形通り、丁寧にボクシング界の一年を振り返ろうとも思ったが、それは専門誌や
その手のサイトにまかせて、個人的に印象に残ったことを中心に書きたいと思う。
何と言っても、今年は初めて生で試合を見たことが一番の思い出だ。
3月に名古屋で、そして12月にはお隣の東海市で。両方とも東洋太平洋
タイトルマッチがメインだったが、来年は世界戦も見に行きたいな。
でもそれ以前に、やはりボクシングのメッカ後楽園ホールを訪れてみたい。
現役選手で最も名前が売れている畑山隆則は、今年は2月にリック吉村と
引き分け、7月に判定で王座陥落と、内容的にはパッとしなかった。
タレントとしてテレビに出まくっている姿の方が印象に残っている。
日本のジム所属の世界チャンプとして最も印象的な結果を残したのは、
やはり徳山昌守。敵地で前王者チョとのリターンマッチにKO勝ちした偉業、
そしてこれまた元王者の強豪ペニャロサも退け、日本選手としては久々に
3度連続防衛を達成した。スタイリッシュさと泥臭さを併せ持った、個人的に
非常に好きなタイプのボクサーでもある。来年も防衛回数を増やしそうだ。
内容だけで言えば年間最高試合に選ばれてもおかしくなかったのが、
セレス小林がレオ・ガメスを完璧なKOで倒して世界王座に輝いた一戦。
そのスタイルは職人的で、地味ではあるが味がある。来年は全勝全KO勝ち
という凄まじい相手と防衛戦を行うが、痛快に倒してぜひ名を上げて欲しい。
新井田豊にとって、今年は目まぐるしい一年だったはずだ。1月に日本タイトル
奪取。実力者鈴木に全く何もさせなかったその試合ぶりは、まさに衝撃だった。
ところが世界前哨戦となった日本タイトル初防衛戦ではまさかのドロー。
それでも8月には、論議を呼ぶ判定ではあったが無敗で世界王座に就いた。
そして10月、ボクシングファンを驚かせた突然の引退・・・。
その他にショックだった事と言えば、現役の東洋王者、竹地盛治の自殺。
長らく国内でトップを張ってきた強打者、コウジ有沢の日本王座陥落。
堅実なテクニックで長期政権を築くと思われた星野敬太郎が、初防衛戦で
まさかの敗退。名古屋期待の浅井勇登、世界初挑戦で無残な完敗、など。
あと嬉しかったのは、元世界王者、戸秀樹のカムバックが決まったこと。
長い下積みから這い上がった雑草魂とド根性。もはや漫画の世界でさえ稀有な
熱いスピリットを見せてくれた戸の再起には、やはり胸が高鳴ってしまう。
来年は何と、徳山と北朝鮮で対戦なんていう話も出ていて、また熱くさせて
くれそうだ。タイプは違うが両方とも好きなボクサーであるだけに、どちらを
応援すべきか迷うところだが・・・。
<2002年期待の日本選手>
まずは星野敬太郎。新井田豊の引退によって空位になったベルトを、
1月29日に争う。相手はこれまた元王者、しかも星野に一度はベルトを
奪われた男、ガンボア小泉だ。前回の対戦では採点こそ微妙だったが、
星野が見事なテクニックでガンボアを空転させた。今回はどうなるだろうか。
2月にも世界初挑戦か、と言われているのが佐藤修。東京のファン以外には
ほとんど名前を知られていないが、基本に忠実でスタイリッシュなボクサー
だと聞いている。佐藤が挑むスーパー・バンタム級の王者は、WBA・WBC
共に難攻不落の名チャンプ、とは言い難いので、十分チャンスはあると思う。
これまで地方で地味に防衛を続けていた東洋太平洋スーパー・ライト級王者
佐竹政一は、今年12月に東京で人気ボクサーの大嶋宏成をKOし、ようやく
その実力が全国区に知れ渡った。統一世界王者コスタヤ・ジューがいずれ
王座を返上すれば、佐竹にもチャンスが巡ってくるかもしれない。
