正さん日記

世の中思いにつれて

3連戦すべてが延長12回引き分け=ソフトB、西武戦

2008-08-31 22:08:06 | スポーツ
 一昨日から今日までのソフトバンク、西武3連戦は、テレビで見ているほうも時間の無駄使いをした感じがして疲れが残った。
 したがって、実際戦った両チームの選手、監督はなおさらのことだったろう。いや、西武はそうではなく、爽快な気分になっていたかもしれない。それに比べてソフトバンクは虚無感を背負って、明後日からの日ハム戦を控え北海道へ向かったのではなかろうか。特にソフトバンク王貞治監督は、疲れが極限に達したように見受けられ気の毒だった。
 
 パシフィックリーグのシーズン優勝は、西武がソフトバンクに8ゲーム差をつけてほとんど確実になっている。しかし、クライマックスシリーズに出られる権利の持てる残りの2位、3位には、一応、現在最下位の楽天を除けば4チームが3.5差でひしめき合い、どのチームにもチャンスがある。
 取り分け、オリックスは、大石大二郎監督になって急上昇、3位以内が射程距離に入ってきた。
 
 とこれがソフトバンク、西武3連戦前の状況だった。したがってソフトバンクはこの3連戦を全部勝って、西武との差を5ゲーム差に縮め、最後まで優勝を諦めないなかで、3位以内確保が最低条件だった。
 結論からいうと、この3連戦総て12回引き分け。プロ野球史上初めての結果になった。したがって西武との差は変わらない上に、西武は、優勝までのマジックナンバーを19勝に減らすことができた。
 そうして、遂にオリックスが日ハムを抜いて3位に浮上、2位ソフトバンクに1ゲーム差に迫った。5位ロッテもソフトバンクに2.5ゲーム差に迫るなど、正にパリーグは風雲急を告げている。
 
 この3連戦の1戦目は4-4、試合時間5時間2分、昨日の試合は2-2、試合時間4時間1分、そうして今日の3試合目は0-0の両チーム無得点で4時間29分掛けての引き分け試合だった。この3連戦は、両チームとも先発がよく抑え、後続の投手もみなよく踏ん張った。
 ひいき目で言うわけではないが、ソフトバンクの方が、いくらでも勝越しできるチャンスがあったが、ことごとくチャンスをつぶした。3番松中、4番小久保に何回となくチャンスが回ってきたが、ほとんど凡退しチャンスを生かせなかった。
 特にひどかったのが小久保で、今日の試合でも3回満塁のチャンスに総て凡退した。小久保はこの西武3連戦だけでなく、今までも多くの試合でチャンスに打てず、その結果、敗戦に結び付き、ソフトバンク低迷の原因を作っている。
 ソフトバンク、西武3連戦のテレビ観戦時間を合計すると、約13時間半となる。ソフトバンクにとっては負けに等しい全部が引き分け試合では、無駄な時間を過ごした感じが残った。

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定額減税だけでなく、個人所得税全般の減税が必要

2008-08-30 11:17:20 | 政治
 29日政府・与党が決めた総合経済対策の骨子は、①輸入麦の政府売り渡し価格の引き上げ幅圧縮 、②高速道路料金の引き下げ。首都高速・阪神高速の対距離料金制度の導入延期 、③所得税、個人住民税の特別減税(定額減税) 、④学校給食費の値上げに伴う保護者負担軽減、⑤ 住宅ローン減税の延長・拡充 、⑤公立小中学校約1万棟の耐震化事業を加速 、⑥中小・零細企業の資金繰り支援で新たな保証制度を導入などで、事業規模は11兆5千億円、このうち国費1兆8千億円を、9月12日召集の臨時国会に提出する08年度補正予算案に盛り込む。

 公明党が強く求めた所得税と個人住民税の定額減税は、単年度限りとして08年度内の実施を明記した。
 定額減税の規模や実施方式は年末の税制改革論議の際に決める。来年1月召集の通常国会冒頭に減税関連法案と第2次補正予算案を提出し、成立させたい考えだ。 兆円単位とみられる定額減税の財源確保には赤字国債発行の可能性があり、小泉内閣以降、財政再建路線を堅持してきた自公政権は大きな転換点を迎えたという。
 
