正さん日記

世の中思いにつれて

民主党、新体制へ。気掛かりなスキャンダル

2007-08-31 18:17:08 | 政治
 参議院選挙で大勝し、悲願の政権取りに向けて、次の総選挙でも勝利を目指す民主党が、今日午後の両院議員総会で新役員人事を決定する。
 小沢一郎代表は、菅直人代表代行と鳩山由紀夫幹事長を留任させるとともに、副代表に新たに前原誠司前代表を加えることになった。これで副代表は岡田克也、北沢俊美、円より子、赤松広隆の各氏と合わせ5名になる。
 参議院から輿石東参院議員会長が代表代行を兼務、直嶋正行元参院幹事長が参議議員で初めて政調会長に就任する。参議院で第1党となった民主党の意気込みが感じられる。
 また、国対委員長に山岡賢次氏、選対委員長は赤松副代表、広報委員長は野田佳彦元国対委員長の就任が内定した。
 偽コピー事件で一時退いた前原、野田両氏の復権が目につくが、外交、防衛政策で路線の違う前原氏らを執行部に取り込んで、全党一致体制を築こうとする意図が明確だ。
 安倍晋三政権が、党、内閣人事でベテラン勢を取り込んだことに対し、小沢代表もこれに対応する体制を作った形だ。
 さて、このような新体制を築き、次期総選挙で参議院選に続き勝利を目指す民主党にとって、新人議員のスキャンダルと小沢代表の秘書が関係する選挙違反事件が気がかりになる。
 さくらパパこと横峯良郎氏のギャンブルと不倫、岡山で自民党前参議院幹事長片山虎之助氏を破った姫井ゆり子氏の不倫が週刊誌で大々的にすっぱ抜かれた。また、7月の参院選比例区で当選した民主党の青木愛氏陣営による公選法違反事件で、報酬を支払う約束をして選挙運動用ポスターを張った看板数千本を立てさせたとして利害誘導容疑で千葉県警に逮捕された印刷会社社長が、看板設置は小沢一郎・民主党代表の政策秘書の指示だったと供述していることがわかった。
 2新人議員については、安倍政権の閣僚が、次々に政治資金不正処理疑惑を暴かれ、安倍首相の身元調査不十分が指摘されたが、民主党の2新人議員についても候補者選考の際に同じテツを踏んだようだ。
 小沢代表秘書が絡むとされる選挙違反は、今後どのように進展していくか。2人の新人の去就はともあれ、小沢代表の絡む問題の行方は大いに注目される。
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教育のレベルを落とす教員免許更新制度

2007-08-30 18:07:19 | 政治
 今朝のNHKラジオで、安倍改造内閣で留任した伊吹文明文部科学相が、教育現場の大変さについて語り、教員を増員するための予算措置を講じたいと述べた。
 伊吹氏は、教員の仕事について、父兄からの過剰な要求が多く、また、給食費未払い者に対する督促、集金など授業以外の雑用に追われている実態を明らかにした。
 また、徳育教育を必修科目に入れることについては、その必要性はあるものの、学力評価に加えることは困難であると語った。
 伊吹大臣は、文化相就任後、もっと教育現場に批判的な見方をしていたような気がするが、テレビ討論などを得て、かなり学習してきたことから、このような発言をするようになったものと思われる。
 安倍首相は、実績をつくることが目的かのように、先の国会で重要法を次々と強行採決してきた。教育基本法もその中の1つであり、終盤国会では教育改革3法を強行採決した。
 もちろん理念法の教育基本法改訂はゆるがせにできないが、具体的な教育改革3法の中で、教員の免許更新を義務付けたことは、教員にとっても大変な負担になるし、教育のレベル向上の観点や予算面でも大きな問題を孕んでいる。
 先の国会で成立した教員免許の更新制度は、10年毎に30日間の研修を科している。研修を請け負う機関は大学のようだが、具体的にはまだ決まっていないようだ。
 これだけ見ても、先ず30日間は代わりの教員が必要になるし、その間生徒と離脱するので学習面での影響が出ないとは言えない。その上、30日間の事務が溜まることになり、帰校後にその後始末に追われなければならない。
 加えて30日間の出張旅費、代わりの教員の人件費など、もろもろ経費が嵩むことになる。
 もっとも危惧されるのは、このような条件では教員志望者が減少し、優秀な人材が集まらないのではないかということである。
 その現象がさっそく来年の教員採用状況に現れているようだ。どこの大学も教員免許取得を希望する学生が激減しているらしい。
 これでは、何のための教育改革かと言いたくなる。木を見て森を見ない教育改革3法を国会で通した伊吹文科相は、冒頭のような考え方があるのなら、潔く教育改革3法の内、せめて教員免許制度の改悪法は撤廃すべきである。

