス」の雄姿を見てみたいものだ。


しかもそれに加え、この興行の前座では松田直樹ルディ・ロペス
再戦も行われるという。両者は今年3月に同じくメキシコで対戦し、
松田が元世界王者(当時世界3位)のロペスを衝撃的なKOに破って
大金星を挙げるとともに、日本のボクシングファンを驚かせた。

前回はロペスの油断もあっただろう。今度は気を引き締めてくるに
違いないが、ロペスは世界王者の中では並以下の選手だっただけに、
再びの「快挙」がもたらされる可能性も大いにある。

追記:帝拳ジムHPでの松田本人の弁によれば、この試合は
  「挑戦者決定戦」なのだという。実際のところはどうなのだろうか。

ダイエット

2007年09月27日 | その他
内藤大助の情報を得ようと宮田ジムのHPに行った。
たまたま女性向けダイエットコースのページを見つけ、
漫然と眺めていたのだが、その宣伝文句の上手さに感心した。
下手なダイエット商品顔負けである。

実際、ボクシングトレーニングのダイエット効果は
相当なものだという。芸能人などの中にも、体調や体型の
維持のためにジムに通っている人は多いようだ。

このブログを女性がどれだけ見ているかは分からないが、
興味のある方はジムを覗いてみるのもいいのではないだろうか。
ただ、地方在住の場合、設備の整ったジムが少ないのが難点
ではあるが・・・。

サミュエル・ピーターが暫定王者に

2007年09月25日 | その他
来月6日に予定されていたWBC世界ヘビー級タイトルマッチは、
王者のオレグ・マスカエフが負傷のため試合をキャンセル。
両選手に対する処遇が注目されていたが、24日、WBCは
マスカエフに挑戦する予定だったサミュエル・ピーターを
暫定王者に認定することにしたようだ。

かつてWBCは、ケン・ノートンを王者に「認定」した過去がある。
1978年のことだ。当時の世界ヘビー級王者、レオン・スピンクス
への挑戦権を保持していたノートンだが、スピンクスが対戦を
拒否したため、WBCはスピンクスの王座を剥奪、新しいチャンピオンに
ノートンを選んだのだ。

また2000年、ダレル・コーリーとの挑戦者決定戦に勝った
オスカー・デラ・ホーヤが、フェリックス・トリニダードの
王座返上に伴い、同じく世界戦を行わずしてWBCのウェルター級
王座に認定された(返り咲き)例もある。当然ながら、チャンピオンと
呼んで差し支えないほどの実力や実績があると認められたからこそ
このような措置が下されたわけだが、非常に稀なケースであることは
間違いない。


実は今回のゴタゴタに関連して、元WBA王者のジョン・ルイスが
代替の対戦者として名乗りを上げていたのだが、取り合えずは
無視された形になったようだ。この選手のボクシング、個人的には
あまり好きではないが、その執念深さには感服せざるを得ない。

それはともかく、今後のWBC王座の動向は気になるところだ。
現時点では、当初の日程(10月6日)に、ピーターが暫定王座の
初防衛戦に臨む予定だということだ。しかし、肝心の相手がまだ
確定していないし、本当に挙行されるかどうかは分からない。

もう少し先のことを考えてみると、いずれ暫定王者ピーターと
正規王者マスカエフの統一戦が行われなければならないだろう。
しかし、マスカエフの復帰の時期が長引くようなら、このまま
マスカエフの王座が剥奪され、ピーターが正規王者に昇格する
可能性もある。

また、マスカエフはまずピーターに勝てないだろうというのが
大多数のボクシングファンの意見であるように思う。こう言っては
マスカエフに失礼だが、そういう意味では、このまま王座を剥奪
されてもそれほど違和感を感じない、というのが正直なところではある。

WBA世界Sフライ級TM アレクサンデル・ムニョスvs相澤国之

2007年09月24日 | 国内試合(世界タイトル)
この試合、ムニョスが3-0(120-106、120-107、
118-109)という記録的大差で判定勝ち、5月に名城信男から
奪って返り咲いた王座の初防衛に成功した。

ただ、リアルタイムで見ていた時には「相澤、思ってたより善戦
したなあ」という印象があったので、この大差は意外だった。
そこで、もう一度試合を見直して採点してみることにした。


