ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

WBC世界Sウェルター級王座決定戦 マニー・パッキャオvsアントニ・マルガリート

2010年11月13日 | 海外試合(世界タイトル)
フィリピンの英雄パッキャオが、タフなマルガリートを
圧倒的な判定に下して、ついにオスカー・デラ・ホーヤに並ぶ
過去最多記録の、6階級制覇(フライ、スーパー・バンタム、
スーパー・フェザー、ライト、ウェルター、そして今回の
スーパー・ウェルター)を達成した。

ボクシングファンなら誰もが知っている通り、6階級と言っても
パッキャオはフェザー級、スーパー・ライト級でも
チャンピオンと呼んでも全く差し支えないほどの実績を残しているので、
実質的には8階級制覇。改めて、とんでもない選手だなあと思う。

パッキャオは超人だから、彼を基準に「他のボクサーはしょぼいなあ」等と
思わないで頂きたい。 他のボクサーが駄目なのではなく、彼が凄すぎるだけ。

超一流ボクサーと言われたマルコ・アントニオ・バレラや
エリック・モラレスを倒した頃のパッキャオには感動を覚えたが、
「馬鹿げた体格差」「正気の沙汰ではない」とマッチメイクが非難された
オスカー・デラ・ホーヤ戦以降は、自分の中ではもはや「理解不能な人」に
なっていて、 試合のたびに「奇跡」を見せる最近の彼には、
ただただ呆然とするのみだ。

現在のパッキャオは、ボクシングファンが想像すら出来なかった
領域にまで来ていて、 まさに神がかり的。僕のような凡人が、
彼の強さを分析するのは無理があるが、彼自身の才能と努力、
相性の良いトレーナーに出会った幸運に加え、試合の国内視聴率が
90%を超えることもあるというフィリピン同胞の熱狂的な応援も
支えになっているはず。

スポーツを語るのにスピリチュアルな要素を絡めるのは
好きではないが、彼らの応援には本当に 切実な熱がこもっていて、
パッキャオがこの力に後押しされているのは間違いないだろう。

海外の世界戦

2007年12月17日 | 海外試合(世界タイトル)
リナレス、バレロ(そして松田)以外の海外の世界戦結果。


15日。イギリスで行われたWBO世界暫定スーパー・フェザー級
タイトルマッチは、王者アレックス・アーサースティーブン・
フォスター
を小差判定に下して初防衛に成功。

15日。メキシコで行われたIBF世界ライト・フライ級タイトルマッチ。
王者ウリセス・ソリスが、来日経験もあるバート・バタワン
9ラウンドTKO勝ちで7度目の防衛。

16日。オーストラリアで行われたWBA世界ライト・ヘビー級
タイトルマッチは、元WBC世界スーパー・ミドル級暫定王者の
ダニー・グリーンスティペ・ドレイスを大差判定で破り王座を奪取
するとともに、2階級制覇を達成した。

リナレス、バレロ、松田(結果)

2007年12月16日 | 海外試合(世界タイトル)
WBC世界フェザー級王者・ホルヘ・リナレスは、1位の
ガマリエル・ディアスを8ラウンドTKOに下し初防衛。
なお、リナレスは4ラウンドと8ラウンドにダウンを奪っている。

基本的な能力の差は明白だったが、ディアスのねちっこい攻撃に
若干手を焼いた印象もある。おまけに4ラウンドに足首を痛めて
しまったリナレスは、その後の数ラウンドでは動きに精彩を欠いた。

それでもきっちり仕留めてしまう辺りはさすがだ。8ラウンド、
やや乱戦になりかけたところで炸裂した、見事な右フック。
回り込むと同時に微妙にポジションを変えて打つという、高度な
技術を見せた上での一撃で、ディアスにしてみれば、打とうとした
場所に相手はもうおらず、そして思わぬ角度からカウンターを
受けてしまったことになる。あれでは立てるはずもない。

足首の負傷とは別に、この日のリナレスにはやや力みが感じられた。
若いリナレスにとって、初防衛戦、そして敵地という条件下では、
多少浮き足立ってしまうのも無理はない。才能は折り紙付きであるものの、
世界戦はこれがわずか2回目なのだ。これから場数を踏んでいけば、
安定感も出てくるだろう。


