北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

ゴキブリだからね

2014-01-25 20:22:35 | 日記
北海道にはゴキブリがいない(多分)。
ゴキブリと呼ばれている小指の爪ほどもない小さな虫は存在するのだが、これをゴギブリだと教えられて育ったからには、私には これがゴキブリだった。

北海道を離れ、京都の小汚い学生寮に住むことになってすぐ、共同の台所で見たことも無い5cmほどの巨大な虫を発見。
これが捉えられないほどの高速で動き回る。

絶対に捕まえて飼ってやろうと追いかけまわしたのだが、トンボより速いスピードについていけず四苦八苦していたら、突然現れた先輩が雑誌でバシッと潰してしまった。
(あぁ、何とモッタイナイ) と思っていたら、これが本物のゴキブリだと教えられた。ギエ~~ッ

人間は不思議なもので、珍しい虫だと思っていたら欲しくてたまらなかったのに、ゴキブリだと知った途端、気持ち悪くて見るのも嫌になった。
黒光りして美しく見えていた羽が、ギラギラして脂っこく感じてしまう。

電話で母と話をしていて、このゴキブリのことが話題になった。
「5cmほどもあって スピードが速くて 飛ぶんだよ」と話すが母は信用しない。

「馬鹿だねぇ、それはセミと云うんだよ」と私を小バカにするのだ。

考えてみたら、私の故郷にはセミもいなかった。
でも、図鑑とかでセミぐらい知っているから、「絶対にセミではない」と抗議しても、あの小さな虫をゴキブリとして育った母には通用しない。

電話を切っても、このモヤモヤは消えず、(そうだ送ってやろう) と考えた私。

できるだけ潰さないように殺したヤツをテープで留めて 「これがゴキブリだ」
とマジックで書いて封筒へ。

「ギャ~~ッ」と悲鳴でもあげて、「ゴメン セミじゃないね」と云ってくれば私の勝なのだ。

が、数日して封筒が戻ってきた。
何と、切手を貼っていなかったのだ。
もう一度、投函する勇気はなく、そのままゴミ箱へ。

先日、嫌がらせでゴキブリを送りつけた女が逮捕されたニュースがあったが、あのTVを見ながら、(そう云えば……)と思い出したのがコレ。

私の場合は、嫌がらせではなく、事実を知らせたいためなので逮捕はされないだろうし、もう時効だ。

「母さん、セミじゃなくてゴキブリだからね」
母が生きていたら、もう一度 強く言いたいのだが……。