「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

入学前準備段階教育

2015-01-25 22:46:46 | 防災教育
日曜の午前中、学園内高校からの推薦入試&AO入試の合格者を対象とする、
つまりは学科試験を受けていない入学予定者向けに、
「ガツン!」とやるプログラム。

ゼミ生2名が手伝ってくれた。

右も左もわからない(であろう)高校3年生に、
「君たちは不幸な時代に生まれてしまった」と言っても、
ピン!と来る入学予定者がそういる訳でないことは、百も承知。
それでも、このようなメッセージを発しつづけなければならない時代に、
今の中高生大学生は生を得てしまった。

生まれる時代、生まれる場所を選べないのは、百も承知。
でも、先に生まれた者としては、
「不幸な時代であってもたくましく生き抜く術」を持ってもらいたい、
と切に願っている。

それにしても……。
A4×4枚、約5千字を読むのにどれくらい時間がかかってしまうのか……。

書く力は言うに及ばず、読む力さえ「おいおい……」の高校3年生。
ただ、現時点で力がないことを恥に思う必要はない。
社会人に出るための最初の関門まで、約3年の時間がある。

今日の受講生17名が、30代後半ないし40代前半になった頃、
確実に襲いかかってくる巨大災害。
その時、家族を持った「大黒柱」が失業してしまうようでは困る。

どのようなテーマであれ、60分で800文字、90分で1200文字の、
小論文を書けないようであれば、誰とでも「交換」できるような仕事しか与えられないだろう。

これから先、格差社会はますますひどくなる。少子化高齢化は当然のこと。
2025年には、団塊の世代が後期高齢者となるが、
それを支える若い世代のたくましさについては、どう考えても疑問符しかない。

「ガツン!」とやって、それなりの反応をしてくれたもあったが、
残念ながら「この人、何を言っているの?」という顔をしている者もいる。
まぁ、全員が全員、ピン!と来ることは期待すべくもなく、
そういう者がいて当然だろう、とは思っているが……。

まぁ、刺激を与え続けるのが、先に生まれた者の役割。
教育者の端くれとしては、歩留まりという言葉を言ってはならないが、
一人でも二人でも「モノを考える者」を社会に送り出すことが出来れば、
役割を果たせた、ということになるのだろう。

受講生諸君には、A4×1枚(400字詰め原稿用紙3枚)のレポートを課した。
さて、どのような反応が返ってくるのか、楽しみである。


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