WBA世界スーパー・フェザー級王者のエドウィン・バレロは、
ランク下位の挑戦者サイド・サバレタ相手に危なげなく3ラウンド
TKO勝ち。1ラウンドに軽いパンチでバランスを崩させてダウンを
奪った後も、小さいパンチを当てながらじわじわと距離を詰める、
理詰めのKO劇だった。

サバレタもよく粘り、何発かはパンチを浴びせたが、試合の流れには
全く影響を与えなかった。バレロが放ったフィニッシュの左ショートフックは、
地味ではあるがインパクトは充分。レフェリーのストップは賢明だった。

相変わらずの強さ、そして敵地でも動じない冷静さも見せつけたバレロ。
リング上のインタビューでは、本場アメリカでスター選手らと拳を交えたい
という希望を改めて表明していた。


ルディ・ロペスと松田直樹の再戦は、リング上では「松田の
パンチによるロペスの負傷がひどくなった」という理由で
松田の8ラウンド終了TKO勝ちが告げられたが、ロペス陣営は
これに猛抗議。勝敗の行方は再協議に委ねられることになり、
現在までのところその結果はまだ出ていない。

激しい打ち合いとなった初戦とは打って変わって、お互いに
「絶対に勝たなければならない」という思いが強すぎたのか
慎重な展開に。前半をほぼ五分で乗り切った松田は大したものだが、
後半に入ってやや押され気味になってきたところでの試合ストップ。
また、5ラウンドに起こったロペスの出血は、その後のラウンドの
バッティングによって悪化した面があったので、この抗議にも
頷けるところだ。

なお、再協議によってこの試合が「負傷判定」になった場合は、
それまでの採点(1-2)により松田の負けということになる。

海外の世界戦

2007年12月10日 | 海外試合(世界タイトル)
7日。WBA世界スーパー・ウェルター級王者ジョアシム・
アルシン
は、アルフォンソ・モスケラに12ラウンドTKO勝ちで
初防衛に成功。


以下は全て8日。

WBA世界ライト・フライ級タイトルマッチでは、フランスの人気者
ブライム・アスロウムが、王者ファン・カルロス・レベコ
判定に下し、3度目の世界挑戦にして悲願の王座獲得。 

WBO世界スーパー・バンタム級王者のダニエル・ポンセ・デ・レオンは、
判定でエドゥアルド・エスコベトを破って6度目の防衛に成功。

IBF世界ミドル級王者アルツール・アブラハムは、ウェイン・
エルコック
に5ラウンドTKO勝ちで6度目の防衛。

WBC世界ウェルター級TM フロイド・メイウェザーvsリッキー・ハットン

2007年12月09日 | 海外試合(世界タイトル)
イギリスのスーパースター、ハットンを迎え撃ったメイウェザーが、
10ラウンドTKO勝ちでタイトルの初防衛に成功した試合。

揉み合いの多い、見る方も疲れてしまうような厳しい展開だったが、
メイウェザーのインテリジェンス、ハットンの根性、そして衝撃的な
フィニッシュによって、決して退屈な試合という印象は残らなかった。
また、どのラウンドにも両者の持ち味が発揮されていた。


両雄ともに無敗。かたや5階級制覇のメイウェザー、かたや2階級制覇の
ハットンの米英対決。ハットン人気のおかげもあって、この試合は
大きな注目を集めていた。

リングインしてくる両者。敵地であるはずなのに、ハットンへの
声援が凄まじい。引き締まった良い表情をしているハットンに対し、
メイウェザーはどこかピリっとしない。メイウェザー優位を予想
していた僕だが、この時点で一抹の不安がよぎる。


ゴングが鳴った。前に出るハットン、それをいなすメイウェザー
という、(恐らく)大方の予想通りのスタート。パンチの的確性では
メイウェザーが上だが、ハットンの突進力は恐ろしいほどだ。
踏み込むスピードも速いし、打たれても平然と前進してくる。

そして、早くも揉み合う両者。こういった揉み合いで、相手の体力や
攻め手を奪っていくのがハットンの常套手段だ。さほどクリーンヒットを
許していないとはいえ、メイウェザーにとって決して良い展開とは
言えない。