1ラウンド開始から、足を使う相澤。動くことは悪くないのだが、
あまりにも距離を取りすぎて、ムニョスに何の揺さぶりも掛けられていない。
そして手数が少なすぎる。ようやく相澤が手を出したのは、試合開始から
およそ1分半後。とても挑戦者のボクシングではない。そして、それだけ
足を使っていながら、ラウンド終盤にはあっさりとムニョスに攻め込まれて
しまった。見ている側としては、相澤の作戦に疑問を抱かざるを得ない
オープニングだった。

2ラウンドに入ると少し距離が詰まり、お互いに手数が増えていく。
ただ、同じペースでの打ち合いになると、やはりムニョスのパワーが
目に付く。相澤のパンチも時折当たってはいるのだが、ムニョスの
迫力の前に印象を帳消しにされてしまう。

3ラウンドには、ムニョスが強烈なボディ打ちで相澤を追い込む。
徐々に徐々に、相澤の陣地を削り取るような戦い方だ。最近のムニョスは、
こういった巧い試合運びが出来るようになってきた。持ち前の
ディフェンス能力で直撃こそ避けている相澤だが、それでもダメージが
蓄積していくのがムニョスのパンチなのだ。

4ラウンド。どれだけ足を使っても、もはや簡単にムニョスに
追い詰められてしまう。そうなれば攻めて行くしかないのだが、
強打に脅かされてなかなか入り込めない。ここまで、僕の採点では
フルマークでムニョス。倒されるのも時間の問題では、とさえ思えた。

5ラウンド。疲れが出てきたのか、ムニョスのプレッシャーが少し
弱まった。それに乗じて、相澤が果敢に攻めて出る。ムニョスの
パンチは当たっておらず、ここは相澤のラウンドだと思ったのだが・・・。

6ラウンド。前のラウンドで手応えを掴んだのか、相澤のリズムが
良くなっている。ムニョスのパンチはほとんどが空を切った。
このラウンドも僕は相澤と見た。

7ラウンド。相澤のボディブローでバランスを崩すムニョス。
ダメージがあったわけではないが、それをきっかけに相澤が攻勢を掛ける。
ただ、その直後にムニョスが何発か返したことにより、そこで相澤の
手数が止まってしまった。ラウンド全体で見ればムニョスのラウンド。

8ラウンド。ムニョスの動きに、また力感が戻ってきた。ここが
この選手の不思議なところで、一度スタミナ切れの兆候を見せたからと
いって、そのままズルズルと失速していくということがない。
恐らく、疲労を感じたら「休みのラウンド」を作り、スタミナを
回復させているのだろう。相澤も時折反撃するものの、全体としては
ムニョスのパワーに終始押されていた印象のラウンドだった。

9ラウンドも似たような展開となり、ラウンド終了間際には相澤が
ついにダウンを奪われてしまう。タイミング良く当たったという感じで
ダメージはそれほどなかったが、ポイントの面では痛い。とはいえ、
もはやダウンがあろうがなかろうが関係ないほどのポイント差が
開いていたわけだが・・・。

10ラウンド。この時点で、僕の採点は88-82でムニョス。
まだ計算上は判定での逆転もありえたが、それはダウンを(最低でも
4度)奪いまくってのこと。いずれにせよ倒しに行くしかない。
しかし相澤は行けない。ムニョスが決して無理をせず、それでいて
守りに入ることなく攻めてくるからだ。判定勝ちを確信したボクサーの
戦い方としては、これは最上の部類に入るだろう。

11ラウンド。ムニョスがついに足を使い始める。ただ逃げるだけでは
なく、時折強打をちらつかせながら、である。これでは相澤もなかなか
攻め入って行くことが出来ない。しかし、もう倒すしか勝ち目はない
のである。倒されるリスクを承知で攻めて行くべきではなかっただろうか。

12ラウンド。ようやく相澤が強引にプレッシャーを強める。ムニョスが
冷静にカウンターを合わせるが、もはやそれを恐れてはいられない。
再三ムニョスのパンチを浴びながら、構わず前に出る相澤。なかなかの
打たれ強さだ。パンチも当たっている。これがもう少し早い段階で
出せていれば・・・と思ったが、時すでに遅し。試合終了のゴングが鳴った。


