引き続き、昨14日に行った教員免許更新講習「土砂災害理解教育」のプログラムについて。
3限は、いわゆる「屋台方式」で、全体(8グループ)を4つに分け、
4つのブースを20分交代で回ってもらうプログラムとした。
A 土地利用の変遷を追おう
月曜日に国土地理院で謄本交付してもらった、広島市安佐南区の八木地区を含む「祇園」の、
過去から今日に至る諸々から5枚を選び、
いかにも「田舎」という場所が、新交通システムの導入によって劇的に変わった様などを確認してもらった。
地図を見ない限り、大規模な宅地造成後しか知らない者にとっては、
谷を埋めた場所がどこかもわからない。
まずは地図に慣れてもらうことから、という意味では、
旧版地図を読むと、いろいろなことがわかると思うのだ。
B 地名を確認しよう
54名の受講生のうち1名を除いた全員が静岡県内の人。
というので、静岡県内の何ヵ所かの旧版地図を用意して、
地名から災害リスクを読み解くというワークをしてもらった。
配布資料として、日経コンストラクション編『水害の世紀』の抜粋を用意した。
2004年のあの風水害が多発した年の直後にまとめられたものだが、
「旅の坊主」も何ヵ所かでコメントしており、DIGについても見開きで取り上げてもらっている。
「さんずい」のつく地名には注意を、とか、龍の字には注意を、とか、いろいろと言われている訳で、
水曜日に行った地震・津波防災DIGのコマで、東静岡駅近くの長沼という地名に言及したのだが、
この名前を発見して、何かを感じてくれた人もいた、と、あとでスタッフから聞いた。
C ミクロな視点で土砂災害の被害を確認しよう
マクロとミクロという言葉遣いは、うまく定義づけないと誤解を招きかねないが、
今回は1/25000図をマクロ、1/1000図をミクロとして、
(1/25000図程度をマクロと呼ぶのはいささか不本意ではあるが、他にうまい表現が見つからなかった)
2限で行ったマクロな被害理解に加えて、航空写真を元に1/1000図に被災状況を書き込むことで、
わずか数m~十数mの差が明暗を分けた様子を理解してもらった。
1/1000図となると家一軒一軒の輪郭もはっきりわかる訳で、それがどのような被害を受けたのか、
今回の土石流はどの程度の幅でどのような道筋で襲いかかってきたのか、
それらについて、相当リアルなイメージを持ってもらえたと思う。
D 段ボールジオラマ
屋台方式4つ目は、先日より話題となっている段ボールジオラマ。
本来であれば1/1000(出来上がり寸法は1m×1m)のものを4つ、田の字型に組み合わせるのがお勧め、とのことだが、
予算に限りもあることから、今回は、八木地区周辺の1/2000のもの一つ(1m×1m)作り、
「赤と青のテープを貼る(貼らせる)ことで谷筋と尾根筋を確認させる」
「ビーズを流して土石流のイメージを持たせる」
というプログラムを行った。
やはり、2Dよりも3Dのほうがわかりやすいようで、なかなか好評!
4限は、これらを受けての総括のコメントと、教員免許更新講習ゆえの必須である効果測定。
質問に答えながら、考えたことがあった。
「日本に安全な土地なんかないのではないか」という意見を良く聞く。
だが、津波の直撃や土石流の直撃には耐えようもないが、
そうでなければ、かなりの程度までは、建物の構造がカバーしてくれる。
正社員・正規職員としてのポストを確保出来れば、という条件は付くのだろうが、
十分な耐震性は確保できる品質のものが手の届く範囲で購入可能なまで、値段がこなれてきている。
2・6・2は、組織の人材についての議論だが、土地についても同じ話が言えるのではないだろうか。
つまり、(平な土地という意味で)可住範囲の中でも、質の悪い2割さえ避けることが出来れば、
あとは構造物如何だが、かなりの安全性は確保できるのではないだろうか。
個人的には、そのようなアイディアを得たことも、大きな収穫だった。
数字は確認する必要があるだろうが、大きな間違いはないように思う。
手伝ってくれたTさんをはじめとする皆さんと学生に、いつもの丸天だがいつもより奮発した夕食を、
ご接待させていただいた。
志高き仲間達と共に、大きな達成感と抱きつつの打ち上げは、これに勝るものはない。
これが、こういう仕事をしている者へのご褒美なのだろう、と思う。
手前味噌ではあるが、土砂災害教育について、これよりも上質のものは、まずあるまい。
それだけのことは出来た、と思っている。という訳で、問われるのは、この横展開!
打ち上げの場から、すでに話はその段階に入っていた。
そりゃそうだ。それこそが、我々のような者が果たすべき社会的責任!
自分で自分の首を絞めることになるのかも、と思いつつも、
でも、ここまでのプログラムが出来たからには、これを横展開させない手はない。
これもまたがんばらねば、である!
