通常国会が閉幕した。岸田文雄首相は政治資金改正案修正などの成果を誇示しているが、多くの国民や野党との感覚とは大分異なった判断だ。
そうして、岸田氏は自身に対する自民党内の空気がかなり冷ややかになっているのを身に感じている筈だ。
自民党内では、岸田内閣や党に対する支持率の低下に危機感を持ちつつ、政治資金規正法改正や、岸田氏が進めた派閥解消について恨みつらみが一気に増幅しているようだ。
特に、国会の後半、パーティー券購入者の開示について公明党のごり押しを受けて独断で5万円に引き下げたことに対し、相談を受けなかった麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長が怒り心頭に達しているとのことだ。
これまで、派閥2位の麻生派、3位の茂木派に支えられ4位の岸田派の領袖として総裁・総理を務めてきた岸田氏が今後どのように党内を収めていけるのか現状は極めて厳しくなっている。
それでも、岸田氏は解散総選挙をスルーして秋の自民党総裁選挙に出馬する意欲を隠さない。
岸田氏の判断は、現状では自身の後を受け総裁候補に手を上げる数人のライバルが居ても勝てる自信を捨てていないようだ。
世論調査では、石破茂氏が常に総裁候補第1位を譲らないが、党員はともかく、国会議員の中では石破氏を支持する者は数少ない状況に変わりがない。
石破氏に続き小泉進次郎氏、河野太郎氏らの名が挙がっているが、いずれも党内のコンセンサスを得られるとは思えない。
ただ、現状では余りにも自民党の支持率が低下し、立憲民主党など野党勢力と接近していて政権交代の可能性も無きにしも非ずであり党内の危機感は頂点に達している。
そのため、党と自らが生き残りを掛けて国民に人気のありそうな石破氏を担ぎだす可能性が出てくるかもしれない。「関連:6月20日」