梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

3年連続の博多座出演です

2012年06月08日 | 芝居
更新が遅なわりまして申し訳ございません。

ただ今、博多座6月歌舞伎公演に出演中です。
3年続けて博多にお邪魔しております。美味しい食べ物がいっぱいの街。私、大好きでございます。

<中村歌昇改め三代目中村又五郎・中村種太郎改め四代目中村歌昇襲名披露>でもある当月の興行、師匠は『三人吉三巴白浪 大川端』の和尚吉三、『時今也桔梗旗揚 馬盥』の小田春永という初役2役と、『極付幡随院長兵衛』の唐犬権兵衛をお勤めです。

私は『馬盥』の腰元(六)を勤めさせて頂いております。名題の先輩方とご一緒させて頂いておりますのが本当に有難く、正座の時間は長くて大変ではございますが、心して勉強させて頂きます。

襲名興行が千穐楽まで賑々しく行われますよう、何卒博多の皆様には、うち揃いまして劇場へお出まし下さいますようお願い申し上げます。

平成中村座 ファイナル公演に出演中です

2012年05月12日 | 芝居
当月は、浅草「平成中村座」五月公演に出演中です。

昨年11月から始まったロングラン公演も、いよいよ今月で終わりです。
最後の公演に、師匠梅玉が初参加となりました。

中村屋(勘三郎)さんが『め組の喧嘩』辰五郎を、成駒屋(橋之助)さんが『毛抜』粂寺弾正を、それぞれ初役でお勤めになる他、
『本朝廿四孝 十種香』(こちらも七之助さん初役の八重垣姫です)、『弥生の花浅草祭』、『江戸随一 志賀山三番叟』『髪結新三』、
大変豪華な、見どころ満載の狂言立てとなりました。

師匠は『め組の喧嘩』に炊出し喜三郎。これは本年、新橋演舞場の初春興行でもお勤めになりましたが、今回は滅多に上演されない「喜三郎内の場」が出ておりまして、お客様にストーリーをよりよくご理解頂けますし、また、辰五郎と喜三郎の、男の情の通い合いをこの場で見せることで、芝居全体がどれほど盛り上がるか!
是非ご覧頂きたく存じます。
そして、数十年ぶりの『髪結新三』手代忠七。中村屋(勘三郎)さんの新三とのコンビは初めてとなりますが、黙阿彌の江戸世話物と、「平成中村座」の寸法が大変マッチしておりますので、雰囲気がとっても素敵です。

私は、『め組の喧嘩」の「芝居前の場」で<茶屋娘 およし>、「喧嘩の場」で<炊出しの手代>を、『毛抜』で<腰元>のシンを勤めさせて頂いております。
茶屋娘は普段しなれないお役でございますので、先輩にご指導をいただきまして勤めさせて頂いております。娘らしく、可愛く演ずるのが大事と教わりましたが、それが一番難しいですね。『毛抜』の腰元も初めてですので、先輩に全体の段取りをつけて頂きました。

すでに興行が始まって十日経ちますが、連日大変な熱気でございます。
お客様のパワーを頂きながら、楽しく舞台を勤めさせておりますが、この空間が当月で終わりというのも、寂しいものですね。

21日(月)には、恒例の「試演会」も開催されます!
今回は、『十種香』『毛抜』の2本だて。しかも衣裳、鬘も本興行通りです。
そして、スペシャルプログラムとして、幹部俳優の皆様による「たぬき会」で『供奴』の演奏もございます。

私は『毛抜』で<秦 秀太郎>を、そして『供奴』では、三味線を弾かせて頂きます。
勉強の機会を与えて下さった関係各位に、心より感謝申し上げますとともに、一所懸命勉強させて頂く所存でございます。

何卒この「試演会」も、ご後援下さいますようお願い申し上げます!
(詳しくは松竹歌舞伎公式サイト『歌舞伎人』を御覧下さい)

金丸座に来ています

2012年04月12日 | 芝居
月半ばの更新となりましたが、当月は四国金丸座<こんぴら歌舞伎大芝居>に出演中でございます。
昨年に引き続きましての出演ですが、師匠梅玉は今月はお休みということで、播磨屋(吉右衛門)さんご一門をはじめ、京屋(芝雀)さん、萬屋(錦之助)さんという一座に、兄弟子の梅蔵さん、弟弟子の梅秋とともに参加させて頂いている次第です。