その後は、メイウェザーの手数が出なくなってハットンの攻勢が
上回ったように見えたり、ハットンのパンチがほとんど当たらず
メイウェザーの数少ないヒットが有効に見えたりと、採点はどうあれ
緊迫した展開が続く。

気になるのは、メイウェザーがあっさりと下がり、ハットンの前進を
許していること。ハットンの出鼻にカウンターを狙っているのだろうが、
ハットンの踏み込みが速いせいかタイミングが合わない。そうこう
している内に体力を削られ、ラウンドが進むごとに疲弊していく
メイウェザーの姿も想像された。

メイウェザーは、今年5月のオスカー・デラ・ホーヤとのビッグマッチの
前後から、引退を宣言していた。それを撤回してまでハットンの挑戦を
受けたわけだが、キャリアの締めくくりを考え始めたメイウェザーが、
なぜこのような難敵を選んだのか。今さらながらそんなことも思った。


しかし、やはりメイウェザーは只者ではなかった。ハットンの前進が
やや弱まった第8ラウンド、それに乗じて一気に勝負をかける。
顔面、ボディと連打を巧みに打ち分けるメイウェザー。これは効いた。
ハットンはボディ打ちの得意な選手として知られるが、逆に自分が
ここまでボディを打たれたことが過去にあっただろうか。

かくしてペースはメイウェザーの手に握られたが、ハットンもここで
終わる選手ではない。打ち返すことによってこの大ピンチを凌ぎ、
次のラウンドには意を決したように再び攻めて出た。そんなハットンに、
イギリスからやって来た大観衆が声援を送る。ハットンも彼のファンも、
まだ全く勝負を諦めていないのだ。

10ラウンド。採点では、クリーンヒットの多いメイウェザーが
やはり優勢だろう。それを意識してか、ハットンが強引なまでに
前へ出る。そして何度目かのアタックが行われたその瞬間、メイウェザーが
完璧なタイミングでカウンターを見舞った。勢い余ってそのまま
コーナーに激突し、ついにハットンがダウン。メイウェザーの才能と
ともに、ハットンの凄まじい突進力を物語るダウンシーンだった。
これだけの突進力があるからこそメイウェザーは苦戦し、また
これだけの突進力があるからこそカウンターを受けた際のダメージも
深かったのだ。

並の選手なら、ここでカウントアウトされてもおかしくない。
しかし驚くべきことに、ハットンは立ち上がってきた。
何というタフネス、何という精神力だろう。しかし、心はまだ
折れていなくても、体がもう限界だった。落ち着いた表情で
立ったハットンだが、足がふらついている。すかさずメイウェザーが
追撃し、レフェリーがストップした直後にハットンは再び崩れ落ちた。
それと同時にコーナーからタオルが舞い、劇的なフィナーレを迎えた。


試合前に散々罵っておきながら、試合が終われば感涙にむせび、
ハットンに近寄って健闘を称え合うメイウェザー。過剰なまでの
感情表現。これがこの男の憎めないところだ。入場時、不安そうに
見えたその表情は、苦しい戦いになるであろうこの試合に対する
覚悟の表れだったのかもしれない。

長いボクシング史上でも稀に見る才能を持ちながら、決してそれに
溺れることなく、自らのピンチをも想定し、厳しいトレーニングを重ねる。
一ボクシングファンとして、このような素晴らしいボクサーがいる時代に
生まれたことを幸福に思う。


その一方で、この試合ではハットンの人間性にも心を打たれた。
ショッキングな初黒星の直後にもかかわらず、笑顔でインタビューに
応じるハットン。力強く再起を誓い、最後はファンに謝罪と感謝の
言葉を述べていた。

正直に言うと、僕はこの選手の戦い方があまり好きではない。
お世辞にもスマートとは言えない、泥臭く粘っこい試合振り。
しかし、どんな強敵を前にしても、この男は決してひるまず、
前進をやめない。ハットンがなぜこれほどまでに熱狂的な支持を
得ているのか、その理由が垣間見えた気がした。

