参議院選挙は自民党の歴史的惨敗に終わった。安倍晋三首相が就任以来、初めての国政選挙で国民は厳しくノーを突きつけた。
しかし、安倍首相は辞任する意思がなく続投を宣言、自民党はこれを容認、公明党も同意した。
安倍首相は続投の目的に、総理就任時に目指したわが国の国づくりに全力を投入し、国民の信任を取り戻したいと述べた。
また、自民党、公明党は、安倍首相の続投を認めた理由として、今度の選挙の敗因は、消えた年金、事務所費問題など閣僚の不祥事、不謹慎発言などマイナス要因が重なったためで、安倍首相の政策が否定されたわけではないことを言明した。
安倍首相もそのような認識に立って続投を表明したのだろうが、この安倍首相、自民、公明両党の認識は、今回の選挙で国民がノーを突きつけた意思と全く相容れないものである。
国民はもちろん、年金問題や政治資金問題等で安倍首相や自民、公明両党を否定したことは間違いないが、それ以前に、もっと根本的な問題で安倍政権を拒絶したのではなかろうか。
つまり、国民多数は、安倍首相がしきりに主張する戦後レジームからの脱出を中心とする、性急な憲法改正、教育制度改革などの基本方針が、戦前回帰を目指すような危険性を孕んでいることを肌で感じているからではなかろうか。
さらに、彼自身が自慢するように、たった9ヶ月の間に重要法案を次々に成立させた強引な国会運営、仲間同士で、問題閣僚を選んだご都合主義と人を見る眼の無さ、自身の保身のため、これらの問題閣僚をかばい続けた節操のなさなど、彼の総理として資質の欠如を国民はとうに見抜いているからでもある。
安倍氏の感覚の鈍さを表徴する言動として、彼はよく「私の内閣」という表現をする。安倍首相からすれば全くてらいもなく使っている言葉だろうが、国民は、この表現から、内閣を私物化して、ある種のおごりを感じているのではなかろうか。彼にはそれを見通すだけの感覚が備わっていない。
今度の選挙で安倍首相は、「総理大臣に相応しいのは小沢氏か私かを選択する選挙だ」と言い続けてきた。こんな言い方は、余ほどの自信がないと言えない言葉だ。ところが、選挙前から自民党の劣勢が伝えられていたのに、自身が追い詰められるような言動を発するところにも彼の感性の無さが伺われる。案の定、この発言が安倍首相続投を批判する決め手として使われている。
公明党も今回9議席に終わった。インタビューで公明党幹部が、しきりに創価学会員の活動に謝意を表していた。正に公明党と創価学会との関係でとりざたされる「政教分離」が絵空事であることが公明党幹部自身の口から立証された。
今回の参議院選挙で、民主党が参議院第1党となり議長も手に入れた。衆議院は、小泉純一前首相が郵政民営化で取った三分の二を越す大勢力を保持している。正に衆参ねじれ現象の中で、居座ったとしても安倍首相の政権運営は困難を極めよう。
民主党の次の目標は、衆議院で多数を取り、夢物語であった政権交代を実現することだろう。
しかし、安倍首相は辞任する意思がなく続投を宣言、自民党はこれを容認、公明党も同意した。
安倍首相は続投の目的に、総理就任時に目指したわが国の国づくりに全力を投入し、国民の信任を取り戻したいと述べた。
また、自民党、公明党は、安倍首相の続投を認めた理由として、今度の選挙の敗因は、消えた年金、事務所費問題など閣僚の不祥事、不謹慎発言などマイナス要因が重なったためで、安倍首相の政策が否定されたわけではないことを言明した。
安倍首相もそのような認識に立って続投を表明したのだろうが、この安倍首相、自民、公明両党の認識は、今回の選挙で国民がノーを突きつけた意思と全く相容れないものである。
国民はもちろん、年金問題や政治資金問題等で安倍首相や自民、公明両党を否定したことは間違いないが、それ以前に、もっと根本的な問題で安倍政権を拒絶したのではなかろうか。
つまり、国民多数は、安倍首相がしきりに主張する戦後レジームからの脱出を中心とする、性急な憲法改正、教育制度改革などの基本方針が、戦前回帰を目指すような危険性を孕んでいることを肌で感じているからではなかろうか。
さらに、彼自身が自慢するように、たった9ヶ月の間に重要法案を次々に成立させた強引な国会運営、仲間同士で、問題閣僚を選んだご都合主義と人を見る眼の無さ、自身の保身のため、これらの問題閣僚をかばい続けた節操のなさなど、彼の総理として資質の欠如を国民はとうに見抜いているからでもある。
安倍氏の感覚の鈍さを表徴する言動として、彼はよく「私の内閣」という表現をする。安倍首相からすれば全くてらいもなく使っている言葉だろうが、国民は、この表現から、内閣を私物化して、ある種のおごりを感じているのではなかろうか。彼にはそれを見通すだけの感覚が備わっていない。
今度の選挙で安倍首相は、「総理大臣に相応しいのは小沢氏か私かを選択する選挙だ」と言い続けてきた。こんな言い方は、余ほどの自信がないと言えない言葉だ。ところが、選挙前から自民党の劣勢が伝えられていたのに、自身が追い詰められるような言動を発するところにも彼の感性の無さが伺われる。案の定、この発言が安倍首相続投を批判する決め手として使われている。
公明党も今回9議席に終わった。インタビューで公明党幹部が、しきりに創価学会員の活動に謝意を表していた。正に公明党と創価学会との関係でとりざたされる「政教分離」が絵空事であることが公明党幹部自身の口から立証された。
今回の参議院選挙で、民主党が参議院第1党となり議長も手に入れた。衆議院は、小泉純一前首相が郵政民営化で取った三分の二を越す大勢力を保持している。正に衆参ねじれ現象の中で、居座ったとしても安倍首相の政権運営は困難を極めよう。
民主党の次の目標は、衆議院で多数を取り、夢物語であった政権交代を実現することだろう。