世界はアメリカ発の金融危機によって、一様に経済が揺れ動いている。欧米、中国、ロシアを含むBRICS、日本、韓国などどの国も厳しい同時不況にさらされている。各国は金融市場の資金不足を補うため、こぞって政策金利を切り下げているが、現段階ではその効果が出たという話は伝わってこない。
中でもアメリカは、政策金利を実質ゼロに下げる超金融緩和を施したが、GMなど自動車産業への資金援助については議会の賛同を得られず、どのように帰結するか、300万人の雇用問題が関わると言われるだけに注目される。
さて、世界の経済情勢が厳しい中だが、新年を前にパレスチナ情勢が一気に爆発し、パレスチナの強行組織ハマスが実効支配しているガザに対するイスラエルの空爆が続き、死者は民間人の女子供を含め400人になんなんとしている。ハマスの停戦切れ宣言をきっかけに始まったこの交戦は、またも報復の連鎖となって人々を苦しめている。
当然アラブ各国では、イスラエルに対する非難行動が激化しつつあるが、国連の動きは鈍く、ようやくフランスのサルコジ大統領などEUや中東諸国の仲介が真剣になってきた。この紛争は奥が深く、簡単に解決できる問題ではないと思うが、やはり、ガザ市民の生命線を封鎖しているイスラエルの譲歩がないと、解決は難しい。
第2次世界大戦で、ナチに蹂躙されたユダヤ人の悲劇を経験しているイスラエルが、こんどは自らの手で、女子供を含むパレスチナの民間人を死傷させていることに矛盾を感じる。
昨年大晦日の拙稿を顧みて、世界の紛争地域の現状を比べると、1年間でそれほど変化がないことが分かる。
もちろん、イラク情勢はある程度落ち着きを取り戻し、日本の自衛隊を含め米軍以外の各国軍隊はほとんど撤退し、米軍の撤退も2010年を目途に日程化してきた。しかし、イラクの現状は依然として宗教や部族対立が収まらず、時には多数の死者を伴うテロ行為が行われている。
また、アフガニスタン情勢はタリバーンの復活が本格的になり、パキスタンにおけるアルカイダの潜行などますますキナ臭さが濃くなっている。
そのパキスタンもムシャラフ大統領が辞任、その後をプット元首相の夫ザルダリ大統領が担っているが、インドの同時多発テロの犯人捜しで、インド、パキスタンの対立が深まるという複雑な情勢になっている。
イランについては、ブッシュ米政権への反発は一向に変わらないものの、アハマディネジャド大統領は、オバマ米次期大統領に対しては、一応歓迎の姿勢を取った。しかし、オバマ氏はイランの核濃縮について容認したわけではないので、果たしてアメリカとイランの和解が成り立つのか、バーは高い。
さて、北朝鮮問題だが、これも北朝鮮が核施設廃棄の検証手段を明確にしないため、一時は、アメリカが北朝鮮に対するテロ支援国家解除まで進んだものの、その後は停滞し、アメリカは石油支援の中断をにおわすなど後退している。北朝鮮は、アメリカの大統領交代を見越した戦術に切り替えた可能性が濃厚だ。
今年は、中国北京でオリンピックが開催され、中国は国威高揚を図ったが、チベット問題などが世界の目にさらされた。
来年の世界は、まだまだ紛争が収まる気配はほとんどないが、経済問題の推移やアメリカに黒人初のバラク・オバマ大統領が誕生し、アメリカが再び世界のリーダーとして尊敬される国に変わるのか。先ずは、パレスチナの早期和解を望み、新年早々から目が離せない。「関連:19年12月31日」
中でもアメリカは、政策金利を実質ゼロに下げる超金融緩和を施したが、GMなど自動車産業への資金援助については議会の賛同を得られず、どのように帰結するか、300万人の雇用問題が関わると言われるだけに注目される。
さて、世界の経済情勢が厳しい中だが、新年を前にパレスチナ情勢が一気に爆発し、パレスチナの強行組織ハマスが実効支配しているガザに対するイスラエルの空爆が続き、死者は民間人の女子供を含め400人になんなんとしている。ハマスの停戦切れ宣言をきっかけに始まったこの交戦は、またも報復の連鎖となって人々を苦しめている。
当然アラブ各国では、イスラエルに対する非難行動が激化しつつあるが、国連の動きは鈍く、ようやくフランスのサルコジ大統領などEUや中東諸国の仲介が真剣になってきた。この紛争は奥が深く、簡単に解決できる問題ではないと思うが、やはり、ガザ市民の生命線を封鎖しているイスラエルの譲歩がないと、解決は難しい。
第2次世界大戦で、ナチに蹂躙されたユダヤ人の悲劇を経験しているイスラエルが、こんどは自らの手で、女子供を含むパレスチナの民間人を死傷させていることに矛盾を感じる。
昨年大晦日の拙稿を顧みて、世界の紛争地域の現状を比べると、1年間でそれほど変化がないことが分かる。
もちろん、イラク情勢はある程度落ち着きを取り戻し、日本の自衛隊を含め米軍以外の各国軍隊はほとんど撤退し、米軍の撤退も2010年を目途に日程化してきた。しかし、イラクの現状は依然として宗教や部族対立が収まらず、時には多数の死者を伴うテロ行為が行われている。
また、アフガニスタン情勢はタリバーンの復活が本格的になり、パキスタンにおけるアルカイダの潜行などますますキナ臭さが濃くなっている。
そのパキスタンもムシャラフ大統領が辞任、その後をプット元首相の夫ザルダリ大統領が担っているが、インドの同時多発テロの犯人捜しで、インド、パキスタンの対立が深まるという複雑な情勢になっている。
イランについては、ブッシュ米政権への反発は一向に変わらないものの、アハマディネジャド大統領は、オバマ米次期大統領に対しては、一応歓迎の姿勢を取った。しかし、オバマ氏はイランの核濃縮について容認したわけではないので、果たしてアメリカとイランの和解が成り立つのか、バーは高い。
さて、北朝鮮問題だが、これも北朝鮮が核施設廃棄の検証手段を明確にしないため、一時は、アメリカが北朝鮮に対するテロ支援国家解除まで進んだものの、その後は停滞し、アメリカは石油支援の中断をにおわすなど後退している。北朝鮮は、アメリカの大統領交代を見越した戦術に切り替えた可能性が濃厚だ。
今年は、中国北京でオリンピックが開催され、中国は国威高揚を図ったが、チベット問題などが世界の目にさらされた。
来年の世界は、まだまだ紛争が収まる気配はほとんどないが、経済問題の推移やアメリカに黒人初のバラク・オバマ大統領が誕生し、アメリカが再び世界のリーダーとして尊敬される国に変わるのか。先ずは、パレスチナの早期和解を望み、新年早々から目が離せない。「関連:19年12月31日」