WBC世界ミニマム級TM イーグル・デーン・ジュンラパンvsオーレイドン・シスサマーチャイ

2007年11月29日 | 海外試合(世界タイトル)
イーグルが負けた。そういった可能性を想定しなかったわけではないが、
実際にそうなってみると、かなりのショックがある。


母国タイでの試合ではあったが、声援ははっきりとオーレイドン。
イーグルにしてみれば、多少複雑な思いがあったかもしれない。
それが原因かどうかは分からないが、イーグルは普段に比べて
動きが悪かった。力んで攻撃が単調になり、空転する場面が目立つ。

また、オーレイドンが「スピードのあるサウスポー」である点も、
イーグルにとって不運だった。ただでさえやりにくい相手に、
力んで空回り。悪い条件が幾重にも重なってしまった印象だ。


1ラウンドこそよく攻め込んで上々のスタートを切ったかに見えた
イーグルだったが、2ラウンドには早くもパンチの的中率が
落ちていく。それにしてもこの挑戦者、手も足も非常に速い。
オーレイドンのスピードを前にすると、イーグルの攻めがワンテンポ
遅れてしまう。

イーグルも決して鈍重な選手ではない。時折パンチも当てていた。
そこから反撃に転じたいところだったが、どうにもリズムに
乗り切れない。

あまりにも目まぐるしい攻防のため、正直、採点はよく
分からなかった。ただ言えるのは、オーレイドンのテンポに
イーグルが終始付き合ってしまったということだ。

フルラウンド戦い、勝負は判定へ。結局、3-0(115-114、115-113、
117-112)でオーレイドンの勝ち。イーグルは王座を失った。


客観的に見れば、最軽量級らしいスピード感にあふれた、それなりに
面白い試合であった、と言えるのかもしれない。しかし、いい時の
イーグルを知っているだけに、何か煮え切らない印象が残って
しまったのも事実だ。

例えば、この両者が日本で再戦したらどうなるだろうか。
良い精神状態でリングに上がれれば、イーグルが王座を奪回する
可能性もあるが、今回の勝利でオーレイドンが自信を深め、
よりやっかいなボクサーになっている可能性もある。

海外の世界戦

2007年11月12日 | 海外試合(世界タイトル)
日付は全て10日(現地時間)。


ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われた
WBA世界ウェルター級タイトルマッチは、王者のミゲール・コット
元3階級制覇王者のシェーン・モズリーを小差判定に下して
3度目の防衛に成功。

お互いがお互いの強打を警戒したのか、神経の擦り減る消耗戦
といったような印象だった。そんな中でも、決して大崩れしない
コットがまたしても堅実に強みを発揮した。


同じ興行で行われたWBC世界ライト級暫定タイトルマッチは、
1年ぶりのリングとなったホエル・カサマヨルが、元王者(暫定)の
ホセ・アルマンド・サンタクルスを僅差判定に退けて初防衛。
ただし、カサマヨルは1ラウンドにダウンを奪われた末の大苦戦で、
サンタクルスが勝っていたという声も少なくなかったようだ。


パリで行われたWBA・WBC世界クルーザー級タイトルマッチは、
噂の強豪デビッド・ヘイが、4ラウンドにダウンを奪われながらも
逆転の7ラウンドKO勝ちで王者ジャン・マルク・モルメクを下して
王座奪取を果たした。

海外の世界戦

2007年11月05日 | 海外試合(世界タイトル)
日付は全て3日(現地時間)。


アメリカで行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチで、
王者のファン・マヌエル・マルケスリカルド・フアレス
大差判定に下して初防衛に成功。熟練の強さを見せつけた。
一方のフアレスは、世界戦4連敗。いつ王者になってもおかしくない
実力はあるのだが、相手が悪すぎる。


同興行で行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチでは、
王者ロバート・ゲレロがマルティン・オノリオを1ラウンドTKOに
屠って初防衛。何気なく出したようなワンツーで、あっという間に
終わってしまった。


イギリスで行われたスーパー・ミドル級の3冠統一戦では、
WBO王者のジョー・カルザゲがWBA&WBC王者の
ミッケル・ケスラーに判定勝ちして王座統一を果たした。
カルザゲは以前に当時のIBF王者ジェフ・レイシーとの
統一戦にも勝利しており、実質的には4冠統一王者と呼んで
差し支えない実績を挙げたことになる。