 自民党内で慎重論が強かった定額減税については、公明党に大きく譲歩して、「家計への緊急支援」として実施を盛り込んだ。同じく単年度の措置として、年金受給者に対して臨時福祉特別給付金を支給する。
 公明党が強硬に押し込んだ定額減税については、選挙目当てが見え見えで、マスコミもバラマキ政策という表現を使い批判的である。
 確かに公明党の意図は、年末年始を目途に実施を要求している総選挙や、来年春に行われる都議会議員選挙向けであることは明白だが、そんなことは別に、定額減税の必要性はあるのではないか。
 
 小泉純一郎政権は、財政再建を錦の御旗にして個人所得税の増税を行った。加えて、医療制度など社会保障予算の圧縮や、年金の先行き不安、非正社員の急増等雇用不安などによって消費者の購買意欲を削いだ。この間、景気上昇期が続いたと言っても、消費構造は停滞したままになっている。
 その裏付けとして、ここ数年は、法人所得が上昇している中で、個人の可処分所得は減りっぱなしの状態だ。
 
 所得税の確定申告書の内容を見ても、3年前にあった老人控除、配偶者特別控除、定率減税額は項目欄から消えている。
 今回取り入れようとしている定額減税は、直近では橋本龍太郎内閣時に行ったことがある。これとは別に小渕恵三内閣で行った定率減税は、創設時は恒久減税と謳われ、最高で25万円の税金が戻された。
 このように考えると、本来定額減税ではなく、恒久減税と言われた定率減税を復活すべきではないか。労働者が支援すると言われる民主党が、何故、いち早くこのような所得税減税を打ち出せないのか。はなはだまどろっこしい。
 
 財政再建を隠れ蓑に、赤字の尻拭いを国民に押し付けているが、道路特定財源の一般財源化を図るまでもなく、11.5兆円という緊急経済対策の財源確保は、歳費の徹底的な見直しや、埋蔵金などを洗いなおせば、幾らでも確保できるのではないか。与党が、日ごろ厳しく叩いている官僚のやりたい放題になっている中で、野党はもっと勉強することが必要だ。

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先が見えないロシア、グルジア紛争

2008-08-29 17:53:16 | 世界
 ロシア、グルジアの対決が、米大統領選や、中東情勢に関連するような報道が飛び交っている。
 1つは、ロシアのプーチン首相が米CNNの単独インタビューで、米政府の誰かがグルジアをそそのかし、南オセチアを攻撃させ、ロシアの介入を呼び込んだと語った。プーチン首相は、これにより、外交に経験豊かとされる共和党マケイン候補と、未経験者の民主党オバマ候補を比較させ、マケイン候補の強みをアピールさせ、選挙戦を優位に持ち込もうと画策を図ったと言う。
 これに対し、ホワイトハウスのペリーノ報道官は即座に否定したが、この見方は関係筋で早くから出ていたので、火のない所に煙が立たない類かも知れない。
 
 また、グリジアへイスラエルが兵器を送ったという観測から、これに反発したロシアが、イスラエルと対峙するシリアに武器を送ったため、こんどはシリアとイスラエルの間に不穏な空気が流れているとのことである。
 現在、黒海でアメリカ艦隊とロシア艦隊がにらみ合っているようだが、ロシア、グリジア紛争は、完全に米ロの対立になっている。
 
 しかも、当のロシアをはじめ中国など、国内に民族独立を求める地域を抱えている多数の国にとって、ロシアがグルジアの南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認したことは、今後に大きな影響を残したことになる。
 さらに、グルジアを始め、独立国家共同体(CIS)から離脱し、北大西洋条約機構(NTO)入りの国家が、今後どれだけ出るかも関心事になる。
 欧州主要国も一様にロシアへの批判を叫んでいるが、これらの中でロシアから石油などの資源を入れている国の戸惑いは隠せない。
 