又五郎さん歌昇さんの襲名興行ということもあり、大変な盛り上がりをみせておりますが、やはり昔ながらの小屋での芝居は、なんともいえない良い雰囲気でございます。久しぶりに人力による回り舞台も使用しておりますし、この小屋ならではのお芝居づくりに、お客様もお喜び頂いているようでなによりでございます。

私は、『一本刀土俵入』で<新内語りの女>、『義経千本桜』で<腰元(五)>を勤めさせて頂いております。
桜はもうそろそろ散り始めておりますが、陽気にもめぐまれ毎日楽しく過ごさせて頂いておりますことに感謝感謝です。

3月は新橋演舞場です

2012年03月02日 | 芝居
大変刺激的な大阪松竹座2月公演を終えまして、3月は新橋演舞場でございます。

師匠は昼の部『荒川の佐吉』で、初役となる敵役の成川郷右衛門、夜の部『佐倉義民伝』では幻の長吉、そして『小さん金五郎』という大変珍しい上方狂言では髪結い金屋橋の金五郎をやはり初役で。3役をお勤めになります。『小さん金五郎』は、研修生の頃に、澤瀉屋(右近)さんが金五郎をなさった舞台を拝見してはいるのですが、なにせ15年も前のことで、台本を読みながら記憶をたどるものの、かなりおぼろげでした。
『荒川の佐吉』は、高麗屋(染五郎)さんが初役で佐吉をお勤めになるのが話題の舞台。師匠演じる成川は、虚無的というかニヒルというか、悪い奴ではあるのですが大変魅力のあるお役、どうぞお楽しみに。

私は、『小さん金五郎』の序幕で<福屋の仲居お光>を勤めさせて頂きます。萬屋(梅枝)さん演じる芸妓お糸に少々からませて頂きますが、上方のお役は、言葉といい雰囲気といい難しいです。関西出身の先輩がいろいろ教えて下さるのが有難いです。

震災から間もなく1年となります。
被災地の復興も、原発事故の収束も、順調といえないのがやりきれませんが、今の私でもできることを、微力ながらも努めてまいりたいですし、あらためて、この震災を経験してからの、日々の生き方を考えてまいりたいと思っております。

2月は久しぶりの大阪です

2012年01月28日 | 芝居
新橋演舞場と浅草平成中村座との掛け持ち出演で、新年早々慌ただしい毎日だった一月興行も、お陰様で無事に千穐楽を迎えることができました。
初参加となりました平成中村座。舞台や楽屋の雰囲気、お客様との距離感、大変刺激になりました。試演会にまで参加させて頂き、『寿曽我対面』の大磯の虎を勉強できましたこと、有難く存じております。

二月は、師匠梅玉はお休み月でございますが、私は大阪松竹座<二月花形歌舞伎>に出演となり、単身大阪へ乗り込みます。
新国劇で緒形拳さんが主演なさったという、丸橋忠弥が主人公の『慶安の狼』、松竹新喜劇の名作を今回新たに書き直した『大當り伏見の富くじ』、古典の名作『義経千本桜 鮓屋』、そして歌舞伎の喜劇『研辰の討たれ』という4演目。大変意欲的なラインナップです。
私は『慶安の狼』の<柳屋の女中>、『伏見の富くじ』<紙屑買いの女>、『研辰』の<腰元>の3本です。

松竹座に出演いたしますのは、平成16年以来実に8年ぶりでございます。
久しぶりの道頓堀、楽しみにしております。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます

2012年01月04日 | 芝居
2012年の初春興行も、いよいよ本格始動でございます。
東京都内のの5劇場で同時開催という、年代記ものの当春。各劇場に賑々しくご来場下さいますご見物の皆様に、心より御礼申し上げます!

浅草<平成中村座>で開催されます<試演会>の前売りも、昨3日より開始となりましたが、お陰様で売れ行きも好調とのことで、参加メンバーの1人として、大変有難く存じております。
本日の終演後も、参加俳優が集まっての打ち合わせを行いましたが、皆々大変なやる気です!
貴重な勉強の機会を頂いたのですから、全身全霊を込めて稽古と宣伝に取り組んでまいります。
残席はまだあるようですので、<歌舞伎美人>や<歌舞伎 on the web>等からお入り頂いて、是非是非お問い合わせ下さいませ!
16時開演で終演は17時半過ぎの予定です。