ちなみにWBO王座に関して言えば、カルザゲはこれで
21度目の防衛。衰えが囁かれながら、大舞台できっちり
真価を発揮するところはさすがだ。


同興行で行われたWBO世界クルーザー級タイトルマッチは、
王者エンゾ・マカリネリがランク下位の挑戦者モハメド・
アッゾーイを4ラウンドKOに下して4度目の防衛に成功。

海外の試合

2007年10月28日 | 海外試合(世界タイトル)
27日、カナダで行われたIBF世界スーパー・バンタム級
タイトルマッチで、地元の王者スティーブ・モリター
タイのファーサン・3Kバッテリーを大差判定に下して
2度目の防衛に成功した。

ふと気付いたのだが、このスーパー・バンタム級ではここ数年
KO決着が多い。主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)で
過去5年間(2002年~)に行われた、暫定王座戦を含む
タイトルマッチ48試合のうち、35試合までがKOで決まっている。

海外の世界戦

2007年10月23日 | 海外試合(世界タイトル)
海外の試合について最近あまり書いていなかったので、
ここでまとめて書いておきたいと思う。全て10月の試合だ。


4日、WBO世界スーパー・フライ級タイトルマッチがラスベガスで
行われ、フェルナンド・モンティエルルイス・メレンデス
最終12ラウンドTKOに下して5度目の王座防衛

倒し倒されの激闘だったが、ピンチを切り抜ける巧みさとパンチの
正確さでモンティエルが上回った印象だ。長らく軽量級の第一人者として
活躍するモンティエルだが、まだ28歳。集中力さえ切らさなければ、
まだまだトップクラスで戦えそうだ。


13日モスクワ。WBO世界ヘビー級タイトルマッチは、王者
スルタン・イブラギモフが、5度目のヘビー級王座獲得を狙った
古豪イベンダー・ホリフィールドに大差判定勝ちで初防衛に成功

敗れはしたものの、ホリフィールドも44歳とは思えないシャープな
動きを披露し善戦していた。本人はまだまだ引退はしないと発言。
この日の状態の良さを見る限り、またチャンスはやってきそうだ。


イブラギモフvsホリフィールド戦の前座で行われたIBF世界
スーパー・フライ級王座決定戦では、ディミトリー・キリロフ
ホセ・ナバーロに判定勝ちで悲願の王座獲得。徳山昌守との戦いで
日本でも馴染みの両者。いずれも、3度目のタイトル挑戦だった。


同じく13日、アルゼンチンのボクシングの殿堂「ルナ・パーク」で
行われたWBA世界ライト・フライ級タイトルマッチは、地元の王者
ファン・カルロス・レベコが、ウンベルト・プールを5ラウンド
TKOに下して初防衛。レベコは未だ無敗で、最近5試合のうち
4試合はKO勝ち。なかなかパンチがあるようだ。


19日、カナダで行われたIBF世界スーパー・ミドル級
タイトルマッチ。ルーマニア出身でカナダ在住のルシエン・ブテが、
王者アレハンドロ・ベリオに11ラウンドTKO勝ちで王座奪取
ベリオは初防衛に失敗。旧ソ連あるいは東欧圏のボクサーの活躍は、
今やボクシング界にすっかり定着した観がある。


20日、ドイツで行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチでは、
フェリックス・シュトルムランディ・グリフィンと引き分けて
辛くも2度目の防衛に成功。指名挑戦者が相手だったのだから、
苦戦するのは仕方ない面もある。


20日にメキシコで行われたWBC世界スーパー・フライ級
タイトルマッチ。王者クリスチャン・ミハレスフランク・ゴリオー
1ラウンドKO勝ち。昨年9月の王座獲得から、わずか1年少々で
5度目の防衛に成功した。対戦相手の質はともかく、今最も勢いのある
王者の一人と言っていいだろう。

海外の試合結果(9月30日)