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違い大きい、安倍改造内閣の支持率

2007-08-29 17:20:27 | 政治
 注目の安倍内閣改造後の支持率が出たが、新聞社によって余りの違いに驚く。
 三大新聞で、朝日が支持33%、不支持53%、毎日が支持33%、不支持52%だったのに対し、読売は支持44.2%、不支持36.1%と、3紙とも参議院選挙前に比べ支持率は10%以上上がったが、朝日、毎日はほぼ同じ率なのに対し、読売との違いが際立っている。
 共同通信は、支持率が40%、不支持率45.5%と支持率では読売に近い数値だ。しかし、不支持率で読売の36.1%は目立って低い数字であり、第2次安倍内閣に対する評価が二分している形になっている。
 もっとも、この調査は安倍首相が参議院選挙で負けた後初めての人事に対する評価であり、いわば人事の出来栄えと期待感を含んだご祝儀相場と言うべきもので、実際の評価は当然のことながら今後に掛けられている。
 新聞によってこれだけの違いが出るのは、言うまでもなく日頃の新聞社の思想や報道姿勢で読者が影響を受ける結果であろうが、世論を気にする政治が、自分に都合の良い数値だけを見て、国民の考え方を判断してはならない。
 本当なら、中立的な世論調査機関があって、思想、信条に関係なく世論の動向を調べることが出きれば、比較的間違いない結果を導き出すことができると思うが、実際には、中立性をどこで見極めるか難しい。
 世論調査の結果は、政治の進め方や選挙に大きく影響するが、国民は余りこれに惑わされることなく、生活感覚で政治を見極めることが必要になる。

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安倍氏に、浮かぶ瀬のない党人事と内閣改造

2007-08-28 16:39:48 | 政治
 後のない安倍晋三首相が披露した党三役と内閣の顔ぶれは、昔の名前で出ています式のメンバーを多数揃えた。
 その目的は言うまでも無く、末期的症状に陥っている人気回復を狙ったものだが、この結果、人気浮上にしても、人気下落が続くにしても安倍首相にとっては喜ばしいものにはならない。
 人気が上昇した場合は、今回選出されたメンバーのおかげということになり、安倍氏はメンバーの意思を尊重しなければならず、自身の主張は場合によっては封印される。つまり指導力が発揮できないことになる。従って、自民党内でも余り評判の良くない「美しい国」や「戦後レジーム」のフレーズは押さえ込まれかねない。
 昨日の組閣後の記者会見で、この機に及んで「美しい国作り」を真っ先に上げたとして、テレビのゲストが怒っていたが、彼は、まだこんなことにも気がついていないのかもしれない。
 下落傾向が続くか、微増に反転した場合でも、30%の中位くらいだと当然指導力は発揮できない。この場合は、総選挙をにらみ自民党内でポスト安倍争いが激しくなる。
 このように、党役員人事や組閣の結果、世論がどちらにころんでも安倍首相の指導力は弱まるばかりになる。これは当然のことであり、だからこそ、選挙に大敗したトップは辞めなければならないのである。それを政権にひがみついた安倍首相は、生き恥をさらし、地獄の道を歩まざるを得ない。
 かてて加えて、これから国会が始まれば、参議院で多数を占める野党の大攻勢に立ち向かわなければならない。ここでも、敗将には茨の道が待っている。
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顔ぶれは揃えたが、特色がない安倍新体制

