正さん日記

世の中思いにつれて

袴田事件、東京高裁が再審開始を認め、無罪の可能性高まる 57年前の一家4人殺害 「犯行時着衣」捜査機関の証拠ねつ造を示唆

2023-03-14 13:48:59 | 社会

 死刑が確定した袴田巌(87)さんの再審請求の差し戻し審で、昨日、東京地裁は裁判のやり直し=再審開始を認める決定をした。

 東京高検が控訴しなければ、静岡地検に差し戻され実質的に袴田さん無罪の可能性が高まった。

 1966年6月、静岡県・旧清水市で、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で、警察は、当初から、みそ工場の従業員であり元プロボクサーであった袴田巌さんを犯人であると決めつけて捜査を進めた上、8月17日に袴田さんを逮捕した。

 袴田さんは、当初否認をしていたが、警察や検察からの連日連夜の厳しい取調べにより、勾留期間の満了する直前に自白したが、その後公判において否認した。

 第1審の静岡地裁は、自白調書のうち44通を無効としながら、1通の検察官調書のみを採用し、さらに、5点の衣類についても袴田さんの物であるとの判断をして、袴田さんに有罪を言い渡した。

 1980年11月19日、最高裁が上告棄却し、袴田さんの死刑が確定した

 しかし、2014年、静岡地裁は袴田さんの再審開始を認め、袴田さんは48年ぶりに釈放された。

 それから9年、東京高裁は再審請求を認め、裁判は最初からやり直しになるが、検察の証拠捏造の可能性も指摘され袴田さんの無罪は確定的になっている。

 検察が証拠として上げたのが、袴田さん逮捕の1年後にみそ樽の中から見つかったとされる5点の衣服で、それに血痕が見られた。

 しかし、それはDNA鑑定で袴田さんのものではないことが明らかになった。それだけで無罪が証明されたはずなのに、検察はさらに赤色の血痕であると譲らなかった。

 これについて弁護側は実験の結果、1か月後に黒褐色となり、6か月後には、ほぼ濃黒紫色ないし、黒色に近い色となり、赤みが完全に.消失したと主張した。

 今回の裁判では、弁護側の主張を取り入れ、袴田さんの衣服がみそ樽から出て来たこと自体捏造であると糾弾している。

 この事件は、57年前、通勤電車の車窓から目撃した。正に犯罪史上稀に見る残虐事件となった。57年前となると、警察の捜査がかなり作為的で強引なものだったと思う。

 また、死刑判決の再審請求が余りにも長期に亘ることに違和感と恐れを禁じ得ない。冤罪だった死刑囚のその間の恐怖と焦りの気持ちはいかばかりか想像を絶するものがある。

 袴田さんの90歳の姉ひで子さんの弟を思う兄弟愛、無罪を信じる信念、諦めない執念、年を感じさせない言動には多くの人が勇気を与えられたと思う。

 心を病んでいる袴田さんの無罪が一日も早く決着し、ひで子さんとともに安穏な日々が来ることを祈って止まない。

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