上用大行王恢議、遣恢等、將兵匿馬邑旁谷中、陰使聶壹誘匈奴、入塞而撃之。單于覺而去。自是絶和親、攻當路塞。
唐蒙上書、請通南夷。拝蒙中郎將、將千人入夜郎。夜郎侯聽約。以爲犍爲郡。
又拝司馬相如爲中郎將、通西夷、卭・筰・冉・駹置郡縣、西至沫若水、南至牂牁爲徼。
上、大行王恢(おうかい)が議を用い、恢等を遣わし、兵を将(ひき)いて馬邑(ばゆう)の旁(かたわら)の谷中(こくちゅう)に匿(かく)れ、陰(ひそ)かに聶壹(じょういつ)をして匈奴を誘(いざな)い、塞(さい)に入れて之を撃(う)たしむ。単于(ぜんう)覚(さと)って去る。是より和親を絶ち、当路の塞を攻む。
唐蒙上書して南夷に通ぜんことを請う。蒙を中郎將に拝し、千人を将(ひき)い夜郎(やろう)に入らしむ。夜郎侯、約を聴く。以って犍爲郡(けんいぐん)と為す。
又司馬相如(しばしょうじょ)を拝して中郎将と為し、西夷に通ぜしめ、卭(こう)・筰(さく)・冉(ぜん)・駹(ぼう)に郡県を置き、西は沫若水(まつじゃくすい)に至り、南は牂牁(しょうか)に至り、徼(きょう)を為(つく)る。
武帝は大行の王恢の進言を取り上げ、王恢等を派遣し、兵を率いて馬邑郡附近の山中に潜ませ、ひそかに聶壹という者に匈奴を塞に誘い込ませて、これを撃とうとした。ところが匈奴はそれと気づいて塞外に逃れ去った。以後、匈奴は漢との和睦を絶ち、要路にあたる漢の塞を攻撃した。
唐蒙が書を奉って南の蛮族を帰服させたいと願い出た。武帝は唐蒙を中郎將に任命して、兵士千人を率いて夜郎国に攻め入らせた。夜郎王は、漢に服従する盟約を受け入れた。そこで夜郎国を犍爲郡とした。
また、司馬相如を中郎将に任命して、西の蛮族を帰服させ、卭・筰・冉・駹に郡県にして、西は沫水・若水まで、南は牂牁郡に至るまでを版図に収め、砦を築いて国境とした。
大行 接待官。 中郎將 宮殿警備をつかさどった官の長。 夜郎 南西部の異民族、→夜郎自大(やろうじだい)。 司馬相如 詩賦文学の大成者。 卭・筰 西方蛮族の国名。 冉・駹 四川省にあった族の名。 徼 国境(特に西南部)のとりで。
唐蒙上書、請通南夷。拝蒙中郎將、將千人入夜郎。夜郎侯聽約。以爲犍爲郡。
又拝司馬相如爲中郎將、通西夷、卭・筰・冉・駹置郡縣、西至沫若水、南至牂牁爲徼。
上、大行王恢(おうかい)が議を用い、恢等を遣わし、兵を将(ひき)いて馬邑(ばゆう)の旁(かたわら)の谷中(こくちゅう)に匿(かく)れ、陰(ひそ)かに聶壹(じょういつ)をして匈奴を誘(いざな)い、塞(さい)に入れて之を撃(う)たしむ。単于(ぜんう)覚(さと)って去る。是より和親を絶ち、当路の塞を攻む。
唐蒙上書して南夷に通ぜんことを請う。蒙を中郎將に拝し、千人を将(ひき)い夜郎(やろう)に入らしむ。夜郎侯、約を聴く。以って犍爲郡(けんいぐん)と為す。
又司馬相如(しばしょうじょ)を拝して中郎将と為し、西夷に通ぜしめ、卭(こう)・筰(さく)・冉(ぜん)・駹(ぼう)に郡県を置き、西は沫若水(まつじゃくすい)に至り、南は牂牁(しょうか)に至り、徼(きょう)を為(つく)る。
武帝は大行の王恢の進言を取り上げ、王恢等を派遣し、兵を率いて馬邑郡附近の山中に潜ませ、ひそかに聶壹という者に匈奴を塞に誘い込ませて、これを撃とうとした。ところが匈奴はそれと気づいて塞外に逃れ去った。以後、匈奴は漢との和睦を絶ち、要路にあたる漢の塞を攻撃した。
唐蒙が書を奉って南の蛮族を帰服させたいと願い出た。武帝は唐蒙を中郎將に任命して、兵士千人を率いて夜郎国に攻め入らせた。夜郎王は、漢に服従する盟約を受け入れた。そこで夜郎国を犍爲郡とした。
また、司馬相如を中郎将に任命して、西の蛮族を帰服させ、卭・筰・冉・駹に郡県にして、西は沫水・若水まで、南は牂牁郡に至るまでを版図に収め、砦を築いて国境とした。
大行 接待官。 中郎將 宮殿警備をつかさどった官の長。 夜郎 南西部の異民族、→夜郎自大(やろうじだい)。 司馬相如 詩賦文学の大成者。 卭・筰 西方蛮族の国名。 冉・駹 四川省にあった族の名。 徼 国境(特に西南部)のとりで。