2007-08-27 21:56:02 | 政治
 安倍晋三新体制が決まった。参議院選で大敗したものの総理、総裁に居座って、党内外から批判の矢面に立っている安倍首相が起死回生を狙っての人事であったが、その顔ぶれを見ると、党、内閣に派閥の領袖を5人取り込むなど、やはり派閥均衡と復帰組み、知名度重視の人気取りが先行した顔ぶれのような気がする。
 組閣で注目したのが官房長官人事であったが、事前の予想を覆して大ペテラン無派閥の与謝野馨氏を起用した。出身派閥の長である町村信孝氏の就任が噂されたが、やはり身内重視の批判を避けた感じだ。もっとも町村氏の方から年下の安倍氏のスポークスマンになりたくなかったのかもしれない。
 話題の厚労相に舛添要一氏、防衛相に高村正彦氏を起用した。国際政治学者の舛添氏が厚労相とは意外な感があるが、彼の答弁力と押しの利くところに期待をしたのだろう。その意味では防衛相にも11月1日に切れるテロ特措法の成立を目指して、民主党小沢一郎代表と一騎打ちのできそうな高村正彦氏を起用したのかもしれない。
 留任組みは5人だが、伊吹文明文部科学相、渡辺喜美金融・行政改革担当相はそれなりに意味があるのだろう。冬柴鉄三国土交通相は仕事もできるらしいが、公明党からの要請をそのまま受け止めた。
 噂はあったが、今回の目玉の1つに増田寛也前岩手県知事を総務相につけた。地方の格差問題をテコ入れする姿勢を見せたのだろうが、彼の前身は建設省で常に官僚をこけにしている安倍首相としては、改革知事の名前の方を優先して起用したのだろう。鳩山邦夫氏、額賀福志郎氏など、一応知名度だけは高い。
 派閥別には、津島派がゼロから一気に3名増えた。安倍首相を批判していた山崎派も1名増やし、山崎氏を黙らせた。
 党三役も、幹事長に麻生太郎氏、総務会長に二階俊博氏と派閥会長を入れ、石原伸晃氏は仲良し連だ。
 麻生太郎氏は、安倍首相と気心が合っているらしいが、彼は放言癖があるので心配のタネになる。麻生氏自体も安倍首相と一心胴体になって共倒れのリスクを抱える。二階氏は、民主党小沢代表の懐刀だったが小沢氏と袂を分かって自民党に復帰しての重要ポスト入りだが、なにやら暗い感じは拭えない。石原氏は口八丁手八丁とテレビ向けの安倍首相のお友達だ。少し位ならお友達も好いだろうと選んだのだろうか。
 このように自民党と内閣の安倍新体制が作られたが、これだけ総花的になると、安倍首相が言っている改革の継続、美しい国作り、戦後レジームからの脱却という安倍カラーは影を潜めることになるのではなかろうか。参議院選で惨敗しなんとか再浮上したい安倍氏や自民、公明与党はこの人事の出来栄を国民から審査を受けることになる。

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イラク情勢に苦しむブッシュ大統領

2007-08-26 21:09:17 | スポーツ
 イラクの泥沼化は、ブッシュ大統領の増派によるテコ入れも、大方が予測したとおり効果が見られず、一層テロが大規模化して多数のイラク人や米兵の犠牲者が続出している。
 イラク政府もマリキ政権のたがが緩み、マリキ首相に対するイラク国内における不信感や、米政府からも信頼が失われているようだ。
 また、アメリカにおいても、与党共和党の実力者から米兵の撤退について、ブッシュ大統領に期限を決めて実行するよう圧力がかかった。
 正に、アメリカ、イラクとも国内で、現政権に対する実質的な不信任が突きつけられている状態で、出口が見つからない閉塞状態に置かれている。
 このイラクの行き詰まりに関連し、アメリカで凡そ考えられない話題が報じられた。
 その1つは、チェイニー副大統領が、1990年にイラクがクエートに侵攻した際、アメリカがイラク本土への攻撃を思い止まった理由として、もし米軍がイラクを制圧すると、イラク国内の宗教間や世俗間対立が激化し、収拾がつかなくなることを恐れたからと述べたことだ。チェイニー氏は、当時の国防長官であり、最も責任ある立場にいた。その彼が、先のイラク戦争を推し進めたネオコンの中心人物だったことは、自ら1990年には、イラク進攻の危険性を認識していたのにもかかわらず、それを忘れたか、無視してついにパンドラの箱を空けてしまったことになる。
 もう1つは、ブッシュ大統領が、第2次世界戦争時の敵国日本の軍部をアルカイダと同列視し、戦勝国アメリカの統治によって戦後の日本が民主国家になったのだから、イラクもいずれ日本と同じように民主国家になると述べたことだ。
 テロを戦争と捉えている立場からすると、戦時の日本もアルカイダも同じことになるかもしれないが、それならば、アメリカがイラクに仕掛けた戦争も、相手国からはテロと見做されても文句は言えまい。
 このようなブッシュ大統領の日本軍国主義に対する本音とも思える考え方については、戦争犯罪人も死すれば神であるとの思想で、靖国神社参拝を励行してきた小泉純一郎前首相や、本当は参拝したい安倍晋三首相は、親ブッシュを公言する手前どのように感じているのか、考え方を聞かせて欲しいものだ
 いずれにせよ、イラク政策の正当性について、窮地に追い込まれているブッシュ大統領周辺は、、これからも、なんでもござれの詭弁を弄してこよう。

