安倍晋三首相は、11月に歴代1位の首相在任期間となったが、今日の大晦日をどのように迎えたのだろうか。
長期政権にも関わらずレガシーとして見るべきものがなく、執念を燃やす憲法改正についても「笛吹けど踊らず」状態で焦りの気持ちを持って年越しをせざるを得ないのかも知れない。
その他、アメリカとの貿易交渉も自動車の関税問題が中途半端になっているし、ロシアとの北方領土交渉は2島返還論ですら後退している。
中国の習近平国家主席が訪日することになったが、国内では、香港や新疆ウイグル自治区に対する弾圧など強圧政策が目立つ習近平氏を国賓として迎えることに反対する意見も多く、頭が痛いだろう。
北朝鮮からの拉致被害者返還の目途はゼロに等しく、2人の生存者がいることについても、他の被害者への影響を恐れてか政府発表もできない状態だ。
特に、一貫性がないのは、北朝鮮のミサイル発射に対する抗議について、そっとしておくほうが無難と思ったか、何にも言わなかったり、最近はまた厳しく抗議している。
それは、ほとんどがアメリカのトランプ大統領に合わせた対応だからで、トランプ氏が白と言えば白、黒とに言えば黒といった感じの主体性を欠いた対処になっている。
北朝鮮のミサイル発射は、総て短中距離のもので、アメリカは殆ど脅威にはならないが、日本にとっては死活問題であり、もっと厳しく非難すべきだろう。
北朝鮮は、日本が無条件で話し合いを持ちたいと言っているので、腹の内を読んでおり、小馬鹿にしている感じだ。
憲法問題、外交問題、森加計問題、桜を見る会、全閣僚ら3人の欠勤問題、IRに関わる前副大臣の逮捕、共通テストの方式転換など、来年の通常国会のことを考えると、安倍首相の大晦日はそうのんびり過ごされないだろう。
いや、そんなことは首相在任期間歴代最長の大宰相には心配ご無用なのかも知れない。「関連:11月20日」