 ロシアのメドベージェフ大統領も強気の発言を躊躇していないが、世界が同時不況に陥っているといわれる中で、冷戦への回帰は何ら得るものはなかろう。
 まさか、米ロで危機状態を作って、戦時特需による景気浮揚をを考えている分けではないだろう。
 ロシア、グルジア紛争は、当然アメリカ大統領選挙でも大きな論議となろうが、イスラエルとパレスチナに和平の空気が濃くなっている中で、シリアとイスラエルの対決が強まることは何としても避けなければならない。
 米ロという 東西の両親分が対峙しているこの問題で、国連の困惑ぶりが際立っている。「関連:8月20日

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オバマ候補を正式指名=米民主党大会

2008-08-28 17:06:52 | 世界
 コロラド州デンバーで行われているアメリカ民主党全国大会で、27日午後(日本時間28日午前)、4千人以上の代議員による指名投票を行い、バラク・オバマ上院議員(47)が正式に大統領候補に指名された。アフリカ系(黒人)の候補指名は、民主、共和両党を通じて米史上初めてだ。
 
 候補指名争いに敗れたヒラリー・クリントン上院議員(60)も投票の対象となり、各州・自治領などの代議員団がアルファベット順に投票結果を発表した。途中、クリントン氏が地元ニューヨーク州の代議員の投票の際に登場し、「バラク・オバマが私たちの候補者であり、彼が私たちの大統領になるだろう」と発言、投票の中断を求め、その段階で満場一致でオバマ氏が選ばれた。
 また副大統領候補にはジョセフ・バイデン上院議員(65)が選ばれ、指名受諾演説を行った。バイデン氏は、共和党の候補者になるジョン・マケイン上院議員(71)を念頭に、「従順な軍人よりも、変化をもたらす賢明なリーダーが必要だ。オバマ氏は変化をもたらす」と強調した。
 民主党は「オバマ・バイデン」のコンビで初の黒人大統領誕生を目指し、8年ぶりの政権奪還を狙う。
 
 オバマ氏はバイデン氏の演説後、党大会の会場に初めて姿を見せ、正副大統領候補がそろって壇上に立った。28日には7万人以上を収容するフットボール競技場で指名受諾演説に臨み、いよいよ11月4日の本選で共和党候補に内定しているマケイン上院議員と対決する。 
 
 ただ、ここまで順調に駒を進めてきたオバマ氏にとっては、これから乗り越えなければならない山はけっこう高いようだ。
 先ず政策面では、イラクから16ヶ月後の撤退、アフガンへの増派、イラン政策の見直しなどを訴えているが、すんなりこれが受け入れられるか。またここ来て、ロシア、グルジア紛争も勃発、外交は初心者と思われている彼には、外交プロのハイデン氏の力を借りて適切な方向性を打ち出せるかが課題だ。外交になると経験豊かなマケイン氏は強みを見せている。
 
 一方、民主党内の一致協力ができるのか。長い指名争いで、ヒラリー氏との軋轢が重なり、これを解消することは容易ではない。特に、ヒラリー氏側は、黒人候補としてのオバマ氏に拒絶反応を示している層があると言われ、オバマ氏のイラン政策でも距離感があるようだ。したがって、この中から共和党のマケイン氏へ投票するか、棄権に回る選挙民は当然出るだろう。
 
 ただヒラリー氏は、もしオバマ氏が敗れた場合、オバマ氏への協力に手をこまねいたためと批判されることを恐れ、次期を狙うためにも、ここは民主党内に懸命な努力ぶりを見せなければならず、その意味では本気でオバマ氏を後押ししているようだ。
 直近の調査では、マケイン氏の47%に対し、オバマ氏44%とマケイン氏がややリードしている。アメリカ史上初めての黒人大統領が誕生するか、その結果が出るのはあと70日弱となった。「関連:6月5日
{写真:米コロラド州デンバーで開かれた民主党全国大会で27日、聴衆の声援に応える同党大統領候補のオバマ氏(右)と副大統領候補のバイデン氏(左)=ロイター}

