金正男氏殺害については、昨日マレーシア当局が実行犯とみられ、逮捕されたベトナム、インドネシア籍の女2人とマレーシア在住の北朝鮮籍の男に加えて、北朝鮮の暗殺団とみられる男4人の関与について公表した。
男4人は、正男氏が殺害された日の数日前にそれぞれ個別にマレーシア入りし、殺害後直ちにマレーシアを後にドバイ経由で4日後の17日に北朝鮮に帰国したとのことだ。
正男氏に猛毒を塗り付けた女2人は、これら北朝鮮人に何らかの形で行為を依頼されたものとみられるが、逮捕された男の役割についてはまだ不明だ。
ただ、この男は薬剤関係の仕事をしていたとのことで、若しかしたらこの男が毒物を調達した可能性がある。
しかし、首謀者とみられる男4人は既に帰国しているので、よほどのことがない限り正男氏殺害に至る経緯について探求することは困難のようだ。
韓国当局は、早くから正男氏殺害は、弟の北朝鮮金正恩委員長の指示によるものと発表しており、常識的に考えればその線が濃厚だが、何しろ首謀者が逃走してしまったため真相究明は難儀だろう。
ただ、マレーシア当局が逮捕した男は、若しかしたらカモフラージュに使われた可能性もあるが、この線から真相究明に行き突くかもしれない。
正男氏は、金正恩政権樹立以後、常に暗殺の危機にさらされていたが、中国政府の庇護のもとに暮らしていたはずが、数年の安泰から油断したのではないかと推察されている。
正男氏の暗殺から、現在マカオに在住の正男氏の長男らも暗殺の危機にさらされているとのことで、今時の北朝鮮の蛮行をどのように防いだらよいのか、国際社会の対応が迫られる。「関連:2月19日」