2015年のプロ野球日本一に2年連続でソフトバンクが輝いた。今季からソフトバンクを率いた工藤公康監督は1年目で前秋山幸二監督から引き継いだ日本一の座を守った。2年連続日本一は、ソフトバンクの前身南海、ダイエー時代を含めて初めてのことだ。
3勝1敗と優勝に王手を掛けたソフトバンクは、神宮球場でヤクルトと対戦、四回に李大浩が左翼ポール際に先制2ランを放ち、五回にはシリーズに入って2番で起用され続けた明石の適時打などで2点を追加、さらに1点を追加し5点を上げた。
投げてはクライマックスシリーズで未登板だったスタンリッジが6回までヤクルトを封じ、七回以降は森、バリオス、サファテの完封リレーで抑え、結局5-0で完勝、4勝1敗でソフトバンクの圧勝で日本シリーズの幕が下りた。
このシリーズは、ヤフオクドームでソフトバンクが2連勝し、神宮球場に舞台を移したが、神宮の1試合目の第3戦で、ヤクルトの3番で今季トリプル3を成し遂げた山田哲人が3連続本塁打のシリーズ史上初の快挙などで1勝を上げたが、第4戦で8-6とソフトバンクが王手を掛け、結局第5戦であっさり決着がついた。
ソフトバンクは、第1戦の武田翔太から第5戦のスタンリッジまで先発5投手が、第3戦で山田に2ホーマーされ敗戦投手になった中田賢一を除き好投、抑えのデニス・サファテもシーズン通りの投球をみせた。
打線も、怪我で内川聖一を欠いたが、内川に代わり4番に入った李大浩が8打点のシリーズ記録を打ち立てるなどの大活躍でMVPに輝いた。
明石健志、福田秀平、今宮健太、川島慶三らの伏兵も活躍。特に平均して打った明石と第4戦で貴重な本塁打を放った細川亮捕手の打撃は勝利に大きく貢献した。
中心打者の柳田悠岐、松田宣浩は、松田が第1戦で貴重な本塁打を放ったが、後は鳴かず飛ばずだったが、それでも圧勝したのは、総合力の勝利とも言える。
ヤクルトは、第1戦、第5戦の石川雅規、第2戦の小川泰弘、第4戦の館山昌平ら実績ある3投手が粘ることができず、抑えのバーネットまで繋ぐことができなかった。
打撃陣では、第3戦で山田が連続3ホーマーの驚くべき活躍があったが、2本塁打の4番畠山和洋はまあまあとしても、山田は第3戦だけ、今季首位打者の2番川端慎吾の不振も打線のつながりを悪くした。
総じて、ソフトバンクが投打に勝り、解説者によってはソフトバンクより上との見方があったヤクルトの打線も、ソフトバンク投手の好投によって実力を発揮することができなかった。
工藤新監督の、選手掌握も見事だったと言える。「関連:10月9日」