というわけで、最終的なポイントは118-109。この試合で
「最小差」をつけたジャッジ氏と同じ結果になった。

挑戦者らしい攻めをほとんど見せることが出来なかった相澤の完敗、
という意見に異論はない。強打のムニョスのインパクトを上回るには、
相澤の手数は少なすぎた。しかしこの試合で、本当にムニョスは
1ポイントも失わなかったのだろうか。

とはいえ、そんな疑念は「惨敗」の二文字を前にした時、何の意味も
持たないのだろう。相澤も、それなりにはよくやった。しかし結局は、
チャンピオンに対して何一つ脅威を与えることは出来なかったのだ。


ある意味ではKO負けよりも救いがない「圧倒的大差」での
判定負け。そして試合後の「相澤は今まで戦った日本人の中で
一番弱かった
」という言葉。相澤にとっては、この上なく
屈辱的な日となってしまった。

このようなひどい屈辱を、相澤は跳ね返せるのだろうか。
それは恐らく、今の本人にも分からないところだろう。

ボクシングニュース

2007年09月23日 | その他
ムニョスvs相澤、明日ゴング

 相澤に対する期待値が低いせいもあってボクシングファンの
 関心は決して高くないが、本人は何やら自信ありげな様子。
 どんな試合が見られるのだろうか。

 ちなみに放送の方は、スカパーの「フジ739」にて
 13時から14時半まで生中継、となっている。


ロペス、ホームズらが殿堂入り

 この記事を読んで初めて、「ボクシング殿堂」がアメリカに
 2つあることを知った。

 つい最近まで活動していたイメージがあるロペスの殿堂入りには
 少し違和感があるが、世界的な注目度の低い最軽量級の選手が
 このような名誉を与えられることは意義深いと思う。


マスカエフvsピーターが延期

 ヘビー級のナンバーワン・ホープ、サミュエル・ピーターの
 世界タイトル獲得なるか、ということで注目されていたカードだが、
 マスカエフの負傷により、当初の予定(10月6日)より
 延期されることになった。

 海外ではこういった延期の報は珍しくないが、がっかりしている
 ファンも多いことだろう。なおピーター陣営は、代替として
 暫定王座戦を希望している。


バレロがバレラのキャンプに参加

 10月6日にマニー・パッキャオとの再戦を控えた中量級の
 スーパースター、マルコ・アントニオ・バレラのキャンプに、
 日本でもお馴染みのWBA世界スーパー・フェザー級王者
 エドウィン・バレロが合流したそうだ。

 スパーリングなどは行われるのだろうか。世界のスーパースターと
 次代のスター候補。スパーとはいえお金の取れそうな組み合わせだ。
 
 
メイウェザーvsハットンの宣伝ツアー

 12月8日に予定されているこのビッグマッチの宣伝ツアーが、
 アメリカとイギリスで行われた。

 こういったツアーは滅多に行われるわけではなく、宣伝だけでなく
 ビッグマッチ特有の高揚感を盛り上げるのにも一役買っている。

日本ミニマム級TM 黒木健孝vs半田友章

2007年09月22日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
黒木が、5回TKOで初防衛に成功した一戦。

この試合を僕は見ていないのだが、試合前日の記事を読んで
改めて「ボクシングというのは特殊なスポーツだな」と思った。

チャンピオンの黒木と挑戦者の半田は、過去に一度対戦経験があり、
しかもそれは激しい打撃戦だったそうだ。また両者は、その対戦を
機に親しくなったのだという。

今回のタイトルマッチに際し、黒木は半田に、「打ち合って
試合を盛り上げよう」と言ったらしい。少なからず親愛の情を
感じている相手に対し、殴り合おうと言ったのだ。
やはりボクシングというのは過酷なスポーツである。

ポスター

2007年09月20日 | その他
ボクシング興行のポスターは、味気ないものが多い。
その中で、内藤大助は昔から面白いポスターを製作する
ことで知られている。


vsダオチャイ・ソーソーゴージム(02.09.19)

 世界初挑戦で34秒KO負けという失態を犯した後の再起戦。
 自分が倒された姿をポスターに使うセンスが注目された。

vs菊井徹平(02.12.11)

 後に日本チャンピオンになる菊井とのランカー対決。
 当時は気付かなかったが、この頃すでに後援にドンキホーテの名がある。

vs榎本信行 その1 その2(05.04.11)