いよいよ寒さも本格的になってまいりました。皆様体調にはくれぐれもお気をつけくださいますよう、そして滞りがちな更新ながら、本年も<梅之芝居日記>を何卒よろしくお願い申し上げます。




2011年もあと3日ですが

2011年12月28日 | 芝居
今年もあとわずかとなりました。
改めて振り返るまでもなく、3月11日発生の東日本大震災のことは、過去の出来事ではなく、今も続いている問題・課題であります。
本格的な冬がはじまっている被災地の皆様のことを思いますと胸がいたみます。このところあまり報道されなくなってしまった原発問題のことも大変気がかりです。

日々の興行がいつも通りに行われることの有難さ、毎日舞台に立てる幸せを、改めて思った1年でした。公演中止や休演が相次いだ3月でしたが、4月以降はほとんど通常通りの公演が、各地で行われ、多くの方々が足をお運び下さいましたことに、心より御礼申し上げます。

恒例となりました、私の2011年です。

 1月 新橋演舞場 『妹背山婦女庭訓 三笠山御殿』 官女(二)
          『寿曽我対面』 十郎の裃後見
          『寿式三番叟』 翁の裃後見
          (公演途中、インフルエンザで休演の後輩の代役で『浮世柄比翼稲妻』振袖新造を数日間勤めました)

 2月 御園座   『勧進帳』 富樫の裃後見
          『義経千本桜 鮓屋』 鮓買いの町人(女)
          (公演途中、食あたりになりましたが、休まず頑張りました!)

 3月 新橋演舞場 『伽羅先代萩』 八汐付き腰元
          『吉原雀』 鳥売りの男の着付後見
          (11日の楽屋の光景は、一生忘れられないと思います)

 4月 金丸座   『河内山』 腰元(四)
          『鯉つかみ』 腰元

 5月 新橋演舞場 『敵討天下茶屋聚』 女田楽師
          『籠釣瓶花街酔醒』 八ッ橋付き振袖新造八重菊

 6月 博多座   『仮名手本忠臣蔵 七段目』 仲居

 7月 新橋演舞場 『勧進帳』 義経の裃後見
          『江戸の夕映』 女中

 8月 国立小劇場 <音の会> 『車引』 松王丸の黒衣後見(松王丸・梅蔵さん)
          <合同公演>『寿曽我対面』 小林妹舞鶴
                『一條大蔵譚』 大蔵卿の黒衣後見

 9月 新橋演舞場 『勢獅子』 手古舞
          (7日夜の東京オペラシティコンサートホールでのチャリティー公演<話芸・和芸>では、梅丸の『雨の五郎』の着付後見をさせて頂きました。

10月 御園座   『一條大蔵譚』 腰元
          『助六由縁江戸櫻』 揚巻付き振袖新造(三)/香炉台の新造
          (途中、のど風邪のため声が出にくくなりました。改めて体調管理の大事さを思い知らされました)

11月 国立劇場  『日本振袖始』侍女あかざ
          『曾根崎心中』参詣の女

12月 国立劇場  『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』奥女中(一)


それぞれの舞台に、思い出があり、反省があり…。<普通に演じる>ことが、かえって難しい。意識をせずに、その世界にすっと入ってゆくこと…。
これからも、先輩方に教わりながら、一歩一歩、あせらずのんびりと進んでまいりたいと思います。

明くる2012年は、新橋演舞場と平成中村座との掛け持ちとなりました。2劇場に出演するのは初めてですので、勝手がよくわかりません。
不安もありますが、とにかく健康には気をつけてまいりたいと思います。

有難いことに、平成中村座での<試演会>(1月11日開催)に参加させて頂くこととなりました。稽古着による『寿曽我対面』(衣裳、鬘、化粧は無しです)で、大磯の虎を勉強させて頂きます。中村屋(勘三郎)さん、成駒屋(橋之助)さんはじめ、本興行の『対面』にご出演の皆様がご指導して下さるとのことで、新年早々の勉強会に、今からワクワクしております!