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やりきれない伊藤さん殺害の目的

2008-08-28 15:51:11 | 世界
 昨日、アフガニスタンで非政府組織(NGO)ペシャワール会の伊藤和也さん(31)が拉致され、家族など関係者の願いもむなしく遺体で発見された事件で、伊藤さんは拉致された数時間後には銃撃で死亡していたとの見方が、犯行への関与を認めた反政府武装勢力タリバンの証言などから強まっている。
 
 殺害した理由は、伊藤さんを拉致したと思われるタリバンのグループが、人質を連行中、拉致の通報を受けて捜索に乗り出していた治安部隊と遭遇し、銃撃戦となり、「足手まといになった」ため射殺したと説明している。これが本当なら、伊藤さんを救助するのが最大の目的であったはずの治安部隊が、あまりにも軽率に行動したのではないかと疑問が持たれる。
 他に殺害の目的で言われているのが、タリバンがアフガニスタン住民への協力を惜しまないNGOでも、特別扱いすることなく手にかけることによって、アフガンの混乱ぶりを国内外に吹聴することにあるとも言われる。
 またタリバンそのものも、真偽の分からない実態があり、タリバンを名乗り誘拐身代金目当ての集団もあるらしい。

 伊藤さんが殺害されたことにより、ペシャワール会の指導者中村哲医師は、アフガンからの撤去することを考えているようだ。その他、日本や他国のNGOもアフガン滞在に危機感を抱き、活動の変更を余儀なくされている。
 伊藤さんの殺害は、アフガニスタンの厳しい治安の実態を改めて認識させられた。このままアフガンが泥沼にはまり込み、いつ抜け出せるのか、国際社会は見通しの持てない暗闇に入り込んでいる。
 
 しかし、アフガンの安定をできるだけ早期に取り戻すことが、尊い犠牲を払って殉職した伊藤和也さんの霊を慰めることに繋がる。
 伊藤和也さん、ご両親はじめ関係者の皆様に心から哀悼の誠を捧げます。「関連:8月27日

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無念、伊藤さんが遺体で発見のニュース=アフガン拉致事件

2008-08-27 17:06:15 | 世界
 26日、アフガニスタン東部ジャララバード近郊で日本の非政府組織(NGO)ペシャワール会(本部・福岡市)の静岡県掛川市出身伊藤和也さん(31)が拉致されたが、同会の現地事務所は日本時間27日午後、NNNの電話取材に対し、伊藤さんが遺体で見つかったと話した。伊藤さんを知るペシャワール会の現地スタッフが遺体は伊藤さんであることを確認したという。
 
 伊藤さんの遺体は、拉致されたジャララバード近郊で見つかり、伊藤さんの足には5、6発の銃弾を受けた跡があったという。 福岡にあるペシャワール会本部にも遺体発見の情報が入っているという。
 正に最悪の結果になってしまった。5年にも亘り、アフガニスタンのために尽力してきた青年への理不尽な虐殺は怒り心頭に達する思いだ。
 願わくば、昨晩、生還したという誤報があったが、この悲報が昨晩同様の誤報であって欲しい。

=上記のことを書く前の記述=
 26日、アフガニスタン東部ジャララバード近郊で日本の非政府組織(NGO)ペシャワール会(本部・福岡市)の静岡県掛川市出身伊藤和也さん(31)が拉致された。
 アフガニスタン反政府武装勢力タリバンの報道官が、共同通信に対し、犯行を表明したとの報道があったが、実際には、現段階で不明な部分が多いようだ。
 地元警察当局者の話では、自動小銃で武装した4人組が伊藤さんを運転手とともに拉致した。その後、警察が伊藤さんを捜索中に武装勢力と撃ち合いになったが、この武装勢力と拉致犯が同一かは不明。アフガン・イスラム通信は地元当局者の話として、アフガン人運転手は救出されたと報じた。
 