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27日に内閣、自民党役員改造、小池防衛相は留任回避

2007-08-25 17:40:48 | 政治
 安倍晋三首相は27日に行う予定の内閣改造、党役員交代について私一人で考え、私一人で決めると言明している。
 この事態になっても、相変わらず私が前面に出ているが、派閥からの圧力、欠陥閣僚が許されない切迫した状況の中で、果たして私1人で人事が出きる能力があるのか。既に、人事についての力量の程は白日の下に晒されている感があるので、誰もがある程度、成るほどと思われる選考ができる可能性は低いのではなかろうか。
 27日になれば分かることだが、多分、内閣、党とも派閥均衡、いわゆる実力者中心の選出になるのではなかろうか。そうなると安倍氏の考えている政策はほとんど封印され、ますます死に体内閣になるのではないか。
 もっとも、安倍首相がやみくもに進めてきた戦前回帰への政策が少しでもブレーキがかかり結構なことだとは思うが。
 そんな中で、小池百合子防衛相がまたまた拙速にも防衛相留任を辞退するような発言をした。だいたい、彼女は内閣改造前に自ら留任しないことを明言するような大物なのか。小泉純一郎前首相にいわゆる刺客として使われ、安倍首相が防衛相に抜擢し、こともあろうにポスト安倍の声がかかったとかで何か勘違いをしているのではないか。
 小池氏の発言には、安倍首相に首を切られる前に、自らが退くことで面子を保とうとしているとか、先の防衛省事務次官人事で安倍首相から支持されなかったことへの面当てとか、臨時国会でテロ特措法への攻勢に耐える自信がないからとか、どうせ、ろくなことは言われていない。
 要するに、小池氏の実力は所詮この程度のものだったのだろう。かくて、安倍首相が参議院選挙目当てに、初の女性防衛相として華々しく起用した小池氏はわずか二ヶ月弱の短命に終わりそうだ。
 国の防衛力の重要性を唱えながら、こんな形であっさり防衛相を代えることになった安倍首相の責任はここでも大きなものがある。
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朝青龍はモンゴルで再生を果せ

2007-08-24 15:11:33 | スポーツ
 朝青龍問題が日を追って過大に報道されている感じだ。ここまで来ると本人自体がどのように収集したらよいのか戸惑っているのではなかろうか。
 一昨日、治療を受けるといって久しぶりに外出した朝青龍の外見をテレビで見た限り、モンゴルから日本へ戻ってきた時の表情と変わりないように見受けた。5人の精神科医が診察してもほとんど口を利かないというから、実際には病名がつけられないのではなかろうか。彼は仮病を使っているのではないかといううがった見方があるが、あながちでたらめとも思えない。
 なぜ朝青龍が仮病を使っているのか。1つは、相撲協会に対する無言の抗議、2つ目にはここまで問題が大きくなってしまったので無言を通す方が無難と思っていること、3つ目は面倒くさいからではないのか。
 朝青龍からしてみると2場所出場停止処分を受けたので、まだ、その間の立ち居振る舞いには余裕があると思っているかもしれない。別の見方をすると、相撲協会の出方を見極めているとも思える。
 所詮彼は26歳のモンゴル人であり、いくら横綱の品格を望んでも、それを求める側と彼とでは100%イコールにはならない。
 彼からしてみると、3年半も1人横綱でがんばり、優勝を21回もしてきたので、相撲協会は少々の羽目を外しても大目に見てくれるとの甘い考えが捨てきれないでいるのではなかろうか。
 朝青龍に対しては、当然2つの見方に分かれる。この際、これほど横綱の権威を失墜させたのだから、引退勧告をする必要があるという反朝青龍派もいる。もしかしたら、朝青龍自身がいやけがさして引退したいと思っているかもしれない。
 しかし、今の大相撲から朝青龍が抜けたとしたら、大黒柱が欠けたと同然で、極端にいうと大相撲が成り立たないのではなかろうか。
 白鵬が横綱になったといっても、現時点では、NO2に過ぎない。しばらくは朝青龍がトップに君臨し、各力士は彼を倒してこそ上位へ進出できるところに大相撲の醍醐味がある。正に朝青龍は相撲協会の至宝的存在である。
 確かに、常識的には朝青龍の態度は不可解だが、この際、彼が希望していると言われているモンゴルへの帰国を許し、彼自身も、今回の問題を反省して、出場停止処分の切れる初場所には、また一段と成長した、強い横綱朝青龍の土俵を見せてもらいたい。