なにとぞ、来年も、歌舞伎をますますご愛顧下さいますよう、心よりお願い申し上げます。

今年1年、本当に有難うございました。





国立劇場12月公演は真山青果『元禄忠臣蔵』です

2011年12月04日 | 芝居
11月に引き続きまして、国立劇場に出演いたします。
当月は、真山青果作『元禄忠臣蔵』より、「江戸城の刃傷」「御浜御殿綱豊卿」「大石最後の一日」の3作を上演いたします。5年前の国立劇場公演では、3ヶ月をかけて全幕を上演いたしましたが、今回はその中から、とりわけての名場面をお届けいたします。

師匠梅玉は、「江戸城の刃傷」の浅野内匠頭と、初役となる「御浜御殿」の新井勘解由(白石)の2役をお勤めになります。内匠頭は、5年前も、そしてさよなら公演の歌舞伎座でも演じられておりますが、その度ごとに演出、段取りもかわっております。今回もまた、新たな演出となっておりますので、ご注目下さいませ。

私は、「御浜御殿」の奥女中(一)を勤めさせて頂きます。綱引きはございませんが、お浜遊びの楽しい一日の雰囲気が少しでも出ればと思っております。
いよいよ年の瀬となりました。インフルエンザはまだ流行してはいないようですが、皆様お体にはくれぐれもお気をつけられ、奮ってご見物下さいますようお願い申し上げます。

国立劇場11月公演は近松門左衛門特集です

2011年11月02日 | 芝居
名古屋御園座顔見世興行も無事終わりまして、11月は国立劇場に出演いたします。
10月から始まりました、開場45周年記念公演の第2弾となる当月は、近松門左衛門の作品2作を上演いたします。
大旦那、6世歌右衛門が復活いたしました『日本振袖始』と、山城屋(坂田藤十郎)さん屈指の当たり役『曾根崎心中』でございます。

神代の昔を描く壮大な物語から、スサノオノミコトの八岐大蛇退治を中心にまとめたのが、大旦那の『振袖始』でございますが、この度は発端として、八岐大蛇を退治するに至るきっかけや、タイトルにもある「振袖始」のいわれがわかる場面があらたに脚色されました。
師匠梅玉のスサノオノミコト、加賀屋(魁春)さんの岩長姫実は八岐大蛇、そして部屋子の梅丸が稲田姫という大役を勤めさせて頂きます。

『曾根崎心中』は、中学生の頃「お初上演1000回」の日に観劇できた思い出深い演目です。国立劇場大劇場での本公演では初の上演となるそうですが、神話の世界と心中もの、同じ作者による、全く異なるテーマの2作品の同時上演は、常とはまた違った趣きとなることと存じます。

この度私は、『日本振袖始』で<侍女あかざ>、『曾根崎心中』では<参詣の女>を勤めさせて頂きます。『振袖始』では、先ほども申し上げました、新たな場面へ出ますので、稽古ではいろいろ試行錯誤がございました。
『曾根崎心中』に出演させて頂きますのは、実に10年ぶりでございます。近松の古典ではございますが、お気づきの方もいらっしゃるかと存じますが、鬘は<アミ(網)>という、新派や新劇で使われるリアルなものなのです。いつもの歌舞伎世話物とはおのずと雰囲気が変わります。新鮮な気持ちでございます。

秋もいよいよ深まり、そろそろ風邪の心配をしなくてはならなくなってまいりました。皆様お体にはくれぐれもお気をつけられまして、劇場へ足をお運び下さいませ!


今年2回目の名古屋へ

2011年09月27日 | 芝居
新橋演舞場<秀山祭 九月大歌舞伎>も、目出度く千穐楽を迎えることができました。
『勢獅子』の<手古舞>を初めて勤めさせて頂き、先輩方の中で勉強させて頂きましたこと、有難く思っております。
出勤もややゆっくりめ、終わる時間も早かったので、お稽古や家事、友人、仲間との食事など、舞台外でも大変有意義な時間を過ごせました。
勉強会の疲れもうまく克服できました(昨年はひと月ヘロヘロでしたからね…)。

さて十月は、今年二回目の名古屋御園座<吉例顔見世>に出演いたします。
今月に引き続き『三代目中村又五郎 四代目中村歌昇 襲名披露』でございます。
師匠は昼の部『寿曽我対面』の曽我十郎と、夜の部『助六由縁江戸櫻』の白酒売りをお勤めになりますが、白酒売りは実は曽我十郎ですから、昼夜で同じ人物を演じるという、ちょいと珍しいこととなりました。もっとも、それぞれのキャラクターは全く異なりますが…。

私は、昼の部で、播磨屋(吉右衛門)さんの『一條大蔵譚』「檜垣」の場の<腰元>、夜の部では成田屋(團十郎)さんの『助六由縁江戸桜』の<揚巻付き振袖新造(三)>と<香炉台の新造>という三役を勤めさせて頂きます。
『助六』の幕切れ近く、香炉を運んでくる新造は初めてでございますが、ご承知の通り仕掛けがある小道具ですので、おっちょこちょいな私が取り扱ってよいのかしらと不安ではございますが、先輩方によく教わって勤めさせて頂きます。

十月は御園座の他にも、新橋演舞場、国立劇場、日生劇場、京都南座と、多くの劇場で歌舞伎が上演されます。
季節の変わり目でございますが、皆様体調にはくれぐれもお気をつけられ、<芸術の秋>をご堪能下さいますよう!

