今日午前9時15分、今回で最後となる伝統の第76回びわ湖毎日マラソンが、気象条件に恵まれ、滋賀県大津市皇子山陸上競技場発着の42・195キロのコースで行われ、一般参加の鈴木健吾(25・富士通)が2時間4分56秒の日本新記録で優勝した
東京五輪マラソン代表の大迫傑(29・ナイキ)が昨年樹立した2時間5分29秒の日本記録を33秒更新した。同じく一般参加の土方英和(23・ホンダ)は2時間6分26秒の日本歴代5位の好記録で2位に続いた。
3位の細谷恭平(25・黒崎播磨)は、同6位の2時間6分35秒、4位の井上大仁(28・三菱重工)2時間6分47秒、5位の小椋裕介(27・ヤクルト)は2時間6分51秒と、計4選手が2時間6分台を出した。
6位以下も2時間7分台が10人という、正に最後のびわ湖マラソンを飾る好記録ラッシュのレースとなった。
その中で、プロランナーの川内優輝(33・あいおいニッセイ同和損保)は2時間7分27秒で10位。2013年にソウル国際でマークした2時間8分14秒の自己ベストを8年ぶりに更新した。
レースの後半、36キロ過ぎの給水地点で、ケニア出身のサイモン・カリウキ(24・戸上電機製作所)、土方と3人で形成していた先頭集団から鈴木健吾が迷わずトップに出た。
それからは、1キロのラップをほとんど2分50秒台できざみ、みるみる2位の土方を引き離した。最終盤、競技場へ入る直前はやや口が空いていたが、グランドを一周半、余裕のある表情と走りで新記録のテープを切った。
鈴木は、レース後も笑顔で「このタイムが出ると思わなかった。自分が一番ビックリしている。最後の大会で日本記録、大会記録を出せて、誇りに思います」。と日本人初となる2時間4分台を喜んだ。
鈴木は愛媛県出身、宇和島東高から神奈川大に進学、3年時には箱根駅伝で「花の2区」で区間賞を獲得した。
日本陸連は、日本新を出した選手に1億円を贈っていたが、五輪代表が決まった後にこれを打ち切ったので、残念ながら鈴木は大金を受けることができなかった。「関連:2020年3月8日」