 無名のタイ人ばかりと戦う亀田興毅を挑発して有名になったポスター。
 これで負けでもしようものなら逆に叩かれそうだが、結果は判定勝ち。

vsポンサクレック・ウォンジョンカム(第2戦)

 34秒KO負けの屈辱を晴らそうと臨んだ2度目の挑戦。
 リベンジのイメージをアピールしているポスターだ。
 
vsポンサクレック・ウォンジョンカム(第3戦)

 ついに王座獲得となった3戦目のポスター。今になって見てみると、
 「壁の向こうにあるもの」というありきたりなコピーにも重みが感じられる。

vs亀田大毅(07.10.11)

 そして今回のポスターがこちら。コピーは刺激的だが、デザインは
 シンプルそのもの。王者になった自信がそうさせるのだろうか。

 ちなみに今回は王者側と挑戦者側、2種類のポスターが
 作られている。亀田側のポスターはこちら

海外奪取

2007年09月19日 | その他
最近、このブログで「フィリピン人ボクサーの活躍は凄い」という
ような話を度々しているが、専門誌「ボクシングマガジン」でも
同様の特集記事があった。

その記事の中で驚いたのは、フィリピンの歴代世界王者28人のうち、
何と25人までが海外での王座奪取である、ということだ。

日本では、「海外で世界タイトルを取るのは難しい」というのが
定説になっている。事実、日本のジム所属の世界王者57名のうち、
海外奪取を果たしたのは、西城正三、柴田国明(2度)、大熊正二、
上原康恒、三原正、平仲明信、オルズベク・ナザロフ、ホルヘ・
リナレスの8名だけである。キルギスタン出身のナザロフ、
ベネズエラ出身のリナレスを除けば6人。

経済的理由により、なかなか自国で世界戦を開催できないなどの
違いもあり、単純には比較できないものの、やはり逞しいと
言わざるを得ない。


国外で試合を行うとなると、まず長旅の疲れや環境の変化と
いったデメリットが出てくる。これが敵地ともなれば、
大小さまざまな不手際や嫌がらせが頻発するとも聞く。
これらを乗り越えての勝利は、大きな自信となるだろう。

よく「日本の選手は温室栽培」と揶揄されるが、このところ
海外で試合を行う選手が少なからずいる。主にグリーンツダジムの
選手たちがタイやフィリピンで戦ったり、タイや韓国のランキングに
入った選手
もいる。また、敵地で前世界王者をKOした松田直樹
殊勲も記憶に新しい。それに加え、かねてより本場アメリカでの試合を
希望している現役世界王者、長谷川穂積の動向も気になるところだ。

「フィリピンに続け」というわけではないが、広く世界で
活躍する日本人ボクサーが増えつつある現状は、何だか
頼もしく思える。


長谷川、高山がジム移籍

2007年09月18日 | その他
WBC世界バンタム級王者の長谷川穂積が、デビュー以来所属していた
千里馬神戸ジムを離れることになった。長谷川を指導してきた
山下正人トレーナーが新設する「真正ジム」に移籍するということだ。

千里馬会長の「引退させることもできたが、選手本人の意思を
尊重した」という発言には、長谷川に対する未練が伺える。
このところ長谷川に関するニュースが全く聞かれなかったが、
水面下では様々なやり取りがあったということなのだろう。

さて、正式に移籍が決まれば、気になるのが長谷川の次戦だ。
5度目の防衛戦は「12月、神戸で」という情報もあったが、
長谷川自身の身辺がまだ落ち着いていない現状では、どうなるか
はっきりとは分からない。今後の報道を待ちたいと思う。


また、ファイトマネー問題などでグリーンツダジムと揉めた
前WBA世界ミニマム級暫定王者の高山勝成も、同じく真正ジムに
移籍するという。高山は長らく宙ぶらりんの状態になっていただけに、
ようやくはっきりとした受け入れ先が決まって良かったと思う。