夏の終わり・そして秀山祭九月大歌舞伎

2011年09月01日 | 芝居
『音の会』『合同公演』『小学生のための歌舞伎体験教室』と、8月の舞台は瞬く間に過ぎ去りました。
今となっては遠い昔のようでございます。

常と違い、自分たちの手で運営してゆく勉強会。一昨年より、<より若手のための>公演となってから、なおさらその難しさ、厳しさが身に沁みております。

『音の会』の「菅原伝授手習鑑 車引」では、兄弟子の梅蔵さんの松王丸に、黒衣の後見をさせて頂きました。まさか生涯勤めることはないだろうと思っていた後見でした。ご承知の通り大仰な扮装でございますから、着付け作業ひとつとってみても、慣れていないだけに汗をかきかき大変でしたが勉強になりました。そしてなによりも、久しぶりにこのような公演に出演される、梅蔵さんのお手伝いができましたことが嬉しかったです。

『合同公演』では、「対面」の舞鶴役を勉強させて頂きましたが、古風なお芝居だけに、理屈も分別も無用の、おおらかで明るく元気なお役は、初めての体験でございました。ご指導いただきました加賀屋(魁春)さんから、とにかく<大きな声で>、<女ということを意識しすぎないで(普通でしたら小林朝比奈なわけですから)>とのお言葉を頂戴しましたが、これまで経験したことのない演技に挑戦できましたことは、難しくもありましたが、とても楽しゅうございました。
また、『一條大蔵卿』では、大蔵卿の後見も勤めることとなり、7年ぶりにぶっかえりもさせて頂きました。こちらは失敗したら主演の方に大きなご迷惑をかけてしまうので、かなり緊張しました。手慣れる、とまではいかなかったのが心残りですが、こちらもこのさき勤めることはないであろうお仕事、勉強できましたのは本当に有難いです。
お盆に重なった公演でございましたが、心配していたお客様の入りも、全8回のうち4回、完売となりまして、これはひとえに当公演をご支援下さる皆々様のお陰と、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

『小学生のための~』では、はじめて化粧担当としてお手伝いさせて頂きました。『対面』を4組で上演するので、総出演者は約70名。私は大名さんや親子梶原を中心に化粧をさせて頂きましたが、皆さんお行儀が良くてとってもやりやすかったです。といっても、へんに大人しいわけでもなく、そこは子供らしい元気さ明るさでいっぱいで、良いエネルギーを沢山もらうことができました。
小学生の皆さん、お疲れさまでした。

これらの合間に『稚魚の会友の会』のパーティーもございましたし、いやはや、よく体力が続いたもの。

           ◯

さて、これらの思い出はスッパリと胸の奥にしまい込んで、当月は新橋演舞場<秀山祭九月大歌舞伎>でございます。

目出度く賑々しく、『3代目中村又五郎 4代目中村歌昇 襲名披露』でございます! どうぞ新秋の演舞場でお芝居をご堪能頂きたく存じます。
師匠は昼の部の大喜利『勢獅子』の<鳶頭鶴吉>と、夜の部の序幕『沓手鳥弧城落月』の<大野修理亮治長>、『口上』にご出演です。
私は『勢獅子』の<手古舞>に出演させて頂いております。はじめての手古舞役ですが、あの独特な拵えをすることができるだけでも嬉しいのに、鳶の者との踊りもさせて頂けるのが、本当に有難いです! 


ついに始まります

2011年08月03日 | 芝居
8月に入りまして、いよいよ<勉強会の夏>本番でございます。

『第13回 音の会』『第17回 稚魚の会・歌舞伎会 合同公演』、そして音羽屋(松也)さんご主催の『第3回 挑む』と、めじろ押しでございます!
我々若手一同、誠心誠意、教わったことを大事にして、一所懸命に勤めてまいる所存でございます。

皆様の賑々しきご来場とご声援を、心よりお願い申し上げます!