その佐竹との対戦も噂されるのが、去年畑山隆則との壮絶な打ち合いに敗れた
坂本博之。日本では数少ない、負けて男を上げるカリスマ性を持った選手だ。
5度目の世界挑戦はあるのだろうか。厳しいとは思うが、この男には一度で
いいから世界のベルトを巻いてもらいたい。
長らく世界ランク上位をキープしてきた長嶋健吾には、来年いよいよチャンスが
やってくる可能性が高まってきた。スーパー・フェザー級王者のスター選手、
フロイド・メイウェザーが減量苦のために王座を返上する予定なのだ。
またライト・フライ級で国内無敵の本田秀伸も、長い間世界挑戦を待たされて
きた選手の一人だ。来年はフライ級にクラスを上げ、チャンスを伺う。
9月にバンタム級の安定王者ウイラポンと再戦し、惜しくもドローに終わった
西岡利晃は、ここ数年最も世界を期待され続けてきた選手だ。すでに来年、
ウイラポンとの3度目の対決が内定している。年齢的に上積みが期待できない
ウイラポンに対し、西岡はまだまだ成長過程にある。来年こそは、西岡が
WBCのあの緑のベルトを巻く姿が見られるはずだ。
名古屋期待の石井広三は、世界ランカー3番勝負の真っ最中。まずは今年11月、
タイのサオヒンに苦しみながらも判定勝ち。次回は何と以前世界戦で敗れている
ガルサと対戦するという話もある。これに勝てば、いよいよ3度目の世界挑戦が
間近に迫ってくることだろう。
その他の名古屋のホープでは、東洋太平洋フライ級王者の中野博は、これまで
4度の防衛を果たしているもののいずれも接戦で、まだちょっと世界は遠いかな
という印象。再起した浅井勇登は、前回の世界初挑戦での惨敗をまだ引きずって
いるような感じがする。さらに壁が厚いヘビー級では、オケロ・ピーターの
世界挑戦は非常に難しい。しかし名古屋のアイドルとして、これからも東洋
タイトルの防衛を続けていって欲しい。
その手のサイトにまかせて、個人的に印象に残ったことを中心に書きたいと思う。
何と言っても、今年は初めて生で試合を見たことが一番の思い出だ。
3月に名古屋で、そして12月にはお隣の東海市で。両方とも東洋太平洋
タイトルマッチがメインだったが、来年は世界戦も見に行きたいな。
でもそれ以前に、やはりボクシングのメッカ後楽園ホールを訪れてみたい。
現役選手で最も名前が売れている畑山隆則は、今年は2月にリック吉村と
引き分け、7月に判定で王座陥落と、内容的にはパッとしなかった。
タレントとしてテレビに出まくっている姿の方が印象に残っている。
日本のジム所属の世界チャンプとして最も印象的な結果を残したのは、
やはり徳山昌守。敵地で前王者チョとのリターンマッチにKO勝ちした偉業、
そしてこれまた元王者の強豪ペニャロサも退け、日本選手としては久々に
3度連続防衛を達成した。スタイリッシュさと泥臭さを併せ持った、個人的に
非常に好きなタイプのボクサーでもある。来年も防衛回数を増やしそうだ。
内容だけで言えば年間最高試合に選ばれてもおかしくなかったのが、
セレス小林がレオ・ガメスを完璧なKOで倒して世界王座に輝いた一戦。
そのスタイルは職人的で、地味ではあるが味がある。来年は全勝全KO勝ち
という凄まじい相手と防衛戦を行うが、痛快に倒してぜひ名を上げて欲しい。
新井田豊にとって、今年は目まぐるしい一年だったはずだ。1月に日本タイトル
奪取。実力者鈴木に全く何もさせなかったその試合ぶりは、まさに衝撃だった。
ところが世界前哨戦となった日本タイトル初防衛戦ではまさかのドロー。
それでも8月には、論議を呼ぶ判定ではあったが無敗で世界王座に就いた。
そして10月、ボクシングファンを驚かせた突然の引退・・・。