3限は、いわゆる「屋台方式」で、全体(8グループ)を4つに分け、
4つのブースを20分交代で回ってもらうプログラムとした。
A 土地利用の変遷を追おう
月曜日に国土地理院で謄本交付してもらった、広島市安佐南区の八木地区を含む「祇園」の、
過去から今日に至る諸々から5枚を選び、
いかにも「田舎」という場所が、新交通システムの導入によって劇的に変わった様などを確認してもらった。
地図を見ない限り、大規模な宅地造成後しか知らない者にとっては、
谷を埋めた場所がどこかもわからない。
まずは地図に慣れてもらうことから、という意味では、
旧版地図を読むと、いろいろなことがわかると思うのだ。
B 地名を確認しよう
54名の受講生のうち1名を除いた全員が静岡県内の人。
というので、静岡県内の何ヵ所かの旧版地図を用意して、
地名から災害リスクを読み解くというワークをしてもらった。
配布資料として、日経コンストラクション編『水害の世紀』の抜粋を用意した。
2004年のあの風水害が多発した年の直後にまとめられたものだが、
「旅の坊主」も何ヵ所かでコメントしており、DIGについても見開きで取り上げてもらっている。
「さんずい」のつく地名には注意を、とか、龍の字には注意を、とか、いろいろと言われている訳で、
水曜日に行った地震・津波防災DIGのコマで、東静岡駅近くの長沼という地名に言及したのだが、
この名前を発見して、何かを感じてくれた人もいた、と、あとでスタッフから聞いた。
C ミクロな視点で土砂災害の被害を確認しよう
マクロとミクロという言葉遣いは、うまく定義づけないと誤解を招きかねないが、
今回は1/25000図をマクロ、1/1000図をミクロとして、
(1/25000図程度をマクロと呼ぶのはいささか不本意ではあるが、他にうまい表現が見つからなかった)
2限で行ったマクロな被害理解に加えて、航空写真を元に1/1000図に被災状況を書き込むことで、
わずか数m~十数mの差が明暗を分けた様子を理解してもらった。
1/1000図となると家一軒一軒の輪郭もはっきりわかる訳で、それがどのような被害を受けたのか、
今回の土石流はどの程度の幅でどのような道筋で襲いかかってきたのか、
それらについて、相当リアルなイメージを持ってもらえたと思う。
D 段ボールジオラマ
屋台方式4つ目は、先日より話題となっている段ボールジオラマ。
本来であれば1/1000(出来上がり寸法は1m×1m)のものを4つ、田の字型に組み合わせるのがお勧め、とのことだが、
予算に限りもあることから、今回は、八木地区周辺の1/2000のもの一つ(1m×1m)作り、
「赤と青のテープを貼る(貼らせる)ことで谷筋と尾根筋を確認させる」
「ビーズを流して土石流のイメージを持たせる」
というプログラムを行った。
やはり、2Dよりも3Dのほうがわかりやすいようで、なかなか好評!
4限は、これらを受けての総括のコメントと、教員免許更新講習ゆえの必須である効果測定。
質問に答えながら、考えたことがあった。
「日本に安全な土地なんかないのではないか」という意見を良く聞く。
だが、津波の直撃や土石流の直撃には耐えようもないが、
そうでなければ、かなりの程度までは、建物の構造がカバーしてくれる。
正社員・正規職員としてのポストを確保出来れば、という条件は付くのだろうが、
十分な耐震性は確保できる品質のものが手の届く範囲で購入可能なまで、値段がこなれてきている。
2・6・2は、組織の人材についての議論だが、土地についても同じ話が言えるのではないだろうか。
つまり、(平な土地という意味で)可住範囲の中でも、質の悪い2割さえ避けることが出来れば、
あとは構造物如何だが、かなりの安全性は確保できるのではないだろうか。
個人的には、そのようなアイディアを得たことも、大きな収穫だった。
数字は確認する必要があるだろうが、大きな間違いはないように思う。
手伝ってくれたTさんをはじめとする皆さんと学生に、いつもの丸天だがいつもより奮発した夕食を、
ご接待させていただいた。
志高き仲間達と共に、大きな達成感と抱きつつの打ち上げは、これに勝るものはない。
これが、こういう仕事をしている者へのご褒美なのだろう、と思う。
手前味噌ではあるが、土砂災害教育について、これよりも上質のものは、まずあるまい。
それだけのことは出来た、と思っている。という訳で、問われるのは、この横展開!
打ち上げの場から、すでに話はその段階に入っていた。
そりゃそうだ。それこそが、我々のような者が果たすべき社会的責任!
自分で自分の首を絞めることになるのかも、と思いつつも、
でも、ここまでのプログラムが出来たからには、これを横展開させない手はない。
これもまたがんばらねば、である!
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