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テロ対策特別措置法延長は慎重に

2007-08-23 17:22:59 | Weblog
 11月1日で期限が切れる「テロ対策特別措置法」を1年間延長する同法改正案については、参議院で第1党になった民主党の小沢一郎代表が以前からの反対姿勢を変えないことを表明している。
 これに対して、民主党内でも前原誠司前代表を中心に異論を唱えている向もあるが、前原氏は党の方針が定まればそれに従うと述べている。
 「テロ対策特別措置法」はアメリカにおける9.11同時テロに対応し、国連安保理決議1368に基づいて時限立法で制定されたが、今回の改訂は3度目になり、世界情勢が同法の制定当初と大きく変わってきた中で、このまま無批判に1年間の延長を認めて良いのか熟慮することが必要だ。
 現在、わが国はこの「テロ対策特別措置法」に基づきインド洋に海上自衛隊の補給艦と護衛艦を各1隻を派遣し、11カ国に給油の支援をしている。日本の給油支援を受けた回数では、アメリカに次いで2番目に多いのがパキスタンのようだが、パキスタンのメディアは日本の活動についてほとんど報じていない。
 そのパキスタンは国内の治安が悪化の一途で、ムシャラフ大統領の求心力は、今秋以降に控える大統領選と総選挙を前に急速に低下している。テロ特措法の延長がムシャラフ氏の支持回復に結びつくかは微妙のようだ。
 パキスタンでは、軍の強行突入で制圧された7月の武装神学生立てこもり事件以降、イスラム過激派の報復攻撃が多発、窮地に陥ったムシャラフ大統領が非常事態を宣言し、総選挙延期の見方が広まっているとのこと。もし選挙を実行すれば、ムシャラフ氏に公正な選挙の実施を強く求めるアメリカの信頼を失うことは必定で、アメリカと協力している「対テロ戦争」にも影響がでる可能性がある。
 また、隣国アフガニスタンもタリバーンの復活で治安が極端に悪化、加えて経済情勢が極端に悪く、国民の生活は困窮しカルザイ政権の統治は危うくなっている。
 このように、イラク情勢の混迷は言うに及ばず、当初、国連安保決議1368を根拠に制定した「テロ対策特別措置法」をめぐる周辺の環境は激変している。小沢代表が言うように今やアメリカの戦争になっている事態から、国連決議の見直しを含む再討議が必要とする与党一部の意見もあるようだ。
 「テロ対策特別措置法」によるインド洋上の給油活動が「無料のガソリンスタンド」呼ばわりされる現状では、簡単に国民の税金を使ってもらいたくないのが誰しもの思いではなかろうか。
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佐賀北、劇的逆転で初優勝、全国高校野球閉幕

2007-08-22 17:17:37 | スポーツ
 第89回全国高校野球選手権大会最終日の決勝は、佐賀北が5-4で広陵(広島)に逆転勝ち、2000年以来2度目の出場で初優勝を遂げた。40年ぶり3度目の決勝進出で初制覇を狙った広陵は、またも悲願達成ができなかった。
 試合は広陵が2回に2点、7回には投手・野村の二塁打で2点を追加。野村が7回まで佐賀北打線を1安打に抑え、8回表を終わった段階で、ほぼ広陵の優勝は間違いないと思っていた。しかし、その裏広陵にとって思いもよらない落とし穴が待っていた。
 佐賀北は2本の安打と1四球で一死満塁、2番井出が際どいボールを選んでようやく1点を上げた。続く3番副島が、野村のこの試合唯一と思える甘いボールを左翼へ高々と満塁本塁打を放って試合をひっくり返した。正に広陵にとっては8回裏だけ甲子園の魔物にとりつかれた格好だ。
 佐賀北の逆転勝利は劇的なものだったが、この勝利を生んだ複線として2回途中から先発馬場を救援した久保が力投と、バックの再三の堅守があったことも見逃せない。
 今大会は、優勝した佐賀北が終始話題をさらった。開幕戦で福井商を2-0で完封、大会7日目の2回戦で宇治山田商と延長15回4-4の引き分け再試合、翌日の再試合で9-1と勝ち、3回戦では前橋商に5-2と完勝、準々決勝では優勝候補といわれた帝京に4-3で競り勝ち、準決勝では九州勢同士の日大長崎を3-0と完封、そうして決勝で逆転優勝を成し遂げた。
 試合を重ねる度に強さを増した佐賀北は、延長引き分け再試合を含め、1大会では史上最多の73イニングを戦い抜いた。 
 また、佐賀北は佐賀勢としては1994年の佐賀商以来13年ぶり2度目の優勝、県立高校としては1996年松山商以来11年振りの優勝校となった。
 今大会決勝の佐賀北VS広陵の試合は、昨年大会決勝の、早実VS駒大苫小牧に続き、高校野球史に残ることだろう。
「写真は、広陵―佐賀北 8回裏佐賀北1死満塁、副島は左越え満塁本塁打を放ち逆転する。投手野村、捕手小林、朝日新聞社)

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