その他にショックだった事と言えば、現役の東洋王者、竹地盛治の自殺。
長らく国内でトップを張ってきた強打者、コウジ有沢の日本王座陥落。
堅実なテクニックで長期政権を築くと思われた星野敬太郎が、初防衛戦で
まさかの敗退。名古屋期待の浅井勇登、世界初挑戦で無残な完敗、など。
あと嬉しかったのは、元世界王者、戸秀樹のカムバックが決まったこと。
長い下積みから這い上がった雑草魂とド根性。もはや漫画の世界でさえ稀有な
熱いスピリットを見せてくれた戸の再起には、やはり胸が高鳴ってしまう。
来年は何と、徳山と北朝鮮で対戦なんていう話も出ていて、また熱くさせて
くれそうだ。タイプは違うが両方とも好きなボクサーであるだけに、どちらを
応援すべきか迷うところだが・・・。
<2002年期待の日本選手>
まずは星野敬太郎。新井田豊の引退によって空位になったベルトを、
1月29日に争う。相手はこれまた元王者、しかも星野に一度はベルトを
奪われた男、ガンボア小泉だ。前回の対戦では採点こそ微妙だったが、
星野が見事なテクニックでガンボアを空転させた。今回はどうなるだろうか。
2月にも世界初挑戦か、と言われているのが佐藤修。東京のファン以外には
ほとんど名前を知られていないが、基本に忠実でスタイリッシュなボクサー
だと聞いている。佐藤が挑むスーパー・バンタム級の王者は、WBA・WBC
共に難攻不落の名チャンプ、とは言い難いので、十分チャンスはあると思う。
これまで地方で地味に防衛を続けていた東洋太平洋スーパー・ライト級王者
佐竹政一は、今年12月に東京で人気ボクサーの大嶋宏成をKOし、ようやく
その実力が全国区に知れ渡った。統一世界王者コスタヤ・ジューがいずれ
王座を返上すれば、佐竹にもチャンスが巡ってくるかもしれない。
その佐竹との対戦も噂されるのが、去年畑山隆則との壮絶な打ち合いに敗れた
坂本博之。日本では数少ない、負けて男を上げるカリスマ性を持った選手だ。
5度目の世界挑戦はあるのだろうか。厳しいとは思うが、この男には一度で
いいから世界のベルトを巻いてもらいたい。
長らく世界ランク上位をキープしてきた長嶋健吾には、来年いよいよチャンスが
やってくる可能性が高まってきた。スーパー・フェザー級王者のスター選手、
フロイド・メイウェザーが減量苦のために王座を返上する予定なのだ。
またライト・フライ級で国内無敵の本田秀伸も、長い間世界挑戦を待たされて
きた選手の一人だ。来年はフライ級にクラスを上げ、チャンスを伺う。
9月にバンタム級の安定王者ウイラポンと再戦し、惜しくもドローに終わった
西岡利晃は、ここ数年最も世界を期待され続けてきた選手だ。すでに来年、
ウイラポンとの3度目の対決が内定している。年齢的に上積みが期待できない
ウイラポンに対し、西岡はまだまだ成長過程にある。来年こそは、西岡が
WBCのあの緑のベルトを巻く姿が見られるはずだ。
名古屋期待の石井広三は、世界ランカー3番勝負の真っ最中。まずは今年11月、
タイのサオヒンに苦しみながらも判定勝ち。次回は何と以前世界戦で敗れている
ガルサと対戦するという話もある。これに勝てば、いよいよ3度目の世界挑戦が
間近に迫ってくることだろう。
その他の名古屋のホープでは、東洋太平洋フライ級王者の中野博は、これまで
4度の防衛を果たしているもののいずれも接戦で、まだちょっと世界は遠いかな
という印象。再起した浅井勇登は、前回の世界初挑戦での惨敗をまだ引きずって
いるような感じがする。さらに壁が厚いヘビー級では、オケロ・ピーターの
世界挑戦は非常に難しい。しかし名古屋のアイドルとして、これからも東洋
タイトルの防衛を続けていって欲しい。