 地元警察によると、伊藤さんは、隣国パキスタン国境に近い東部コナル州の山岳地帯に監禁されているとみられる。ペシャワール会によると、身代金などの要求はなく、携帯電話や無線でも連絡が取れない状態が続いているという。
 日本外務省は26日、カブールの日本大使館に現地対策本部を設置、情報収集を進めている。外務省本省にも深田博史領事局長をトップとする連絡室を設置した。
 
 ペシャワール会は中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成され、1984年より現地活動を開始した。現在パキスタン北西辺境州・アフガニスタンに1病院と2診療所を運営して、年間約87000人(2006年度)の患者診療を行っている。
 同会は中村医師の医療活動の他、付近で農作物の改良などを実施。ジャララバード近郊で用水路も建設中で、伊藤さんは農業の専門家として、2003年12月から現地に赴任していた。共同通信によれば、これまで地元住民との間に大きなトラブルはなかったとのことである。
 
 掛川市に住む家族の心配は極限に達していると思うが、昨晩、一時解放されたとの報道があり、家族の喜びはいかばかりかと想像していたが、今朝になってそれが誤報であったと聞き、家族でなくても奈落の底に突き落とされた感じになった。
 
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激動する内外情勢

2008-08-26 15:43:34 | 世界
 北京五輪という宴が終わって、改めて内外の情勢を振り返ると、何やら激動の兆候があちこちに感じられる。
 先ず我が国だが、景気が後退期に入っただけでなく、原油、穀物価額の高騰を受けて企業も、個人も極めて厳しい状況に置かれている。
 政府も、緊急経済対策を講じる姿勢を見せているが、構造改革路線に執着し抜本的な方針を示せずにいる。
 臨時国会も、与党の調整に時間がかかり、ようやく公明党との折衷案で9月12日から70日間開くことになった。
 
 公明党は、緊急経済対策をはじめ、給油活動再開(案)の衆議院再可決反対などで政府・自民党に多くの注文を出しているが、内容を見るとほとんど民主党と差異は感じられない。これには、自民党内で福田康夫首相の指導力が弱体化していることと、公明党に選挙で首筋をつかまれている弱みから、政府・自民党としても応じざるを得ない状態だ。
 
 臨時国会が始まっても、民主党が再選された小沢一郎代表の元で攻勢を強めてくるだろうし、ここへきて、またぞろ太田誠一農水相の事務所問題が浮上した。公明党元委員長矢野絢也氏の参考人招致でもあれば、いよいよ福田首相も解散に追い込まれないとも限らない。

「ロシア、グリジア紛争」
 国際情勢も急を告げている。北京五輪開会式に合わせるかのように勃発したロシア、グルジア紛争は、ロシア議会で南オセチアとアブハジアの独立承認が可決され、ロシア軍のグルジア駐留が続いている。
 これに対し、アメリカ・ブッシュ大統領が、ロシアとの正常な関係の破棄をにごらし、北大西洋条約機構(NTO)も対決姿勢を強めている。またグルジアが独立国家共同体(CIS)離脱を表明、他の一部加盟国も追随する気配を見せている。
 
 加えて、アメリカがポーランドに迎撃ミサイル(MD)基地を建設することが決まり、ロシアの危機感を助長している。
 まさに冷戦への回帰を思わせているが、今後、国連の場などでどのような解決策を見出すことができるか、注目される。

「不安定なパキスタン情勢」
 また、パキスタンもムシャラフ大統領が辞任し、新大統領選びに入っているが、これを前に連立政府から第二党、パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が離脱、反ムシャラフ大統領を軸に成立した連立内閣は発足から40日余りで早くも崩壊の危機に立った。
 新大統領候補として、暗殺されたプット元首相の夫である人民党のザルダリ共同総裁が名乗りを上げているが、このままではすんなり決まる可能性は少ない。
 
