淮南王黥布、見帝殺韓信、醢彭越以同功一體之人、自疑禍及、遂反。帝自將撃之。
十二年、帝破布還、過魯、以太牢祠孔子。過沛置酒、召宗室・故人飮。酒酣上自歌曰、
大風起雲飛揚。
威加海内兮歸故郷。
安得猛士兮守四方。
令沛中子弟習歌之、以沛爲湯沐邑。
淮南王黥布(げいふ)、帝の韓信を殺し、彭越(ほうえつ)を醢(かい)にせしを見て同功一体の人なるを以って、自ら禍の及ばんことを疑い、遂に反す。帝自ら将として之を撃つ。
十二年、帝、布を破って還り、魯に過(よぎ)り、太牢(たいろう)を以って孔子を祠(まつ)る。沛(はい)に過って置酒し、宗室・故人を召して飲す。酒酣(たけなわ)にして上(しょう)自ら歌って曰く、
大風起って雲飛揚(ひよう)す。
威、海内に加わって故郷に帰る。
安(いず)くにか猛士を得て四方を守らしめん、と。
沛中の子弟をして之を習い歌わしめ、沛を以って湯沐(とうもく)の邑(ゆう)と為す。
淮南王黥布は帝が韓信を殺し、彭越を塩漬け肉にしたのを見て、功績も、立場も同じなので、自分にも同じ禍が及ぶであろうと自分で怯えてしまって、謀反を起こした。高祖は自ら兵を率いて討伐した。
十二年、高祖は黥布を滅ぼして帰り、魯に立ち寄って太牢(牛羊豚)を供えて孔子を祀った。さらに故郷の沛に立ち寄って酒宴を開き、一族、旧知を召して共に飲んだ。宴たけなわのころ、高祖は自ら立って歌った。
かくて沛の子弟にこの歌を習い歌わせ、沛を帝室の御料地とした。
過(よぎ)り 途中寄り道をして訪れること わが国にも伊藤東涯の詩に「藤樹書院によぎる」がある。
太牢 たいそう立派なご馳走。
十二年、帝破布還、過魯、以太牢祠孔子。過沛置酒、召宗室・故人飮。酒酣上自歌曰、
大風起雲飛揚。
威加海内兮歸故郷。
安得猛士兮守四方。
令沛中子弟習歌之、以沛爲湯沐邑。
淮南王黥布(げいふ)、帝の韓信を殺し、彭越(ほうえつ)を醢(かい)にせしを見て同功一体の人なるを以って、自ら禍の及ばんことを疑い、遂に反す。帝自ら将として之を撃つ。
十二年、帝、布を破って還り、魯に過(よぎ)り、太牢(たいろう)を以って孔子を祠(まつ)る。沛(はい)に過って置酒し、宗室・故人を召して飲す。酒酣(たけなわ)にして上(しょう)自ら歌って曰く、
大風起って雲飛揚(ひよう)す。
威、海内に加わって故郷に帰る。
安(いず)くにか猛士を得て四方を守らしめん、と。
沛中の子弟をして之を習い歌わしめ、沛を以って湯沐(とうもく)の邑(ゆう)と為す。
淮南王黥布は帝が韓信を殺し、彭越を塩漬け肉にしたのを見て、功績も、立場も同じなので、自分にも同じ禍が及ぶであろうと自分で怯えてしまって、謀反を起こした。高祖は自ら兵を率いて討伐した。
十二年、高祖は黥布を滅ぼして帰り、魯に立ち寄って太牢(牛羊豚)を供えて孔子を祀った。さらに故郷の沛に立ち寄って酒宴を開き、一族、旧知を召して共に飲んだ。宴たけなわのころ、高祖は自ら立って歌った。
かくて沛の子弟にこの歌を習い歌わせ、沛を帝室の御料地とした。
過(よぎ)り 途中寄り道をして訪れること わが国にも伊藤東涯の詩に「藤樹書院によぎる」がある。
太牢 たいそう立派なご馳走。