ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

ホルヘ・カストロ

2005年05月30日 | その他
26日にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われた
WBA世界ライト・ヘビー級王座への挑戦者決定戦で、
元WBA世界ミドル級王者のホルヘ・カストロが
デリック・ハーモン(米)に7回TKO勝ちした

カストロといえばちょうど10年前、あの竹原慎二
挑戦した世界チャンピオンである。カストロは判定で敗れ、
竹原が「日本人初の(そして今のところ唯一の)世界
ミドル級王者」になるという歴史的快挙を達成したのだった。

現在カストロは37歳。竹原とミドル級で戦った時でさえ
ちょっとお腹がたぷついていたが、今はさらにデブって
ミドルより2階級上のライト・ヘビー級。数年前には、もう
一つ上のクルーザー級で2度も世界挑戦して敗れている。

本当に、海外の選手は息が長い。カストロより若い竹原は、
初防衛戦に敗れた直後に眼疾が発覚して、もうとっくに引退して
いるというのに・・・。

そして何よりびっくりするのがその戦績。何と今回の
ハーモン戦を含めて129勝(89KO)10敗3引き分け!
つまり合計で142戦もしているのだ。まるで戦前の
ボクサーのような試合数。まさに怪物と呼ぶにふさわしい。

亀田、次戦はサマンと

2005年05月23日 | その他
入札騒動の挙句、協栄ジムへ移籍した亀田くんの次戦
決まった。相手は、元世界王者のサマン・ソーチャトロン。

今まで無名のタイ人相手に連勝してきた亀田だが、移籍早々
大きな試合が組まれた。1階級下とはいえ、わずか7戦目で
元世界チャンピオンと対戦させるというのだから、さすが
大手の協栄。上手いマッチメークである。

しかしこの試合、どうもK-1なんかと同じ匂いがしてしまう。
サマンは世界王座を10度も防衛した強打の名選手ではあるが、
王座を奪われてからは負けが込み、最近は3連敗中なのだ。
どうもここ数年のサマンは、新鋭のための「踏み台」に
されている観が強いのである。

元世界王者という肩書きは、マスコミにも充分すぎるほどの
アピール効果があるだろう。実際には全盛期の力のない
「元王者」を連れてきて、肩書きに弱い日本人の特性を突く
やり方がK-1っぽいな、と思うのだ。もし勝てば
「亀田、世界王者を撃破!」、負けても「亀田、世界王者に
善戦!」と書けるわけだから。上手いと書いたのはそういうことだ。

ただそれでも、今までとはランクの違う相手であることは
間違いない。果たして亀田くんの真価が問われる試合、と
なるのだろうか。

がっかり

2005年05月12日 | その他
先日ジョン・ルイスを判定で下して、「元ミドル級王者が
ヘビー級王座を獲得した」例としては史上3人目となる
快挙を達成したジェームズ・トニーが、あろうことか
ドーピング反応に引っかかったというニュースを見た。

まだ確定したわけではないようだが、これが本当なら
もうがっかり。何でドーピングなんてするんだろうか。
バレなきゃいいとでも思ってたんだろうか?

川嶋vs徳山、正式決定

2005年05月11日 | その他
WBC世界スーパー・フライ級チャンピオン川嶋勝重と
前チャンピオン徳山昌守の3度目の対決の日程が、ようやく
正式発表された。

最も気になるのは、徳山のブランク。そう言えば、徳山が再戦で
KOした時の前王者・仁柱も、9ヶ月のブランク明けだった。
ましてや徳山は、7月の時点では13ヶ月も試合から遠ざかって
いることになるのだ。不吉といえば不吉である。

それ以外にも、徳山が「肉体改造」に取り組んでいるという話も
気になる。元々パワーで勝負するタイプではない選手が筋肉を
つけて、ボクシングが良くなった例はあまり聞いたことがない。
徳山ももう30歳。スピードや勘の衰えを感じ、その不安を
打ち消すためのパワーアップなんじゃないかと心配してしまう。

とはいえ、川嶋だって30歳だ。自慢の屈強な肉体にも、微妙に
ガタが来ていてもおかしくないが、より精密なボクシングをする
徳山の方が、微妙な衰えが命取りになる可能性が高いように思う。

ということで僕の予想は徳山不利だが、要は徳山のコンディション
次第。徳山がいい方に変わっていれば、違う結果もあり得るだろう。
好試合を期待したい。