10月27日、1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(87)のやり直しの裁判(再審)が静岡地裁で始まった。
死刑事件で再審裁判が開かれるのは、静岡県島田市で女児が誘拐、殺害された「島田事件」(87年10月初公判)以来、36年ぶり。
袴田さんが無罪となる公算が大きいが、静岡地検は袴田さんが犯人だとして有罪立証を進める。
先に袴田さんは出廷免除が認められ、代わりに姉の(90)が被告側の席に座った
検察官は、袴田さんに対する起訴状を淡々と朗読した。被告席の秀子さんは弟の事件後57年間の労苦を語ったが後「巌に代わって無実を主張します。巌に真の自由を与えてもらえるようお願いします」とはっきりとした口調で述べた。
再審は、確定審の旧証拠と、再審請求審で明らかになった新証拠を総合評価して有罪か無罪かを改めて決める。再審請求審に続き、有罪の最大の根拠とされた犯行時の着衣とされる「5点の衣類」が、袴田さんのものと言えるのかが最大の争点となる見通しだ。
弁護側は、再審開始決定が「無罪を言い渡すべき新証拠」と認めた、血痕のみそ漬け実験結果を無罪主張の柱に据える。
弁護側は、捜査機関が証拠を捏造したと主張。検察側はそれを否定し、確定判決は揺るがないとの立場を押し通すようだ。
しかし、再審開始決定が物語るように、検察がそれを覆す可能性は少なく、袴田さんの無罪確定は疑いの余地はない。
ただ、袴田さんは、心神喪失状態に置かれ、無罪決定を認識できるか否か難しいものと見られている。死刑囚として拘束された47年間がいかに過酷な状態だったのか思い諮られる。「関連:7月11日」
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