 このように政権が揺れ動いている中で、パキスタン国内ではテロが頻発し、多数の犠牲者が絶えない。
 また、隣国アフガニスタンではタリバーンが復活、アルカイダが両国に潜入し、戦乱は完全にイラクからアフガニスタンに移ってきた。
 これにより、アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)率いる国際治安支援部隊(ISAF)の、存在価値が強められ、アメリカの大統領選挙や、インド洋で給油活動を展開する日本も、その影響を受けることになる。「関連:8月20日
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北京五輪閉幕、2012年のロンドンへ引き継ぐ

2008-08-25 21:20:29 | スポーツ
 昨晩、17日間に亘って行われた北京五輪が閉幕した。開催までのいざこざなどで無事運営ができるか危惧されたが、概ね平穏の内に終始したようだ。
 国際オリンピック委員会ジャック・ロゲ会長も、会場、運営、競技内容など及第点をつけた。ただ、同会長も言及したように、政府公認デモが不許可にされ1件もなく、外国メジアの記者が逮捕されるなど、民主的運営面が成されたかについては、疑問符がつけられた。
 開会式、閉会式共豪華絢爛、国家高揚には十分の華やかさだったが、開会式で少女が口パクで歌ったり、中国56民族衣装で登場した子供たちは漢民族だったり、花火放映はCGを使ったりと演出に虚実があったことが指摘された。
 
 北京五輪には世界204の国、地域から約1万人の選手が参加、マスコミ関係者も2万2千人が取材にあたり、中国内ボランティアは170万人というから大規模なものだった。
 開会、閉会のイベントも人海戦術のものが目立ち、演技者の多くに人民解放軍兵士が居たというから、さすが共産主義国家の特質を表したといえる。
 心配された北京の大気は、16日間すべ基準をクリアし、うち9日間は「一級」の青空だったと伝えた。月間では過去10年間で最高水準だった。
 北京市内では、交通渋滞や大気汚染を解消するため、ナンバープレート末尾が奇数の車は、奇数の日しか走行できない車両規制が実施された。この結果、毎日180万~200万台が走行停止となり、五輪期間中にバスや地下鉄など公共交通機関は、1日当たり延べ2000万人近くを運んだという。
 開会式を待っていたかのように、ロシア、グルジアの紛争が勃発した。しかし、五輪ではメタルを獲得した射撃のロシア、グルジアの女子選手が抱き合って和平を訴えたことが大きく報道された。
 
 競技は史上最高の28競技、308種目が行われたが、開催国中国が51個の金メタルを獲得、初めて36個のアメリカを凌駕した。金メタル3位はロシアの23個、次期開催国のイギリスは4位の19個と躍進した。
 日本は9個で8位だったが、前回アテネの16個から7個も減らした。
 金から銅までのメタル獲得数では、アメリカ110個、中国100個、ロシア72個の順で、さすがアメリカが首位を譲らなかった。日本は25個で11位だったが、史上最多だったアテネの37個から大幅に減らした。この外の上位国は金順で5位ドイツ、6位オーストラリア、7位韓国、9位イタリア、10位フランス、11位ウクライナとなっている。
 メタル数でアテネに比べロシアの凋落が目立っているが、日本もロシアに次ぐ2番目にメタルを減した国になった。
 
 競技で特筆される選手、団体では、競泳で史上最高のメタル8個を取り、合計単独1位の14個となったマイケル・フェルプス(米)、陸上100M、200M、400Mリレーで3冠となり、100Mで驚異的な9秒69、200M19秒30の世界新記録で疾走した196CMの大型スプリンター、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が両輪だ。
 また、女子棒高跳びで世界新の5M05を跳んで優勝したエレーナ・イシンバエワ(ロシア)も印象に残った
 日本選手、団体としては、個人で競泳平泳ぎ100Mで世界新を出し、200Mとともにアテネに次ぎ2冠を取った北島康介、団体では、初めてアメリカを破り、金メタルを取った女子日本ソフトボールチームであろう。
 その他、初めてメタルを取ったフェンシング・フルーレ銀の太田 雄貴(同志社大)、体操個人銀の内村 航平(日体大)らが注目された。