2007年09月30日 | 海外試合(世界タイトル)
帝拳ジムのHPより。


WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチでは、王座交代が起こった。
強敵相手にしぶとく王座を守ってきたジャーメイン・テイラーが、
ダウン応酬の激戦の末、ケリー・パブリックに7ラウンドTKO負けで
5度目の防衛に失敗。

激闘派として人気の高いパブリックだが、隙も多いため、何だかんだで
苦しみながらもテイラーが防衛するのでは、と予想していたが、
パブリックの攻撃力は世界王者にも充分通用したようだ。


WBC世界ライト・ヘビー級タイトルマッチは、王者のチャド・
ドーソン
が、挑戦者エピファニオ・メンドサを圧倒し4ラウンド
TKO勝ちで2度目の防衛。


IBF世界ライト・ヘビー級タイトルマッチでは、王者クリントン・
ウッズ
が、元WBO王者のフリオ・ゴンサレスに3-0の判定勝ちで
4度目の防衛に成功。

現在、ライト・ヘビー級というのは必ずしも人気の階級とは言えないが、
身体能力抜群のドーソン、地味ながら確かな実力を持つウッズ、これまた
地味だが堅実な技巧を誇るWBO王者のゾルト・エルデイらに加え、
元ミドル級統一王者の古豪バーナード・ホプキンスなどもおり、こういった
有力選手たちが相まみえるようなことがあれば面白くなりそうだ。


IBF世界バンタム級タイトルマッチは、王者ルイス・ペレス
ジョセフ・アグベコに7ラウンド終了TKO負けで王座を失う番狂わせ。

強面の強打者ペレスは、王座決定戦で粘り強いヘナロ・ガルシア
(長谷川穂積に判定負け)をTKOに屠ったことで日本のファンの
注目を浴びた2階級制覇王者。まさかこんなにあっさり王座を失うとは
全くの予想外だ。

海外の世界戦(1日)

2007年09月02日 | 海外試合(世界タイトル)
WBO世界スーパー・ライト級タイトルマッチは、王者リカルド・
トーレス
が11ラウンドTKOでケンドール・ホルトを下し2度目の防衛。
ダウンを奪われるなどの劣勢を跳ね返しての逆転KOだったようだ。
強打で知られるトーレスだが、世界戦では苦戦が続いている。


IBF世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ、王者のムゾンゲ・
ファナ
は、ハビエル・アルバレスに9ラウンドKO勝ちで初防衛に成功。

ちなみにこのタイトルを防衛した王者は、カルロス・エルナンデス以来。
エルナンデスに勝ったエリック・モラレス(剥奪)、ロビー・ピーデン
(初防衛に失敗)、マルコ・アントニオ・バレラ(返上)、カシアス・
バロイ(初防衛に失敗)、ゲイリー・セントクレア(初防衛に失敗)、
マルコム・クラッセン(初防衛に失敗)と、6人続けて防衛戦をクリア
していなかった

4日の試合結果(海外)

2007年08月05日 | 海外試合(世界タイトル)
頼りにしていた海外情報サイト「pacquelmatador」が運営を
停止してしまったので、このブログでもなるべく海外の
タイトルマッチの速報などを書いていきたいと思う。

とはいえ僕は面倒臭がりなので、帝拳ジムのホームページ
BoxRec」を参考にする程度になるだろう。


デビッド・ディアスvsエリック・モラレス
 (WBC世界ライト級タイトルマッチ)

 ディアスが小差の判定勝ちで初防衛に成功。モラレスは初回に
 ダウンを奪ったものの、メキシコ人初の4階級制覇に失敗した。
 かつて軽量級のメインキャストの一人だったモラレスだが、
 これで4連敗となってしまった。


ウリセス・ソリスvsロデル・マヨール
 (IBF世界ライト・フライ級タイトルマッチ)

 ソリスが8ラウンドTKOで6度目の防衛に成功。
 マヨールが優勢に試合を進めていた中での逆転KOだったらしい。 
 イーグル京和との激闘で日本のファンにも馴染み深いマヨール、
 階級を一つ上げての挑戦だったが、またしても涙を飲んだ。   


ラファエル・マルケスvsイスラエス・バスケス
 (WBC世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ)