タイトルを失ったとはいえ、日本のミニマム級において
高山はまだまだ重要なキャストの一人。これからの活躍にも
期待したいものだ。

海外の試合結果

2007年09月17日 | 海外試合(その他)
15日、アルゼンチンで行われたWBO世界フライ級タイトルマッチ。
地元の王者オマール・ナルバエスが、マーロン・マルケスを4回TKOに
下して11度目の防衛。ポンサクレックが内藤に敗れた現在、フライ級で
最も安定した強さを見せている王者と言えばこのナルバエスだ。


16日、軽量級の人気者、元世界2階級制覇王者のホルヘ・アルセ
クリスチャン・ミハレスに敗れて以来の再起戦に臨み、
トマス・ロハスに6回TKO勝ち。今後、ミハレスに止められた
勢いを取り戻せるだろうか。

同じ興行で行われたWBC世界ライト・フライ級タイトルマッチは、
王者のエドガル・ソーサロレンソ・トレホを9回TKOに下して
2度目の防衛に成功。イーグル京和の牙城にあと一歩のところまで
迫りながら敗れたトレホだが、世界王座は近いようで遠い。

小堀vs三浦、榎vs杉田 Wタイトルマッチ

2007年09月15日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
速報。

日本スーパー・フェザー級タイトルマッチは、王者の小堀佑介が
判定(96-94、96-92、97-92)で三浦隆司を下し
5度目の防衛に成功。2度のダウンを奪ったものの、内容的には
きわどいものだったようだ。

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチは、王者の榎洋之が
真教杉田を判定(116-114が2人、116-112)で下して
2度目の防衛に成功。やや盛り上がりに欠ける内容だったらしい。

東洋太平洋Sフェザー級王座決定戦 ナデル・フセインvs内山高志

2007年09月08日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
その強打から「ノックアウト・ダイナマイト」の異名を持つ内山が、
プロ8戦目で初の王座獲得。8ラウンドKOでフセインを下した。


初回から、フセインに覇気がない。体調が悪いのか、内山のパワーに
恐れをなしたのか。そのまま試合は続き、最後はフセインのダウン直後に
セコンドがタオルを投入。世界挑戦の経験もあり、OPBF圏では
「強豪」との評価があった選手にしては、不甲斐ない幕切れだった。

内山もフセインのキャリアを警戒したのか、強引には攻めて行かず、
それが試合を長引かせた。倒そうと思えば、もっと早い回に倒せたはずだ。
ただ、初のタイトルマッチということもあるから、それは仕方ない
部分もあるだろう。

慎重に戦ったせいか、内山はパンチも多彩で、ディフェンスも丁寧。
成長の跡が伺えた。ここまで全勝で来ているとはいえ、ダウンを
喫した試合もあったし、雑な試合運びで倒しきれずに終わった試合も
あった。そういった「小さな挫折」が、内山を成長させているのだろう。


今回はフセインの不甲斐なさもあり、試合そのものの評価はしにくい。
真価が問われるのは次の試合から、ということになる。

坂田、イーグル、次戦決まる

2007年09月07日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
WBA世界フライ級チャンピオンの坂田健史、そしてWBC世界
ミニマム級チャンピオン、イーグル・デーン・ジュンラパン
(イーグル京和から改名)の防衛戦が立て続けに決まった。

坂田は11月4日、同級2位のデンカオセーン・カオヴィチット
迎えて2度目の防衛戦を行う。

このデンカオセーン、WBA傘下の地域タイトルであるPABA王座を、
通算30度以上も防衛しているという強者。ただ、このPABA王座の
挑戦者たちの多くは、噛ませ犬同然の怪しいキャリアの持ち主で、
数字のインパクト通りの強さがあるかどうかは疑問だ。
とはいえ、世界2位の選手であるからには、それなりの実力者
なのだろう。もちろん油断は出来ない。


イーグルの5度目の防衛戦は大一番だ。というのも、生まれ故郷
タイの王宮広場で行われる、国王生誕記念試合であるからだ。
タイの人たちの信心深さ、そして国王に対する敬愛の念の強さは
よく知られたところで、イーグルにすればこれ以上ない晴れの舞台
ということになるだろう。

挑戦者は、同じくタイ人のオーレイドン・シットサマーチャイ
ランキング1位の選手だ。長らくWBCのユース王座を保持し、
今年4月にオマール・ソトとの挑戦者決定戦を制して今回の
初挑戦に漕ぎ着けた。若さに物を言わせ、イーグルの牙城を
崩すことが出来るだろうか。