 昨晩の閉会式で、五輪旗が2012年開催国イギリス・ロンドンに引き継がれた。4年はあっという間に過ぎる。果たして、今大会で6選手がアテネからの連覇となり、新鋭が出てきていない日本が、第30回ロンドン五輪で今大会を上回る成果が期待できるのか、今のままでは極めて難しいと言わざるを得ない。「写真:北京五輪閉会式の模様」
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男子マラソンでワンジル(ケニヤ)が優勝=北京五輪=

2008-08-24 17:30:00 | スポーツ
 北京五輪の最後を飾る男子マラソンが行われ、日本育ちのサムエル・ワンジル(21・ケニア)が2時間6分32秒の五輪新で優勝を飾った。
 淡い期待をかけていた尾方剛(35・中国電力)、佐藤敦之(30・中国電力)は、尾方が2時間13分26秒で13位、佐藤は、2時間41分08秒で完走者中最下位の76位に終わった。
 
 30度にもなるという熱い中を、スタートからワンジルらケニア勢と、ジャウアド・ガリブ(36・モロッコ)、デリバ・メルガ(21・エチオピア)らがとばし、これには尾方ら日本勢はとてもついていくことができなかった。
 それでも、先頭グループはいずれ速度が落ち、尾方がマイペースで走っていれば後半上位に上がっていくだろうと望んでいたが、上位グループの速度は落ちず、それでも尾方は上位グループからの脱落者を捉えて徐々に順位を上げてきたものの、前中盤に余りにも遅れをとっていたため、結局8位の入賞ラインまで届かなかった。佐藤は完全にバテ、ジョギングのような足取りで競技場にたどり着いた。
 
 夏のマラソンで6分台の見事な五輪新を出したワンジル、これに44秒遅れで2位に入った03年、05年の世界選手権覇者ガリブ、最後のトラックで、同僚メルガを抜き3位に上がったツェガエ・ケベデ(21・エチオピア)らの強さと、尾方自身が「勝負にならなかった」と言うように、日本勢との力の差はいかんとも為し難たかった。
 
 このマラソンには世界記録保持者ハイレ・ゲブレシラシエ(34・エチオピア)は出場を辞退していたが、彼は既にベテランだが、ワンジル、ケベデらは20台前半の若さであり、若手が育たない日本男子マラソンは、ますます世界から置き去りにされそうだ。
 情けないが、優勝したワンジルは日本長距離界育ちで、レース後、日本のアナウンサーのインタビューに応じ、見事な日本語で森下コーチ(トヨタ九州監督)の指導に感謝し、喜びを語っていた光景がわずかながらの慰めだった。
 男子マラソンが終わり、17日間に及んだ北京五輪は今晩閉会式が行われる。
「北京五輪男子マラソンで金メダルを獲得したサムエル・ワンジル・時事」
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喜びと悔しさが交錯=北京五輪=

2008-08-23 21:26:26 | スポーツ
 オリンピックは喜びと、その裏腹に冷酷な結果をもたらす。
 北京五輪第15日の昨日22日、陸上の男子四百メートルリレー決勝で、日本は38秒15で3位となり、銅メタルを獲得、五輪の短距離種目で史上初のメダルを獲得する快挙を遂げた。トラック種目全体では、1928年アムステルダム大会の女子八百メートルで2位になった人見絹枝以来80年ぶり2度目というから、まさに歴史的な快事だ。
 
 日本は、第1走者塚原直貴(23・富士通)、2走末続慎吾(28・ミズノ)、3走高平慎士(24・富士通)、アンカー男子百メートルの前日本記録保持者・朝原宣治(36・大阪ガス)と巧妙なバトンタッチでつなぎ、追いすがるブラジルを振り切ってついに3位のテープを切った。優勝は37秒10の世界新でジャマイカだった。

 21日の予選では、1組2着で決勝に進出。予選では、優勝の有力候補だったアメリカがバトンの受け渡しをミスして敗退。2連覇を狙ったイギリスも引き継ぎ違反で失格するなどし、日本にとっては敵失で幸運な面もあった。
 この種目の日本は、04年アテネ五輪が過去最高の4位入賞。07年の世界選手権大阪大会も5位と、着実に力をつけていた。