『合同公演』あとひと月

2011年07月16日 | 芝居
気がつけば、<第17回『稚魚の会・歌舞伎会合同公演』>までひと月を切ってしまいました。
というか、来月の今日は会の千穐楽、もう終わってるんですね…。
29人(+第20期生の舞台実習もあるので、本当は39人か!)の大所帯ですが、心をひとつにして、誠心誠意舞台に挑みたいです。
<より若手のための>会となって3年目。運営の仕方も、皆で協力しながら、これも勉強。より重い責任をもったことで、良い意味での緊張感も生まれています。

初日が開けば、これまでの苦労は忘れて(教わったことは忘れちゃダメだけど)、大らかに、のびのびと…。
ひとときなりとも、暑さを忘れて楽しんで頂ければ嬉しいのですが。

         ◯

チケットはまだまだ販売中です!
やっぱり、お盆に重なっている日は売れ行きも厳しいみたいです。
お一人でも多くの方々にご覧頂きたいと思いますので、お盆に故郷に帰らない方、帰ることができない方…。
どうか国立劇場へ!

演舞場<七月大歌舞伎>です

2011年06月27日 | 芝居
昨26日、<博多座六月大歌舞伎>の千穐楽を無事に勤め上げ、帰京いたしました。
夜の序幕の『忠臣蔵 七段目』で仕事が終わっておりましたので、博多生活を満喫できました。美味しいもの、素敵なお店が、劇場から徒歩圏内に沢山たくさんありすぎて、財政難(?)になってしまいましたが、ひと月お世話になりました。有り難うございました。

早速、今晩から新橋演舞場<七月大歌舞伎>の稽古も始まりますが、それまでは勉強会の事務準備や、体のメンテナンスをしようと思っております。
<七月大歌舞伎>では、昼の部『勧進帳』で<義経の裃後見>、夜の部『江戸の夕映』で<女中>を勤めさせて頂きます。『江戸の夕映』は、初めて関わる芝居なので楽しみです。

『第17回 合同公演』は、一般前売りが始まって約2週間。売れ行き好調な回もあればそうでない回もあり…。お盆と重なっておりますので、なかなかご都合のつかないお客様も多いかと存じますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
15日(月)、16日(火)の公演を是非是非!

『合同公演』に先立ちましての『音の会』で、歌舞伎義太夫(竹本)さんの演し物として上演される『車引』に、兄弟子の梅蔵さんと弟弟子の梅秋が参加いたします。梅蔵さんは<舎人 松王丸>、梅秋は<金棒引 藤内>。梅蔵さんは久しぶりの勉強会参加。私は梅蔵さんの黒衣後見をさせて頂きますので、一門揃っての参加となりました。なかなかないことなのでとても嬉しく、楽しみでございます。
詳細はこちらからどうぞ。

早速真夏日も訪れましたが、これからますます暑い毎日が続くと思われます。
皆様熱中症、夏バテにはくれぐれもお気をつけ下さいませ。

第17回『合同公演』の前売りが始まります

2011年06月10日 | 芝居
震災による甚大な被害、原子力発電所事故による電力不足の懸念などもあり、開催の是非そのものから検討した『稚魚の会・歌舞伎会 合同公演』ですが、3月末に、独立行政法人<日本芸術文化振興会>より、「4月以降の主催公演は予定通り公演を行う」旨の発表があり、正式な主催公演である『合同公演』の開催が、劇場側から保証されたこと、そしてなにより、参加希望者一同の「勉強の場を続けてゆきたい」という強い意志により、本年度、第17回公演の開催が決定いたしました。

夏期の電力不足の問題に対しましては、開演時間をこれまでとは変えることで、電力消費ピーク時に、極力公演が重ならないよう配慮することで対応いたします。
詳しくは、国立劇場ホームページを御覧下さい。
私は、『寿曽我対面』の<小林妹舞鶴>を勉強させて頂きます。師匠をはじめ、加賀屋(魁春)さん、三河屋(團蔵)さんが監修・指導をして下さいます。大変有難く、嬉しく思っております。

11日からネットで、12日から窓口での前売りが始まります。
お盆の公演となりましたが、どうぞ皆様お誘い合わせの上、足をお運び下さいますよう、お願い申し上げます。