 今年3月以来の両者の再戦。バスケスが6ラウンドTKO勝ちで
 王座を奪回した。マルケスは初防衛に失敗。前回同様、凄まじい
 打撃戦になったようだ。それにしてもバスケスはしぶとい。


セレスティノ・カバジェロvsホルヘ・ラシエルバ
 (WBA世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ)

 カバジェロが判定勝ちで4度目の防衛に成功。
 ラシエルバの攻撃をアウトボクシングでさばいての勝利 
 だったらしい。この階級では飛び抜けて長身のカバジェロに
 アウトボックスされては、なかなか太刀打ち出来ないだろう。   

WBC世界Sフライ級TM クリスチャン・ミハレスvs菊井徹平

2007年07月13日 | 海外試合(世界タイトル)
王者ミハレスの地元・メキシコはゴメス・パラシオで行われた
この試合は、ミハレスが10ラウンドTKOで勝利、4度目の
防衛に成功した。大方の予想通り、菊井は完敗。

非常に残念ではあるが、本来の実力差を考えれば、極めて
妥当な結果と言えるのだろう。それに加え、菊井は緊張で
体がガチガチになっていた。ラウンドを重ねるにつれて徐々に
ほぐれては行ったが、だからといってどうにかなる相手でもなかった。

入場時のミハレスは笑顔が絶えず、菊井を舐め切っているような
様子が伺えた。しかしいざゴングが鳴るやいなやその表情は
グッと引き締まり、まるで油断はなかった。

菊井も時折パンチを当てるものの、手数は圧倒的にミハレスの
方が多く、優勢をアピールできない。そうこうしている内に
ダメージや疲れも蓄積し、最後はミハレス得意の「レフェリーストップを
呼び込む連打(パンチ力を抑えてでも手数をまとめ、相手を反撃不能な
状態に追い込む)」でTKOに結び付けた。

全く見事としか言いようのない、ミハレスの試合運びであった。
地元での凱旋試合で快勝し、さらに自信を深めていくことだろう。

菊井の方は・・・終わってみれば何も出来なかったという印象だ。
果たしてこの負けを糧に出来るか、あるいはトラウマとして
引きずってしまうか、今はまだ分からない。

海外の試合結果

2007年07月09日 | 海外試合(世界タイトル)
いずれも今月7日(現地時間)に行われたもの。


・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ(ドイツ)
  ウラジミール・クリチコvsレイモン・ブリュースター

 王者クリチコが、磐石の試合運びを披露。6回終了時に
 ブリュースター陣営が棄権、TKO勝ちで3度目の防衛を果たした。
 3年前、クリチコをKOして大番狂わせを起こしWBO王者と
 なったブリュースターだが、やはりこれが本来の実力差なのだろう。


・WBA世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチ(アメリカ)
  トラビス・シムズvsジョアシム・アルシン

 前戦で圧倒的な才能を見せつけ、大きな期待を集めたシムズが
 初防衛戦でまさかの陥落。判定で王座を失った。
 ただし、このアルシンというのもなかなか評価の高い選手だったようだ。


・IBF世界フライ級タイトルマッチ(アメリカ)
  ビック・ダルチニアンvsノニト・ドナイレ

 高いKO率を誇り、ここまで無敗。現在のフライ級では最強との
 呼び声も高かったダルチニアンが、何と5ラウンドKOで初黒星。
 7度目の防衛に失敗した。


・IBF世界バンタム級王座決定戦(アメリカ)
  ルイス・ペレスvsヘナロ・ガルシア

 ラファエル・マルケスが返上した王座は、元IBFスーパー・
 フライ級王者のペレスの元へ。7ラウンドKOで2階級制覇を達成。
 日本で長谷川穂積に敗れたガルシアは、これで2連敗となった。 
  
  
・IBF世界ミニマム級タイトルマッチ(インドネシア)
  モハメド・ラクマンvsフローランテ・コンデス

 ラクマンが、2-1の判定負けで4度目の防衛に失敗した。
 ラクマンは3ラウンドと10ラウンドにダウンを奪われたが、
 判定は2ポイント差を付けたジャッジが2人、あとの一人は
 4ポイント差でラクマン。どういう試合だったのだろうか。