ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

日本Sバンタム級TM 下田昭文vs小林秀徳

2007年12月01日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
下田が序盤に2度のダウンを奪い、大差判定で2度目の防衛に成功。

つかみどころのない挑戦者を相手に苛立つような場面もあったが、
切れそうになる集中力を何とか最低限はキープし、終盤まで
大崩れはせずに最後まで乗り切った。

下田の長年の課題と言えばスタミナ。今回も中盤でやや失速し
キレが落ちた時間帯があったが、スタミナ強化にと真面目に
積み重ねてきた練習が実を結び、後半には回復してきた。

チャンピオンとして完璧な、終始安心して見ていられる試合と
までは言えなかったが、若くて血の気の多い下田なりに
成長しているのではないかと思う。


一方、挑戦者の小林。僕は2~3ラウンドくらいは取ったのでは
ないかと見たが、ジャッジのうち2人はフルマークだった(100-88、
100-91、98-91)。大差とはいえ、決して一方的にやられたわけではない。
しかしラウンドごとに見てみると、せっかくパンチを当てても、下田の
迫力ある攻撃の前に印象が帳消しになってしまったラウンドが多かった。
明確に優勢をアピールするには、攻めの迫力が足りなかったかも
しれない。

ダウンを2度奪われた序盤の危機からよく立ち直り、王者を苦しめる
ことには成功したが、このままの戦い方では「善戦マン」で終わって
しまう可能性もある。抜群の防御勘を誇る下田にあれだけパンチを
当てたのだから、いい選手であることは間違いないのだが・・・。