=野球は屈辱の4位=
 昨日韓国に敗れ、今日アメリカとの試合で何とか銅メタルを取りたかった日本だったが4-8で敗退、2大会ぶりのメダルなしという結果に終わった。
 初回に荒木雅博のソロ本塁打で先制する幸先のいい出足だった。相手のソロ本塁打で同点とされた直後の3回には青木宣親が勝ち越し3ランを放ち3点差をつけた。しかし、先発の和田毅が4回に昨日に続くレフトGG佐藤のフライエラーをきっかけに、相手4番にに同点3ランを許すと、5回には2番手の川上憲伸がさらに2点タイムリー二塁打を打たれ、なおも2ランなどで4点を失い日本はまたも劣勢の内に終盤に入った。
 もうこうなると今度のチームは反発する力がなく、6回以降は出塁しても併殺打などでチャンスを作れず、4点差をはね返せなかった。
 
 星野監督は「五輪そのものというよりも野球そのものが不思議でしょうがない。申し訳ないの一言です」と目を真っ赤にすると、アテネ大会に続き主将を務めた宮本慎也は「2大会連続メダル(金メダル)を逃し責任を感じている。本当に申し訳ありませんでした」と言葉に詰まりながら謝罪した。
 
 今日も流れが悪かった。3点リードした直後の4回、和田は、何でもないレフトフライをG.G.佐藤がエラー、ワンダン後に四球を与え、4番ブラウンに3ランを浴びて追いつかれた。
 2番手の川上は5回に2死一、三塁から勝ち越しタイムリー二塁打を許すと、さらにレフトスタンドへの2ランを打たれた。
 審判のバラバラ判定にも苦しめられたが、後続の投手が抑えられないのでは勝ち目がない。また、打線がこれだけ繋がらないのでは、手の打ちようがなかった。

 深刻なのは、日本は正真正銘プロの選抜なのに対し、アメリカは2A、3A、学生などのチーム、韓国はプロ選抜だが、キューバは実質プロとしても、表面的にはアマ選抜ということであり、そのなかで最下位の4位に甘んじたことだ。
 野球は、ソフトボールとともに、4年後のロンドン五輪には外される。こうなると最初のリベンジのチャンスは2009年の第2回WBCということになるか。

=初めて五輪でメダル逃す…シンクロ=
 そうして、シンクロナイズドスイミングにも冷酷な結果が待っていた。
 8人のチームで演技するフリールーティン(FR)後半は、前半4位の日本が48点167で合計96・334点に止まり、前半3位の中国に1・000点の差をつけられ、1984年ロサンゼルス五輪でシンクロが採用されて以来、ソロ、デュエットを含めて初めてメタルを逃した。
 
 日本はリフトなどの大技を次々に決め、フィニッシュの後、小林寛美(23・浜寺水練学校)が気を失うほどの力泳だったが実らなかった。
 井村雅代・前日本代表ヘッドコーチ(58)率いる中国は、長い手足を存分に生かした伸び伸びとした演技で48・750点の高得点を出し、TRとFRの合計97・334点で日本を圧倒、初の銅メダルを獲得した。
 
 前半首位のロシアがFRで満点50・000点と、他を圧倒する演技で金メダルを獲得した。スペインが98・667点で銀メダルだった。
 日本シンクロは、井村雅代・中国ヘッドコーチの指導でぐんぐん実力をつけてきた中国に、五輪前の試合で既に遅れをとっていたが、恐れていた五輪本番でついに中国に甘んじる結果になってしまった。
 銀のスペインも日本人女子コーチが指導しており、日本が負けたことはもちろん悔しいが、スペイン、中国など世界を股にかけて活躍している日本人の名コーチがいることも誇って良いかも知れない。
 「陸上男子四百メートルリレー決勝、三走の高平(右)からバトンを受け取るアンカーの朝原=北京市の国家体育場で2008年8月22日、毎日新聞」
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